
共有用のマスキング資料を作るときの点検
共有に不要な個人情報を隠す場合、黒い図形を重ねるだけでは情報が残ることがあります。加工の必要性を判断し、元の資料との対応を保ちながら共有版を検証する手順を整理します。
加工の目的を明確にする
誰に何を説明するための資料かを決め、隠す必要がある情報を特定します。記録の意味が変わるほど広く隠すと、相手が誤解する可能性があります。裁判所への提出や記録上の閲覧制限に関わる場合は、所内共有の加工とは別に、必要な手続を担当専門職が確認します。
元の取得物を保存する
加工は複製した作業データで行い、元の記録を上書きしません。対象箇所、加工理由、作成者を管理します。ファイル名や文書のプロパティにも氏名等が含まれる場合があるため、本文だけに注意を集中させないことが重要です。
隠した情報が残っていないか確認する
表示上見えなくても、文字抽出、検索、コピー、注釈表示等で内容が分かる場合があります。使用するソフトの機能に応じて検証し、別の担当者が共有予定のファイルを開いて確認します。確認方法だけで完全な消去を保証せず、資料の機密性に合った方法を選びます。
共有版の意味を説明する
一部を省略した資料であることと、説明に必要な前提を共有先へ伝えます。元のページへの対応を残せば、追加説明の際にどこを加工したか追えます。訂正版を送るときは旧版の取扱いも確認し、誤った加工版が繰り返し共有されないようにします。
黒い図形を重ねただけにしない
住所欄へ黒い四角を置いたPDFでも、文字を選択してコピーすると元の内容が残っていることがあります。共有用資料は適切な編集機能で処理し、保存後に検索、文字選択、注釈、レイヤー、添付を確認します。画像化すれば必ず十分というわけでもないため、配付する実ファイルを別の担当者が点検します。未加工の取得物はアクセスを限定した領域に残し、マスキング理由と対象頁を管理します。
公式資料で確認する範囲
自己研修サイトで公開されている当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行、暫定版)の本文156、178–185頁では、記録外フォルダへアクセスできる当事者は裁判所が設定すると説明されています。また招待キーは利用者のアカウントを特定事件の当事者として関連付けるためのもので、本人と代理人で入力内容が分かれます。登録を終えたことだけで全事件や全フォルダにアクセスできるとは考えず、利用者の立場と対象範囲を確かめます。これは2026年10月10日に確認した研修用の資料に基づく説明です。本番の適用対象・最新画面は利用時点の裁判所の案内で確認してください。
実務チェック
- 共有目的と対象情報を決める
- 元資料を上書きしない
- 文字抽出や注釈を点検する
- 省略のある共有版であることを示す
出典・参照資料
資料に記載された計画・制度と、本記事の実務提案は区別してお読みください。
- 最高裁判所:TreeeS・RoootS追加機能改修の公開調達資料(機能計画の背景) ↗
- 裁判所TreeeS自己研修サイト:ヘルプ掲載「操作マニュアル(当事者用)」Ver.2.0(暫定版・2026年8月31日)、本文156、178–185頁 ↗
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