01 ─ 提出
mints → TreeeS
新規申立てのフォーム入力と PDF 添付は、mints(改修版)ですでに始まっています。TreeeSの画面や項目は暫定マニュアルで確認でき、本番運用時の変更にも対応する方針です。↳ AILEX事件の骨格と参照文書から、フォーム項目に合わせた下書きと転記支援。
状況(2026年10月10日時点):TreeeS はまだ稼働していません。弁護士等の訴訟代理人による電子提出は、2026年5月21日の改正民事訴訟法の施行以降、改修版の mints で行います。最高裁判所の調達仕様書(2026年6月)によれば、TreeeS は 2026年度中(2027年1月の予定)に一部の裁判所で運用を開始し、2027年度中に全国の裁判所で運用を開始する予定です。2026年9月25日には、TreeeS・RoootS の運用保守等と、mints のクラウド基盤の提供及び運用・保守の調達について、最高裁判所が仕様書案に対する意見招請を公示しました(お知らせ)。先行導入が予定されている名古屋では、愛知県弁護士会の研修カレンダーに、2026年11月9日の「裁判所によるTreeeSの説明会②(運用協議)」が掲載されています(先行導入は名古屋から)。AILEX v2 は、現在の mints 提出支援を TreeeS の公表仕様に合わせて更新する方針で設計しています。AILEX の対応方針
民事訴訟のデジタル化は、2026年5月21日の改正民事訴訟法の全面施行で、法制度としては完成しました。しかし、裁判所側のシステムはまだ移行の途中です。施行当初の電子提出は既存の mints を改修して対応し、最高裁判所が開発する新システム TreeeS(ツリーズ)は、2027年1月の先行導入から段階的に全国へ広がる予定です。法律事務所には、紙・mints・TreeeS が並ぶ期間を過誤なく乗り切る備えが求められます。
このページでは、最高裁判所が公表した調達仕様書と日弁連の会長声明などの一次資料をもとに、TreeeS の位置づけ、導入スケジュール、mints からの変更点、法律事務所がいま備えること、そして AILEX の対応方針を整理します。個別の論点は、当社が運営する公開ガイド「mints 実務ガイド」の TreeeS の記事で解説しています。

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基礎知識から登録・提出・電子記録・トラブル対処まで、AILEX編集部が出典と実務提案を分けて解説します。
裁判所の公式サイトではありません。対象事件の利用条件・操作手順は最新の公式案内をご確認ください。
TreeeS は、最高裁判所が民事訴訟手続のデジタル化のために開発している e提出・e記録管理システムの名称です。読み方は「ツリーズ」で、最高裁判所の調達仕様書(2025年7月)の用語の定義に「TreeeS(ツリーズ)」と記載されています。同じ定義は、TreeeS を「RoootS 及び e提出・e記録管理システムに加え、e法廷のためのウェブ会議アプリケーションとの連携機能等も含めた裁判手続の『3つのe』を実現するためのシステム群の総称」と説明しています。一方、2026年の調達仕様書は「e提出・e記録管理システム(以下『TreeeS』という。)」と、利用者向けのシステムを指す名称として使っています。文書によって指す範囲が少し異なる点に注意が必要です。
2026年の調達仕様書によれば、e提出は「国民が操作を一元的に行うサブシステム」で、最初にアクセスするユーザポータル、裁判資料の電子提出、手数料の電子納付、汎用受付システムやインターネットバンキング等との外部連携の機能を持ちます。e記録管理は、電子化された訴訟記録を整理して保管し、裁判所職員がアクセス権限を管理し、利用者が訴訟記録を検索・閲覧・複写できるようにするサブシステムです。TreeeS と、裁判所職員が事件情報を管理する RoootS(ルーツ)は、いずれもクラウド上に構築されています。
| 名称 | 役割 | 主な利用者 | 状況(2026年9月) |
|---|---|---|---|
| mints ミンツ | 民事裁判書類電子提出システム。改正民事訴訟法の施行当初の電子申立て・システム送達・記録閲覧に使う改修版 | 訴訟代理人・当事者 | 稼働中。2026年5月21日から訴訟代理人の電子申立てが義務 |
| RoootS ルーツ | e事件管理システム。事件番号・担当部・裁判官・書記官・当事者・期日などの事件情報を裁判所職員が管理 | 裁判所職員 | 全国の裁判所で運用中 |
