
電子記録を印刷するときの管理ポイント
紙にすると読みやすい場面もありますが、縮小、ページ抜け、回収漏れなど別のリスクが生まれます。必要な範囲だけを印刷し、電子の参照先と対応させる方法をまとめます。
紙で読む目的を決める
精読、期日持参、依頼者説明など目的を決め、全記録を習慣的に印刷しないようにします。必要な文書とページを選び、印刷対象の版を確認します。更新が多い資料は、紙がすぐ旧版になることを踏まえて、交換の手間も含めて運用を考えます。
印刷結果を確認する
両面、縮小、用紙サイズの設定で、図表の細部やページの順序が読みにくくなることがあります。先頭と末尾だけでなく、重要な図表や小さな文字のあるページも確認します。電子ファイルのページ番号と印字された番号を区別し、参照先がずれないようにします。
出力場所を管理する
共有プリンターに置き忘れないよう、印刷者がその場で回収できる時間に出力します。別件の資料が混ざっていないかを確認し、ミスプリントも通常の廃紙と分けて扱います。外部の印刷サービスを使う場合は、資料の機密性に応じた利用条件を確認します。
紙の所在も残す
誰に何部渡したか、どこへ持参したかを必要に応じて記録します。紙に独自の注釈を加えた場合は、電子の作業メモへ反映するか、紙自体を保管するかを決めます。用が済んだ後は、保存方針に沿って整理し、机や鞄の中へ無期限に置かないようにします。
印刷物にも版の識別を付ける
同じ書面の訂正版を印刷したとき、旧版が会議机に残ると引用を取り違えます。印刷表紙に取得日と参照版を付け、差し替える範囲を決めて配付します。両面印刷や縮小印刷では裏面、余白の注記、細かな表の数字が欠けていないか代表頁を確認します。裁判所へ提出するための出力には別の案内がある場合があるので、単なる会議用印刷と同じ設定でよいと考えず、利用目的を先に確認します。
公式資料で確認する範囲
自己研修サイトで公開されている当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行、暫定版)の本文152–156頁では、ファイル詳細からの取得はタブごとの処理で、本体と詳細情報は別ファイルとして出力されます。一覧からはPDF結合や詳細情報の有無を選択します。電子署名付きデータは結合や詳細情報付加によって署名を検証できなくなる可能性があるため、同資料は結合なし・詳細情報なし、又は詳細画面からの個別取得を案内しています。これは2026年10月10日に確認した研修用の資料に基づく説明です。本番の適用対象・最新画面は利用時点の裁判所の案内で確認してください。
実務チェック
- 印刷する目的と範囲を決める
- 図表とページ順を確認する
- 出力後すぐ回収する
- 配付先と整理方法を決める
出典・参照資料
資料に記載された計画・制度と、本記事の実務提案は区別してお読みください。
- 最高裁判所:TreeeS・RoootS追加機能改修の公開調達資料(機能計画の背景) ↗
- 裁判所TreeeS自己研修サイト:ヘルプ掲載「操作マニュアル(当事者用)」Ver.2.0(暫定版・2026年8月31日)、本文152–156頁 ↗
あわせて読む
出張先・在宅勤務で記録を読むための準備
事務所外では、画面の覗き見、端末紛失、保存先の分散などを考慮する必要があります。利用が認められる環境を確認したうえで、必要な記録を安全に扱う準備を説明します。
記事を読む 記録・電子送達記録更新の通知と内容確認を分けて管理する
通知を受け取ったことと、対象記録を読んで必要な対応を決めたことは別です。通知から記録確認、担当割当て、完了確認へつなぐ所内運用を導入準備として整理します。
記事を読む 記録・電子送達電子送達の確認で残しておきたい記録
電子的な連絡と送達の法的効果は同じではありません。TreeeSの具体的運用は公式案内で確認する前提で、送達に関係する表示や確認の経緯を所内で整理する考え方を解説します。
記事を読む