
担当業務と権限を対応表にする
全員が全事件を閲覧できる状態は便利に見えても、職務上必要な情報の範囲が曖昧になります。TreeeSが提供する役割名や権限設定の詳細は正式案内の確認が必要です。
最初に整理すること
全員が全事件を閲覧できる状態は便利に見えても、職務上必要な情報の範囲が曖昧になります。TreeeSが提供する役割名や権限設定の詳細は正式案内の確認が必要です。暫定マニュアルのアカウント種別も参照し、事務所として誰に何が必要かを整理した業務・権限対応表を作れば、本番で適用される機能との過不足を判断しやすくなります。
具体的な準備手順
行に職務、列に事件情報の確認、書面準備、提出判断、記録整理、通知確認を置き、必要、不要、要確認を記入します。「弁護士だから全部」「事務職員だから全部不可」といった粗い分類は避け、実際の担当と承認関係を確認します。機密性の高い事件や担当外の事件は別条件にして、通常の範囲と例外の範囲を分けて記載します。
担当者が確かめるポイント
対応表のレビューでは、仕事をするために必要な最小範囲か、代替担当が必要か、外部への提出に誰の確認が要るかを検討します。裁判所側で管理される権限と、事務所内の共有フォルダの権限を同じものとして扱わないようにします。システムで細かい制御ができない場合は、その不足を手順や保存場所で補えるかを評価します。
例外が起きたときの扱い
例外的に広い閲覧範囲が必要になった場合は、対象事件、目的、開始日、見直し日を記録します。期限のない「念のため」の追加は避け、作業が終わったら見直します。正式な設定方法が案内された後も、対応表の希望がそのまま実装できるとは限りません。実際の機能と差分を残し、未充足の業務に別の担当体制を用意します。
具体例で点検する
経理担当には納付に必要な情報があっても、主張書面の全文は不要な場合があります。作業名から必要な情報へ分解し、便利だから一括で見せるという判断を避け、必要な範囲を責任者が説明できるようにします。
公開された暫定マニュアルとの照合
裁判所のセルフトレーニング環境で公開された当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行、暫定版)の本文2–3、31–33ページでは、次の点を確認できます。登録の流れは、利用者種別の選択、メールを用いた仮登録、本人・資格確認、本登録として説明されています。法人・士業者にはGビズIDを使う経路もあり、法人/士業事務員アカウントはGビズIDメンバアカウントに限るとされています。内部の職名だけで種別を決めず、実際に選ぶ登録経路と必要な確認を照合してください。この説明は訓練用の公開資料に基づくもので、全裁判所・全手続での本番利用開始を示すものではありません。
実務チェック
- 職務と操作を分解する
- 必要と不要を明記する
- 裁判所側と内部の権限を分ける
- 例外に見直し日を付ける
出典・参照資料
資料に記載された計画・制度と、本記事の実務提案は区別してお読みください。
- 最高裁判所:TreeeS・RoootS追加機能改修の調達資料(構想・改修要件の確認用。以下の実務提案はAILEX編集部による) ↗
- 裁判所:TreeeSセルフトレーニング環境・ヘルプ掲載の当事者用操作マニュアル Ver.2.0(2026年8月31日発行、暫定版)、本文2–3、31–33ページ。2026年10月10日確認 ↗
あわせて読む
事件ごとの担当者を登録前に確定する
同じ事務所に所属していることと、ある事件の資料を扱う必要があることは一致しません。TreeeS導入を機に、事件単位で主担当、補助担当、代替担当を確認すると、登録後の権限不足や担当外閲覧に気づきやすくなります。
記事を読む 登録・権限事務職員が補助する業務範囲を設計する
事務職員による補助は、書面の取りまとめや形式点検を安定させる重要な役割です。一方で、補助作業の担当と法的な提出判断を曖昧にすると、誤りを発見しても止められない流れになります。
記事を読む 登録・権限共同受任事件のアカウント運用を決める
複数の弁護士や事務所が関わる事件では、全員が同じ資料を持っていても提出担当が決まっていないことがあります。TreeeSへの登録や閲覧が可能であることと、誰が対外的な作業を担うかは別問題です。
記事を読む