| TreeeS ツリーズ | e提出・e記録管理システム。ユーザポータル、電子提出、電子納付、訴訟記録の検索・閲覧・複写 | 当事者・訴訟代理人・裁判所職員 | 未稼働。2027年1月に一部の裁判所で運用開始の予定 |
出典:最高裁判所「家事事件手続等のデジタル化に伴うシステム改修等業務」公募公告・調達仕様書(2025年7月2日)用語の定義、同「e提出・e記録管理システム及びe事件管理システムの追加機能改修業務」(2026年4月3日公募)、同「後見法改正等に伴うe提出・e記録管理システム及びe事件管理システムの改修業務」調達仕様書(2026年6月)。
最高裁判所が2026年6月に公表した調達仕様書は、「TreeeS も令和8年度中に一部の裁判所での運用が開始し、令和9年度中に全国の裁判所での運用が開始予定である」と記載しています。2026年4月に公募された追加機能改修業務の調達仕様書には、一部の庁を対象としたシステム導入の開始時期を「R9.1」(2027年1月)とする記載があります。
| 時期 | 出来事 | 根拠 |
|---|---|---|
| 2022年4月 | RoootS(e事件管理システム)の第1次開発に着手。2024年5月に完成 | 最高裁 調達仕様書(2026年4月公募) |
| 2023年4月 | TreeeS(e提出・e記録管理システム)の第2次開発に着手。同年12月から RoootS との連携改修 | 同上 |
| 2025年9月 | 家事事件手続・人事訴訟手続等に対応する第3次開発に着手(2027年8月末の完成目標) | 同上 |
| 2026年5月21日 | 改正民事訴訟法の全面施行。訴訟代理人の電子申立てが義務化。施行当初は改修版 mints で対応 | 日弁連 会長声明(2026年5月21日)、裁判所「民事裁判手続のデジタル化」 |
| 2026年9月25日 | 最高裁判所が、TreeeS・RoootS(e提出・e記録管理システム及びe事件管理システム)の運用保守等と、mints のクラウド基盤の提供及び運用・保守の調達について、仕様書案に対する意見招請を公示(意見の提出期限 10月16日) | 最高裁 意見招請に関する公示(2026年9月25日、調達ポータル) |
| 2026年11月9日(予定) | 愛知県弁護士会の会員向け研修として、「裁判所によるTreeeSの説明会②(運用協議)」(14:30〜16:30。会場、ウェビナー、事務職員向けウェビナーの 3 区分) | 愛知県弁護士会 研修カレンダー(2026年10月6日確認) |
| 2027年1月(予定) | TreeeS を一部の裁判所で運用開始。名古屋高裁本庁・名古屋地裁(支部を含む)・管内の簡易裁判所が先行 | 最高裁 調達仕様書(2026年4月公募)の「R9.1」、日弁連宛通知(2026年2月27日付) |
| 2027年度中(予定) | 全国の裁判所で TreeeS の運用を開始 | 最高裁 調達仕様書(2026年6月)、日弁連 会長声明(2026年5月21日) |
| 2028年3月(予定) | 家事事件・人事訴訟等の機能改修と法人ベース・レジストリ連携改修をリリース。家事事件手続法等の改正法は2028年6月までに施行 | 最高裁 調達仕様書(2026年6月)、裁判所「民事裁判手続のデジタル化」 |
先行導入の対象庁と2027年1月という時期は、愛知県弁護士会の公開案内(2026年5月15日)でも確認できます。導入時期は予定であり、変更されることがあります。
地図の点は全国 50 か所の地方裁判所(本庁)の所在地で、名古屋から全国へ広がる動きは、2027年度中の全庁導入(予定)を表したイメージです。東京・大阪は AILEX の保管・AI 推論のリージョンです。
先行導入の対象は、名古屋高等裁判所本庁、名古屋地方裁判所(支部を含む)、および同地裁管内の簡易裁判所です。2026年4月公募の調達仕様書には、先行導入の期間中、フォームで提出できる裁判所を「提出可能な裁判所だけに絞って表示する」改修(全庁稼働後に元に戻す一時的な対応)が含まれています。つまり、先行導入の期間は TreeeS で申立てができる裁判所が限られ、それ以外の裁判所へは引き続き mints で提出することになります。
名古屋の裁判所に係属する事件を扱う事務所は、2027年1月の運用開始に合わせて、アカウントの登録と運用の切り替えを先行して準備する必要があります。全国の事務所にとっても、先行導入の運用は、2027年度中の全庁導入に向けた予行になります。
