
AI起案の人による承認:誰が何を確認したかを明確にする
承認ボタンやチェック欄だけでは、文章の妥当性を確認した証拠になりません。AIを使った起案の事実、法的評価、体裁、提出先を分け、それぞれの確認責任と再承認条件を設計します。
確認項目を役割へ割り当てる
事務担当は事件情報、添付、ファイルの読め方を確認し、担当専門職は主張、引用、法的評価、必要な手続を判断するなど、役割を具体化します。誰でも押せる承認欄だけを置くと、確認の抜けが見えません。複数の担当がいる場合は、他の人が確認したと思い込む項目を探します。作業者と最終判断者を同じにする場合でも、確認項目は省略せず記録します。
根拠を見られる形で渡す
レビュー担当へ完成文章だけを送ると、誤りの検出に時間がかかります。重要な事実や引用について元文書名と頁を付け、未確認事項を別表にします。AIが生成した箇所を識別できるようにしつつ、手入力部分も正しいとは決めつけません。確認者が根拠へアクセスできないなら承認を保留し、資料の所在や権限を整えてから再度依頼します。
緊急時でも代替承認者を定める
期限が近く担当者が不在のときに、承認を自動で省くルールは置きません。代替する専門職、連絡経路、保留できる作業を事前に決めます。急ぐ場合は最低限確認する重要事項を明示し、確認できなかった範囲を隠さず伝えます。提出の判断は当該事件の責任者が行い、AIの自信の強い表現や処理成功の表示を承認の代用にしません。
承認後の変更を監視する
誤字修正と思っても金額、否定語、固有名詞を変えれば判断内容に影響します。承認後の変更は記録し、重要事項に触れた場合は再承認します。最終PDF化や添付の入替えも、対象ファイルが承認済みのものか確認します。承認の記録には対象版、確認範囲、未解決事項、確認者を残し、後の説明で誰が何を確かめたか追える状態にします。
TreeeSと本記事の位置付け
当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行、暫定版)の本文61頁はフォーム選択から入力、確認、提出完了の流れを、134–139頁は記録の一覧と個別確認を説明しています。資料確認日は2026年10月10日です。本記事のAI運用はAILEX編集部による所内準備の提案であり、裁判所の公式なAI利用手順やAILEXの機能保証ではありません。本番の対象手続と操作は最新の公式案内で確認し、製品の機能・契約条件は導入時に個別に確かめてください。
実務チェック
- 事実・法的評価・体裁の確認者を決める
- 出典と未確認事項を添える
- 不在時の代替承認者を定める
- 承認後の重要変更を再確認する
出典・参照資料
資料に記載された計画・制度と、本記事の実務提案は区別してお読みください。
- 裁判所TreeeS自己研修サイト:ヘルプ掲載の当事者用操作マニュアルVer.2.0(暫定版・2026年8月31日)、本文61頁・134–139頁(提出と記録確認の背景) ↗
- AILEX:TreeeSの公開情報と対応方針(製品の個別機能は別途確認) ↗
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