
電子記録を探すための検索語と索引の作り方
記録が電子化されても、必要な資料が自動的に見つかるわけではありません。表記ゆれや画像文書を考慮し、検索と台帳確認を組み合わせて探索漏れを減らす方法を整理します。
探したい事実を言語化する
最初から人名や単語を入力する前に、何を確かめるのかを決めます。「契約解除の通知日」「入金を認めた記載」など、確認したい事実が明確なら、候補文書の種類を絞れます。検索結果の件数が多いときも、目的に照らして優先順位を付けやすくなります。
表記ゆれを控える
法人の旧名称、略称、氏名の異体字、数字の全角半角などをメモにまとめます。TreeeSがどこまで表記を吸収するかは未確認のため、自動的な同一視を期待しません。取得済み資料を所内で検索する場合も、検索対象が本文なのかファイル名だけなのかを確認します。
検索できない資料を残す
画像化された文書や不鮮明な写しは、文字検索だけでは拾えない場合があります。OCRを使う場合でも、その結果は探索の補助として原画像で確認します。ヒットしなかったことを資料不存在の証明とせず、未検索の画像文書があるかを記録台帳で確認します。
探索過程を共有できる形にする
検索語、対象範囲、確認日、候補文書を短いメモに残すと、共同担当者が別の角度で調べられます。抽出した一節だけで結論を作らず、前後の記載と添付資料も確認します。重要な判断では、検索担当者以外が出典ページに戻れる索引を作っておきます。
検索結果がゼロでも探索を終えない
契約書の旧社名で検索して該当がなくても、名称変更後の表記や画像PDFに存在する可能性があります。検索語、対象一覧、指定した日付、関連事件の選択状況を記録し、条件を一つずつ外して探索範囲を確かめます。全文検索と一覧項目による絞り込みは異なるため、どの情報を検索したかを報告します。再検索でも見つからない文書は、存在しないと結論づける前に提出履歴や紙資料の所在と突き合わせます。
公式資料で確認する範囲
自己研修サイトで公開されている当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行、暫定版)の本文166–168頁では、証拠一覧の初期表示には選択中の事件が表示され、関連事件は事件選択で追加します。PDF・CSVで一覧を出力できますが、紙記録や閲覧制限などのシール表示は出力されません。また、先頭のチェック欄で選択するのはページ内のデータです。出力物だけで対象範囲や制限表示が完全に引き継がれると考えないことが点検の要点です。これは2026年10月10日に確認した研修用の資料に基づく説明です。本番の適用対象・最新画面は利用時点の裁判所の案内で確認してください。
実務チェック
- 調べる事実を先に決める
- 表記ゆれの候補を用意する
- 画像資料の未確認範囲を残す
- 出典ページ付きの探索メモを作る
出典・参照資料
資料に記載された計画・制度と、本記事の実務提案は区別してお読みください。
- 最高裁判所:TreeeS・RoootS追加機能改修の公開調達資料(機能計画の背景) ↗
- 裁判所TreeeS自己研修サイト:ヘルプ掲載「操作マニュアル(当事者用)」Ver.2.0(暫定版・2026年8月31日)、本文166–168頁 ↗
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