愛知県弁護士会の研修カレンダー(会員向け)には、2026年11月9日(月)14:30〜16:30 の研修として、「裁判所によるTreeeSの説明会②(運用協議)」が掲載されています(2026年10月6日確認)。会場での参加とウェビナーのほか、事務職員向けのウェビナーが別の枠で設けられています。名称に「②」「運用協議」とありますが、説明会の内容は当社では確認できていません。愛知県弁護士会の会員の方は、同会の案内をご確認ください。
公表資料の範囲で、mints(改修版)と TreeeS の違いを整理します。TreeeSの欄は最高裁の調達仕様書と暫定操作マニュアルVer.2.0に基づきます。暫定仕様や予定は変更される可能性があるため、本番の案内も確認してください。
| 項目 | mints(改修版) | TreeeS(公表資料に基づく予定) |
|---|---|---|
| 位置づけ | 民事裁判書類電子提出システム。改正法の施行当初の電子申立て・システム送達・記録閲覧に使用 | e提出・e記録管理システム。「3つのe」(e提出・e事件管理・e法廷)を実現するシステム群の一部 |
| 提出の方式 | 新規申立てはフォームに入力し、書面は PDF を添付 | ユーザポータルからの電子提出。フォームの当事者情報入力画面、登録ユーザ情報の反映機能が調達資料に記載 |
| 認証 | 登録したメールアドレス(識別符号)とパスワード(暗証符号)でサインイン | 暫定マニュアルにGビズIDを使う士業者登録と、使わずに登録する方法を掲載。使わず取得した士業者IDを後からGビズID利用に切り替えることは不可 |
| アカウントの引き継ぎ | ─ | 暫定マニュアルに「mintsアカウントと同一メールアドレスを利用する」登録手順を掲載。既存アカウント・事件データの自動移行を意味しない |
| 記録の閲覧 | 電磁的訴訟記録の閲覧 | e記録管理で検索・閲覧・複写。利害関係のない「第三者」の権限で訴訟記録一覧にアクセスできる改修が予定 |
| 手数料の納付 | 電子納付に対応 | ユーザポータルからの電子納付。汎用受付システム・インターネットバンキング等との外部連携 |
| 対象手続 | 民事訴訟。人事訴訟・家事事件・非訟事件等は対象外 | 民事訴訟から開始。家事事件・人事訴訟等は第3次開発として2028年3月のリリース予定 |
| 外部連携 API | 公開なし | 公開の計画は未公表 |
GビズID は、デジタル庁が運営する事業者向けの共通認証サービスです(gbiz-id.go.jp)。研修環境では当事者用の暫定操作マニュアルVer.2.0が公開されています。士業者と事務職員のアカウント要件は区別し、本番の登録方法・権限は最新の利用案内で確認してください。
改正法の全面施行後は民事裁判書類電子提出システムmintsにより訴状等の電子提出等を行うことが可能になるが、2027年度中には新システムTreeeSが導入され、導入後は申立て方法が異なる数種類の事件が同時併存するため、利用者及び裁判所関係者は過誤が生じないよう注意する必要がある。
─ 日本弁護士連合会「民事訴訟法等の一部を改正する法律の全面施行(民事訴訟デジタル化)についての会長声明」(2026年5月21日)
2027年以降、法律事務所が扱う事件は、提出先のシステムが異なる複数の類型に分かれます。
この期間は、同じ事務所の中で「この事件はどのシステムで提出するのか」「送達はどこに届くのか」「期限はどう数えるのか」が事件ごとに変わります。日弁連の会長声明が「過誤が生じないよう注意する必要がある」と述べているのは、この点です。事件ごとの提出先と期限を、担当者の記憶ではなく記録として管理する仕組みが要ります。
TreeeSの研修用暫定操作マニュアルが公開されています。本番で変更される可能性を踏まえながら、公表資料に沿って準備できます。
暫定操作マニュアルには、士業者がGビズIDを使う方法と使わない方法の両方が掲載され、使わず取得した士業者IDを後からGビズID利用へ切り替えられない旨の注意があります。登録方法は最初に決める必要があるため、事務所として GビズID(プライム)を取得するか、いまのうちに検討しておきます。
TreeeSの暫定操作マニュアルでは、士業者の登録時に「mintsアカウントと同一メールアドレスを利用する」手順が掲載されています。mints に登録したメールアドレスが事務所で管理できるものか、担当者の異動で失われないかを確認しておきます。
