
補助職員が扱う記録の範囲と確認責任
事務職員による記録整理は効率化に役立ちますが、資料取得、内容の確認、法的判断を一つの仕事として任せると責任が曖昧になります。導入前に役割と引継ぎを明文化する方法を紹介します。
作業を具体的に分解する
ファイルの取得、保存先の整理、ページ数確認、台帳入力、専門職による内容判断を分けます。職員が完了できる作業と、担当専門職へ回すべき事項を明示します。「記録を確認しておいて」という曖昧な指示では、書面の重要性まで判断したと誤解されかねません。
利用方法は公式案内で確認する
職員がどのような資格や権限で利用できるかは、TreeeSの正式な運用案内に従って確認します。便宜のために代理人の認証情報を共用する前提は置きません。職務上必要な範囲に限定し、休職・異動・退職時に扱いを見直す手順を用意します。
例外を上げる基準を決める
事件番号が違う、資料が開かない、秘密情報が見える、期限に関係しそうな記載があるなど、即時に担当者へ伝える場面を列挙します。職員が独断で修正・削除せずに止められる仕組みが必要です。確認メモには対象資料と観察した事実を書き、推測は分けます。
研修は模擬資料で行う
本番の記録を大量に見せるより、架空の事件資料で保存・台帳・報告の流れを試す方法を提案します。操作の速さだけでなく、取り違えに気づいて止まれるかを確認します。研修結果に応じて手順を直し、例外時の相談先を新人にも分かる場所へ掲示します。
補助職員への依頼票を具体化する
「記録を全部取っておいて」という依頼では、対象事件や関連事件、記録外資料まで含むかが曖昧です。依頼票に対象一覧、期間、必要な取得形式、保存先、判断を仰ぐ条件を書きます。閲覧制限や想定外の事件が表示されたときは取得を続けず報告する条件も定めます。完了報告はファイル数だけでなく取得できなかった範囲を添え、担当専門職が資料の法的意味や利用範囲を最終確認する流れにします。
公式資料で確認する範囲
自己研修サイトで公開されている当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行、暫定版)の本文156、178–185頁では、記録外フォルダへアクセスできる当事者は裁判所が設定すると説明されています。また招待キーは利用者のアカウントを特定事件の当事者として関連付けるためのもので、本人と代理人で入力内容が分かれます。登録を終えたことだけで全事件や全フォルダにアクセスできるとは考えず、利用者の立場と対象範囲を確かめます。これは2026年10月10日に確認した研修用の資料に基づく説明です。本番の適用対象・最新画面は利用時点の裁判所の案内で確認してください。
実務チェック
- 取得・整理・判断を分ける
- 利用権限を公式案内で確認する
- 作業を止める基準を決める
- 模擬資料で引継ぎを練習する
出典・参照資料
資料に記載された計画・制度と、本記事の実務提案は区別してお読みください。
- 最高裁判所:TreeeS・RoootS追加機能改修の公開調達資料(機能計画の背景) ↗
- 裁判所TreeeS自己研修サイト:ヘルプ掲載「操作マニュアル(当事者用)」Ver.2.0(暫定版・2026年8月31日)、本文156、178–185頁 ↗
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