
AI利用を止める基準:誤り・機密・承認不能への対応
AI利用を始める条件だけでなく、止める条件を事前に決めることが必要です。重大な事実誤認、出典不明、情報送信の疑義、確認者不在などを検知したときの停止と再開の手順を整理します。
停止を必要とする状態を定義する
存在しない出典、別事件の混入、重要な金額や否定の反転、許可していない外部送信、確認者が根拠を見られない状態を候補にします。すべてを同じ重大度にせず、当該用途を止めるのか製品全体の利用を止めるのかを決めます。明確な根拠なしに回数だけで安全と判断する基準は避け、影響の大きさと検証可能性に応じて停止範囲を定めます。
止めた後の代替手順を置く
AIが使えなくても期限のある業務は残ります。人手での抽出、既に確認済みの資料の利用、担当者への引継ぎなど、承認された代替方法を用意します。停止中の出力を未確認のまま使って処理を進めないよう、保留状態を明示します。緊急案件は担当専門職へ早く報告し、技術調査と手続判断を分けて進めます。停止を罰則のように扱わず、品質を守る通常の判断として共有します。
原因を確認できる情報を残す
入力版、依頼内容、出力、実行条件、発見した問題、既に利用した範囲を保存します。機密データが関係する場合は共有先を限定し、説明のために全記録を広く転送しません。出力が起案や依頼者説明に使われたなら、影響先を特定して必要な訂正を検討します。単にもう一度生成して正しい答えが出たことを、原因が解消した証拠と扱わないようにします。
再開は評価と承認を経る
指示修正、権限変更、製品更新などの対策後に、問題を起こした資料と他の代表資料で再試験します。改善した範囲と残る制約を確認し、責任者が用途と期間を限定して再開を承認します。再開後は一定の確認頻度を定め、同じ問題が再発した場合の連絡方法を共有します。停止・再開の理由を記録すると、担当者が変わっても過去の判断を検証できます。
TreeeSと本記事の位置付け
当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行、暫定版)の本文61頁はフォーム選択から入力、確認、提出完了の流れを、134–139頁は記録の一覧と個別確認を説明しています。資料確認日は2026年10月10日です。本記事のAI運用はAILEX編集部による所内準備の提案であり、裁判所の公式なAI利用手順やAILEXの機能保証ではありません。本番の対象手続と操作は最新の公式案内で確認し、製品の機能・契約条件は導入時に個別に確かめてください。
実務チェック
- 用途ごとの停止条件を定義する
- 人手の代替手順を用意する
- 影響した資料と出力を特定する
- 再試験と承認後に再開する
出典・参照資料
資料に記載された計画・制度と、本記事の実務提案は区別してお読みください。
- 裁判所TreeeS自己研修サイト:ヘルプ掲載の当事者用操作マニュアルVer.2.0(暫定版・2026年8月31日)、本文61頁・134–139頁(提出と記録確認の背景) ↗
- AILEX:TreeeSの公開情報と対応方針(製品の個別機能は別途確認) ↗
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