
AIの根拠のない生成を減らす:出典確認と保留を組み込む
AIが存在しない判例や記録の内容を自然な文章で述べる可能性を前提に、出典へ戻る工程を設計します。生成を禁止するだけでなく、確認できない情報を採用しない具体的な運用を紹介します。
事実抽出と評価を分ける
最初に資料中の記載を抽出し、文書と頁を添えます。その内容を確認してから評価や文章化へ進むと、生成された説明が記録の事実へ紛れ込むのを減らせます。資料にない日付や因果関係は空欄や未確認にし、自然な文章へ整えるための補完を求めません。AIが示した出典番号も正しいとは限らないため、元の記述を開いて一致を確かめます。
裁判例や法令は一次資料へ戻す
AIが挙げた名称、日付、条番号は検索や確認の候補として扱います。実在、本文、適用時点、事件との関係を担当専門職が一次資料で確認してから採用します。出典URLが開けるだけでは、主張を支える記載があるとは限りません。古い規定と現行の規定を混ぜないよう、確認日と版を記録します。確認できない引用は、似たものを当てはめて補うのではなく削除または保留します。
反対の記述も探す
有利な結論を前提とした質問だけでは、例外や矛盾する記録を見落としやすくなります。採用候補の主張について、反対の記載、条件、留保を別に抽出させ、人が点検します。複数のAIが同じ答えを出しても独立した裏付けとは限らないため、合意の数を根拠にしません。原資料に戻れることと、論点に必要な範囲を確認したことを採用条件にします。
確認不能なら止まる手順を作る
原資料が欠ける、OCRが読めない、出典が見つからない場合は、担当者へ戻す状態を用意します。レビュー担当が空欄を嫌って埋めると、AIの誤りを人が確定させてしまいます。未確認項目には確認先と次の行動を付け、解消したものだけ本文へ反映します。出力の自信や丁寧な文体を精度の指標にせず、根拠と確認記録で採否を判断します。
TreeeSと本記事の位置付け
当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行、暫定版)の本文61頁はフォーム選択から入力、確認、提出完了の流れを、134–139頁は記録の一覧と個別確認を説明しています。資料確認日は2026年10月10日です。本記事のAI運用はAILEX編集部による所内準備の提案であり、裁判所の公式なAI利用手順やAILEXの機能保証ではありません。本番の対象手続と操作は最新の公式案内で確認し、製品の機能・契約条件は導入時に個別に確かめてください。
実務チェック
- 抽出と評価を別工程にする
- 出典本文と適用時点を確認する
- 反対資料と留保も点検する
- 確認不能な項目を保留する
出典・参照資料
資料に記載された計画・制度と、本記事の実務提案は区別してお読みください。
- 裁判所TreeeS自己研修サイト:ヘルプ掲載の当事者用操作マニュアルVer.2.0(暫定版・2026年8月31日)、本文61頁・134–139頁(提出と記録確認の背景) ↗
- AILEX:TreeeSの公開情報と対応方針(製品の個別機能は別途確認) ↗
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