
AIの固有名詞チェック:当事者・裁判所・事件番号を原資料で照合する
氏名や法人名の一字違いは、整った文章の中では見逃されがちです。AIの起案を使う前に、識別情報を原資料へ戻して確認し、確認した版と修正履歴を残す所内手順を提案します。
照合用の正本表を作る
当事者の氏名、法人の正式名称、裁判所、事件番号は、出所を示した照合表で管理します。依頼者からの説明、登記事項の資料、裁判所の表示で食い違う場合は、AIに自然な表記を選ばせず担当専門職が確認します。表には異体字、旧名称、略称を別欄で残し、AI入力時に簡略化した文字が提出用の正式表記へ混入しないようにします。正本表自体の更新日と確認者も記録します。
機械的な抽出と人の確認を分ける
AIには文章中の固有名詞を抽出させ、出現頁と周辺文を付けた一覧を作らせる使い方が考えられます。ただし抽出漏れもあるため、表紙、宛名、署名欄、添付一覧は別に点検します。出現回数が多い名前だけでなく、一度しか登場しない保証人や関連会社も対象です。自動置換は別人の同姓や類似商号を変える危険があるので、候補を表示させて文脈ごとに採否を判断します。
取り違えを含む演習を行う
架空の「山﨑」と「山崎」、旧社名と新社名、似た事件番号を混ぜた資料を用意します。AIが同一人物として統合した箇所と、人が誤って置換した箇所を確認します。正確な文字列が確認できない場合は未確認として出力させ、説明の滑らかさより疑問を残せることを評価します。実事件の名前で試験する必要はなく、難しい文字や番号の形式を再現した模擬資料で十分です。
最終ファイルで再照合する
起案中に正しくても、PDF化や差替えで別版を選べば誤りが戻ります。承認は編集画面だけで終えず、提出候補のPDFと照合表を並べて行います。修正した項目、参照した原資料、確認者を残し、承認後の変更があればその部分を再確認します。事件番号の一致だけで提出先が正しいとは限らないため、裁判所と事件名も組にして点検します。
TreeeSと本記事の位置付け
当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行、暫定版)の本文61頁はフォーム選択から入力、確認、提出完了の流れを、134–139頁は記録の一覧と個別確認を説明しています。資料確認日は2026年10月10日です。本記事のAI運用はAILEX編集部による所内準備の提案であり、裁判所の公式なAI利用手順やAILEXの機能保証ではありません。本番の対象手続と操作は最新の公式案内で確認し、製品の機能・契約条件は導入時に個別に確かめてください。
実務チェック
- 氏名と事件情報の根拠資料を特定する
- 異体字や旧名称を別欄で管理する
- 自動置換候補を文脈で確認する
- 提出候補PDFを再照合する
出典・参照資料
資料に記載された計画・制度と、本記事の実務提案は区別してお読みください。
- 裁判所TreeeS自己研修サイト:ヘルプ掲載の当事者用操作マニュアルVer.2.0(暫定版・2026年8月31日)、本文61頁・134–139頁(提出と記録確認の背景) ↗
- AILEX:TreeeSの公開情報と対応方針(製品の個別機能は別途確認) ↗
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