
AI生成物の版管理:入力・出力・修正・承認を一組にする
同じ資料から何度も生成すると、どの版を確認したか分からなくなることがあります。入力資料とプロンプト、生成結果、人の修正、最終承認を対応させ、提出候補の取り違えを防ぐ方法を整理します。
生成の単位に識別子を付ける
事件ごとの内部番号に生成日時や連番を付け、入力した文書の一覧と版を対応させます。「最終」「最新版」という名前だけでは再生成で意味が変わります。AI出力と人が編集した版は別に保存し、同じファイルを無言で上書きしないようにします。大容量資料の本文を何重にも複製する必要はなく、元資料の保管先と識別情報で追跡できる設計を検討します。
再生成の理由を残す
誤字修正、資料追加、モデル変更、指示の変更では再確認する範囲が違います。再生成の理由と変更した条件を記録し、以前承認された文章がどこで変わったか比較します。例えば証拠一件を追加しただけでも、AIが全文を書き換えれば全体の点検が必要です。差分が少ないという理由だけで内容確認を省かず、重要事項への影響を担当者が判断します。
承認対象をファイルで固定する
承認メールに「確認しました」とだけ書くと、後から別版が入れ替わっても気づけません。対象の識別子、ファイル名、確認日時、必要ならハッシュ値を記録し、承認済み領域に置きます。承認後に修正が入った場合は状態を戻して再承認します。共同編集が必要な作業領域と提出用の確定領域を分けると、編集中の内容が意図せず提出候補になるのを防げます。
提出後も生成履歴へ戻れるようにする
提出結果と、実際に選択したファイルの識別子を結びます。AI出力が途中の素材として使われた場合は、そのまま提出したと記録せず、人の編集を経た最終版を指します。事後に誤りが見つかったら、入力不足、生成の誤り、編集、選択のどこで生じたか追えることが重要です。履歴の保存期間と閲覧者は事件記録の方針に合わせ、機密データのコピーを際限なく増やしません。
TreeeSと本記事の位置付け
当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行、暫定版)の本文61頁はフォーム選択から入力、確認、提出完了の流れを、134–139頁は記録の一覧と個別確認を説明しています。資料確認日は2026年10月10日です。本記事のAI運用はAILEX編集部による所内準備の提案であり、裁判所の公式なAI利用手順やAILEXの機能保証ではありません。本番の対象手続と操作は最新の公式案内で確認し、製品の機能・契約条件は導入時に個別に確かめてください。
実務チェック
- 生成ごとに識別子を付ける
- 再生成した理由を残す
- 承認対象ファイルを固定する
- 提出結果と最終版を対応させる
出典・参照資料
資料に記載された計画・制度と、本記事の実務提案は区別してお読みください。
- 裁判所TreeeS自己研修サイト:ヘルプ掲載の当事者用操作マニュアルVer.2.0(暫定版・2026年8月31日)、本文61頁・134–139頁(提出と記録確認の背景) ↗
- AILEX:TreeeSの公開情報と対応方針(製品の個別機能は別途確認) ↗
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