
TreeeSとは何か:最初に押さえる役割と現在地
TreeeSを理解する出発点は、名称よりも「提出と記録を扱う仕組み」という役割です。公開資料にある設計と、個々の事件で利用できる条件を分けて読み解きます。
公式な位置付け
最高裁の調達資料はTreeeSをe提出・e記録管理システムと位置付けています。利用者が書面を出す場面と、事件の記録を扱う場面を結び付けて考えると全体像をつかめます。ただし、調達書にある機能一覧は、そのまま一般利用者向けの操作保証にはなりません。実際の利用では、対象裁判所や事件に適用される案内が別に必要です。
日常業務への置き換え
法律事務所なら、書面の作成、内容確認、提出、提出結果の確認、記録の整理という流れを一枚に描いてください。TreeeSに関係するのは主に提出以降ですが、提出するファイルの品質や確認担当の配置は事務所側の仕事です。システム名だけを新しくしても、確認漏れや誤版提出を防げるわけではありません。
別の仕組みと混同しない
裁判所内部の事件情報管理にはRoootSという別のシステムが位置付けられています。また、mintsについて公表されている利用手順を、TreeeSの手順として読み替えることもできません。どの説明がどの製品・時点・利用者を対象にしているか、資料の表題と発行日をセットで確認する習慣が役に立ちます。
最初の準備資料を作る
入門段階では、使える機能を断定した手順書より、確認表を作る方が実用的です。項目は担当裁判所、事件類型、現在の提出方法、今後の公式案内、事務所内の確認担当とします。まだ決まっていない欄は未確認と書き、想像で埋めません。案内が更新された際に、変更の必要な案件を絞り込める状態を目指します。
所内で試す具体例と記録項目
以下は運用を検討するための架空例です。発生した状況は、新人が「電子裁判なら何でも同じ画面」と理解していたというものです。改善例では、書面を提出する仕事と記録を読む仕事を二色で図示し、期日参加や内部事件管理は別枠にした。まず対象を一案件又は一つの作業に絞り、変更前にどこで迷ったのかを担当者の言葉で残します。作業を終えたという報告に加え、何を確認して次の担当へ渡したかを説明できる状態にすることが狙いです。
記録用紙には「作業名、扱う情報、利用する仕組み、確認資料」の欄を設けます。各欄には実際に確認した値又は参照先を記入し、不明な部分は回答担当と次の確認先を添えて残してください。完了後は「準備書面の作成から結果保存までを順番に説明できるか」を、実作業をしていない担当者が点検します。点検で説明できなかった部分が次回の改善対象です。特に「資料名を知らない作業は調べ直す」ことを停止条件として共有しておくと、見かけ上の作業完了を優先して確認を飛ばすことを防げます。これは所内整理の提案であり、裁判所が指定する様式や利用条件ではありません。
公開された操作資料との照合
2026年10月10日時点で確認した裁判所の自主研修サイト掲載「TreeeS操作マニュアル 当事者用 Ver.2.0」(2026年8月31日発行、暫定版、印刷ページ 2、47、134)では、ユーザ登録、ユーザポータル、電子記録の閲覧・複写が別の章で説明されています。役割をつかんだ後に該当章へ進むと、操作と業務目的を対応させやすくなります。 暫定版は今後改訂される場合があると明記されています。研修環境で確認した内容を、そのまま全裁判所・全手続の本番利用条件とせず、対象事件への適用案内も確認してください。
実務チェック
- TreeeSとRoootSの役割を説明できる
- 対象事件の利用案内を別途確認する
- 事務所内の準備とシステム機能を分ける
出典・参照資料
資料に記載された計画・制度と、本記事の実務提案は区別してお読みください。
- 最高裁判所:2026年4月3日追加機能改修公募・調達仕様書 ↗
- 最高裁判所:2026年6月9日後見法改正等対応公募・調達仕様書 ↗
- 裁判所 TreeeS自主研修サイト:ヘルプ掲載「当事者用操作マニュアル」Ver.2.0(暫定版・2026年8月31日発行)、印刷ページ 2、47、134 ↗
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