
不要になった記録コピーを安全に整理する
記録の削除は、保存すべき資料まで失わないことと、不要な複製を残し続けないことの両方を考えます。作業コピー、一時保存、共有先を確認して整理するための実務手順を紹介します。
削除対象を限定する
まず元の取得物、必要な検討資料、重複した一時コピーを分けます。ファイル名が同じという理由だけで重複と判断せず、版や注釈の有無を確認します。事件終了の連絡だけで全資料を消さず、保存方針と保留事項を担当者が確認してから対象を決めます。
複製の所在を調べる
端末の一時フォルダ、メール添付、共有リンク、外部記憶媒体などにもコピーが残り得ます。すべての場所を一度に調べることが難しければ、通常の保存経路を図にして順に確認します。個人の記憶に頼らず、共有時の台帳が整理の手掛かりになります。
削除方法を環境に合わせる
通常の削除操作がどこまでデータを消すかは、端末やサービスによって異なります。機密性、媒体の再利用、バックアップの保持方針を踏まえて管理担当者へ確認します。本記事は特定方式による完全消去を保証せず、必要な水準と実際の方法を合わせる準備を勧めます。
実施記録を必要最小限に残す
対象範囲、実施日、判断者、確認者を残すと、後日の照会に対応しやすくなります。削除証跡のために本文のコピーを新たに作るのは本末転倒です。削除しなかった資料とその理由も明確にして、次回の見直し時に同じ調査を繰り返さないようにします。
削除前に参照先を点検する
重複ファイルを消す前に、その保存先を起案、台帳、会議資料が参照していないか調べます。原データが別にあると思っても、実際には加工版しか残っていない場合があります。削除候補を一時的に一覧化して確認者が承認し、復元可能期間と最終削除の扱いを定めます。共有先にもコピーがある場合、手元の削除だけで配付済み情報が消えたとは扱わず、返却や削除確認の要否を目的に応じて判断します。
公式資料で確認する範囲
自己研修サイトで公開されている当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行、暫定版)の本文152–156頁では、ファイル詳細からの取得はタブごとの処理で、本体と詳細情報は別ファイルとして出力されます。一覧からはPDF結合や詳細情報の有無を選択します。電子署名付きデータは結合や詳細情報付加によって署名を検証できなくなる可能性があるため、同資料は結合なし・詳細情報なし、又は詳細画面からの個別取得を案内しています。これは2026年10月10日に確認した研修用の資料に基づく説明です。本番の適用対象・最新画面は利用時点の裁判所の案内で確認してください。
実務チェック
- 保存対象と一時コピーを分ける
- 複製の所在を確認する
- 環境に適した削除方法を選ぶ
- 対象範囲と実施者を記録する
出典・参照資料
資料に記載された計画・制度と、本記事の実務提案は区別してお読みください。
- 最高裁判所:TreeeS・RoootS追加機能改修の公開調達資料(機能計画の背景) ↗
- 裁判所TreeeS自己研修サイト:ヘルプ掲載「操作マニュアル(当事者用)」Ver.2.0(暫定版・2026年8月31日)、本文152–156頁 ↗
あわせて読む
電子記録を印刷するときの管理ポイント
紙にすると読みやすい場面もありますが、縮小、ページ抜け、回収漏れなど別のリスクが生まれます。必要な範囲だけを印刷し、電子の参照先と対応させる方法をまとめます。
記事を読む 記録・電子送達出張先・在宅勤務で記録を読むための準備
事務所外では、画面の覗き見、端末紛失、保存先の分散などを考慮する必要があります。利用が認められる環境を確認したうえで、必要な記録を安全に扱う準備を説明します。
記事を読む 記録・電子送達記録更新の通知と内容確認を分けて管理する
通知を受け取ったことと、対象記録を読んで必要な対応を決めたことは別です。通知から記録確認、担当割当て、完了確認へつなぐ所内運用を導入準備として整理します。
記事を読む