旧法適用事件(紙)、新法適用事件(mints)、TreeeS で申し立てる事件を、事件の台帳で区別します。提出先ごとに、送達の受け取り方と期限の数え方を決めておきます。
提出先が変わっても、PDF の要件、証拠番号の付け方、秘匿事項の確認は要ります。人ではなく手順に依存する形にしておけば、TreeeS への切り替えは「提出先が変わるだけ」になります。
名古屋高裁本庁・名古屋地裁(支部を含む)・管内簡裁に係属する事件を扱う事務所は、2027年1月の運用開始に向けて、アカウント登録と運用の切り替えを先に進めます。
日弁連・各弁護士会の研修と、最高裁判所の公表資料(調達関連情報を含む)を追います。先行導入の対象となる名古屋では、愛知県弁護士会の研修カレンダーに、2026年11月9日の裁判所による説明会が掲載されており、事務職員向けの枠も設けられています。所属する弁護士会の研修案内は、事務職員も含めて確認します。当社の「mints 実務ガイド」でも、TreeeS の公表情報を随時更新しています。
AILEX v2 は、mints への提出を前後の作業から支援するために、提出パッケージの生成、PDF 要件チェック、証拠番号スタンプ、秘匿情報チェック、送達と期限の管理を提供しています。TreeeS への移行では、これらの支援を提出先に合わせて更新し、紙・mints・TreeeS が並ぶ期間を、ひとつの提出管理で扱えるようにする方針です。
01 ─ 提出
新規申立てのフォーム入力と PDF 添付は、mints(改修版)ですでに始まっています。TreeeSの画面や項目は暫定マニュアルで確認でき、本番運用時の変更にも対応する方針です。↳ AILEX事件の骨格と参照文書から、フォーム項目に合わせた下書きと転記支援。
02 ─ 認証
暫定マニュアルでは士業者はGビズIDを使わずに登録する方法も選べます。事務職員の要件は別途確認します。↳ AILEX弁護士・事務員の役割別権限を前提にした運用設計で受ける。
03 ─ 併存
旧法事件は紙の記録のまま(要件を満たせば mints で電子提出)、新法事件は mints、TreeeS の導入後の新規申立ては TreeeS へ。↳ AILEX事件ごとの提出先・期限・送達記録を、ひとつの提出管理で扱う。
04 ─ 要件
提出先が変わっても、要件チェックと証拠番号、秘匿情報チェックは要る。↳ AILEX提出先ごとの要件に合わせてチェックを更新。提出は弁護士が各システムで。
できること・できないこと:mints・TreeeS は外部連携用の API を公開していないため、AILEX から裁判所のシステムへ直接提出することはできません。提出の操作は、弁護士が各システム上で行います。AILEX が担うのは、提出の前(下書き・要件チェック・パッケージの生成)と後(送達の記録・期限の管理)です。TreeeS に関する AILEX の対応内容は開発予定であり、TreeeS の仕様の公表状況により変わります。
本ページは2026年10月10日に更新しました。従来の調達資料に加え、TreeeSの暫定操作マニュアルVer.2.0と愛知県弁護士会の公開案内を確認し、登録方法・移行・利用案内の説明を更新しています(調達の公示は10月1日、会員向け説明会の予定は10月6日に確認・追記)。調達仕様書の記載は調達段階の改修予定であり、実際のシステムの仕様・導入時期とは異なる場合があります。
ご注意:本ページは一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。TreeeS・mints・RoootS は最高裁判所のシステムであり、本ページの記載は当社との提携・認定を意味するものではありません。TreeeS の名称・機能・導入時期は、最高裁判所の公表資料と日弁連の公表資料・通知(2026年9月時点)に基づき、変更されることがあります。AILEX の AI 機能による出力は参考情報・ドラフトであり、内容の確認および最終的な判断は弁護士ご自身が行ってください。AILEX は、法律事件に関する鑑定・代理・仲裁・和解その他の法律事務を行うものではありません(弁護士法第72条)。当社の顧問弁護士事務所は弁護士法人えそらです(本ページの監修を意味するものではありません)。GビズID はデジタル庁のサービスです。その他記載の会社名・製品名・システム名は、各社・各機関の商標または登録商標です。