
関連事件の記録を混ぜずに参照する
同じ当事者や争点を扱う関連事件でも、記録は事件ごとに区別する必要があります。参照の便宜と出所の明確さを両立させ、別件資料を誤って扱わないための管理方法を紹介します。
事件の識別を固定する
裁判所、事件番号、手続の種類、当事者の立場を対応表にします。社内で同じ略称を使っている場合は、枝番号等で区別します。資料の保管先を事件単位に分け、横断的な検討メモから元の事件へ戻れる構造にします。
共通資料の出所を残す
同じ契約書が複数事件に現れる場合でも、どの記録から取得した写しかを残します。一方の事件で提出されたことから他方にも提出済みと判断しません。内容が同じと思われる資料も、ページや添付物、加工の有無を確認してから共通資料として参照します。
権限の違いを確認する
ある事件で閲覧できる立場にあっても、関連事件で同じ権限があるとは限りません。共同担当者の範囲や依頼関係も異なる可能性があります。横断フォルダにすべて集める前に、誰がどの資料を扱えるかを確認し、共有範囲を広げすぎないようにします。
引用と提出を分けて考える
所内検討で参照できることと、別事件へ提出・引用することは別の判断です。必要な手続や秘密情報の扱いを担当専門職が確認します。横断的な時系列には事件の出典を明記し、主張の立場が変わる箇所や記録の不足を見えるようにします。
関連事件を合わせて見るときの識別
本訴と反訴などを同じ一覧に表示する際は、どの事件のデータかを各行で確認します。合わせて表示できることは、別事件の証拠が自動的に同じ扱いになることを意味しません。所内の横断索引では共通論点をまとめても、事件番号と提出経路を残します。一覧を出力した後に事件の列が見切れていないかも点検し、他の担当者が一つの事件の記録だけと誤解しないよう表題に対象範囲を記載します。
公式資料で確認する範囲
自己研修サイトで公開されている当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行、暫定版)の本文166–168頁では、証拠一覧の初期表示には選択中の事件が表示され、関連事件は事件選択で追加します。PDF・CSVで一覧を出力できますが、紙記録や閲覧制限などのシール表示は出力されません。また、先頭のチェック欄で選択するのはページ内のデータです。出力物だけで対象範囲や制限表示が完全に引き継がれると考えないことが点検の要点です。これは2026年10月10日に確認した研修用の資料に基づく説明です。本番の適用対象・最新画面は利用時点の裁判所の案内で確認してください。
実務チェック
- 事件ごとの識別表を作る
- 同一資料でも取得元を残す
- 横断共有の権限を確認する
- 引用・提出の判断を別途行う
出典・参照資料
資料に記載された計画・制度と、本記事の実務提案は区別してお読みください。
- 最高裁判所:TreeeS・RoootS追加機能改修の公開調達資料(機能計画の背景) ↗
- 裁判所TreeeS自己研修サイト:ヘルプ掲載「操作マニュアル(当事者用)」Ver.2.0(暫定版・2026年8月31日)、本文166–168頁 ↗
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