
電子記録の保存期間を一律に決めない
事件終了後の記録管理では、裁判所の保存と事務所の保存を分けて考える必要があります。契約、業務上の必要性、情報の性質を確認し、根拠のある保存・見直しルールを作る方法を示します。
保存主体を分けて整理する
裁判所が保持する記録と、事務所が取得した写しは別の管理対象です。TreeeSで将来いつでも再取得できるとは決めつけません。一方で、取得した資料をすべて永久に保存することも当然ではなく、所内規程や依頼関係を踏まえた整理が必要です。
保存根拠を確認する
適用される規律、契約上の約束、紛争対応の必要性、依頼者への返還予定などを事件ごとに確認します。本記事では一律の年数を示しません。どの資料を何のために残すかを説明できるようにし、保存期間の判断者と見直し時期を管理項目にします。
保留すべき事情を見落とさない
関連紛争や照会が続く場合など、通常の整理時期でも直ちに削除できない事情があり得ます。自動削除だけに任せず、担当者が保留を判断できる仕組みを用意します。保留の理由が解消した後に再検討できるよう、解除の確認担当者も記録します。
長期保存の読める状態を確認する
ファイルが残っていても、開くための環境や索引が失われると活用できません。保存形式、文字化け、暗号化に必要な情報、権限を定期的に点検します。形式変換をする場合は元の取得物との対応と変換日を残し、見た目やページ構成が変わっていないか確認します。
保存終了の条件を文書化する
事件終了日だけを基準に全資料を一斉削除する運用では、費用精算、関連紛争、引継ぎに必要なものまで失うことがあります。原記録、本人確認資料、所内検討、配付履歴を分けて保存目的を明らかにし、適用する規程や契約を担当専門職が確認します。保留すべき資料が出た場合は削除予定を止める仕組みが必要です。保存期間の延長も理由と承認者を残し、期限なくコピーを増やす運用は避けます。
公式資料で確認する範囲
自己研修サイトで公開されている当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行、暫定版)の本文152–156頁では、ファイル詳細からの取得はタブごとの処理で、本体と詳細情報は別ファイルとして出力されます。一覧からはPDF結合や詳細情報の有無を選択します。電子署名付きデータは結合や詳細情報付加によって署名を検証できなくなる可能性があるため、同資料は結合なし・詳細情報なし、又は詳細画面からの個別取得を案内しています。これは2026年10月10日に確認した研修用の資料に基づく説明です。本番の適用対象・最新画面は利用時点の裁判所の案内で確認してください。
実務チェック
- 裁判所と所内の保存を区別する
- 保存根拠と判断者を記録する
- 削除保留の条件を定める
- 長期保存物が開けるか点検する
出典・参照資料
資料に記載された計画・制度と、本記事の実務提案は区別してお読みください。
- 最高裁判所:TreeeS・RoootS追加機能改修の公開調達資料(機能計画の背景) ↗
- 裁判所TreeeS自己研修サイト:ヘルプ掲載「操作マニュアル(当事者用)」Ver.2.0(暫定版・2026年8月31日)、本文152–156頁 ↗
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