【AILEX新機能】「相談したのに連絡が来ない」をゼロに。AILEXに受任パイプライン管理3機能を追加しました


弁護士向けAI法務支援SaaS「AILEX」に、相談から受任までの業務フローを一元管理する「受任パイプライン」機能群として、3つの新機能をリリースしました。本記事では、開発に至った背景と各機能の詳細をご紹介します。

小規模法律事務所の「見えない課題」

法律事務所の経営において、「受任後」の案件管理や書面作成には多くのツールが存在します。しかし、「受任に至るまで」のプロセス——つまり、問い合わせや法律相談を受けてから、実際に受任するかどうかを判断し、依頼者にフォローアップするまでの業務——は、いまだに弁護士個人の記憶、手帳、あるいはExcelシートに頼っているケースがほとんどです。

弁護士1〜5名規模の小規模事務所では、弁護士自身が相談対応から受任判断、追客まですべてを一人でこなすことが多く、以下のような問題が発生しがちです。

「先週相談を受けた方にフォローの電話をするつもりだったが、別件が入って忘れてしまった。」

「今月は何件相談があって、そのうち何件が受任につながったのか、正確に把握できていない。」

「ホームページからの問い合わせと、弁護士会の紹介からの相談では、どちらが受任につながりやすいのかわからない。」

これらは個別の怠慢ではなく、業務の仕組みに起因する構造的な課題です。弁護士の年間労働時間が2,321時間という調査結果(日弁連「弁護士業務の経済的基盤に関する実態調査」)が示すとおり、時間的余裕のない中でフォローアップの優先順位が下がるのは無理もありません。

AILEXはこの「受任前」の業務プロセスをシステム化し、フォロー漏れをなくし、経営データを可視化するための3機能を開発しました。

新機能1:受任パイプライン・ダッシュボード

AILEXのナビゲーションに新たに追加された「📊 パイプライン」画面は、すべての法律相談をカンバンボード形式で一覧表示する機能です。

相談は6つのステージに分類されます。「検討中」は相談を受けたがまだ受任判断に至っていない状態、「受任」は依頼者との間で受任の意思が確認された状態、「事件化」はAILEX上で事件レコードとして正式に登録された状態です。「相談で解決」は相談のみで完了したケース、「紹介」は他の弁護士や専門機関を紹介したケース、「フォロー不要」はそれ以上の対応が不要と判断したケースを意味します。

画面上部にはKPIカードが並び、総相談数、検討中の件数、受任・事件化の件数、フォロー期限を過ぎた要対応の件数、そして受任率がリアルタイムで表示されます。「今月の受任率が先月より下がっている」といった変化に、数字を集計することなく即座に気づくことができます。

KPIカードの下には2つのグラフが配置されています。ひとつは直近12ヶ月の月次推移チャートで、相談数と受任数の推移を折れ線グラフで確認できます。もうひとつは流入チャネル別の受任実績で、「紹介」「ホームページ」「電話」「来所」「弁護士会」「法テラス」「リピート」といったチャネルごとの相談件数と受任件数を棒グラフで比較できます。

たとえば「ホームページ経由の相談は多いが受任率が低い」「弁護士会からの紹介は件数は少ないが受任率が高い」といったインサイトが、グラフを見るだけで直感的にわかります。限られたリソースをどのチャネルに集中すべきかという経営判断の根拠として活用できます。

期間フィルター(今月、先月、直近3ヶ月、直近6ヶ月、今年、全期間)を切り替えることで、短期のトレンドも長期の傾向もすぐに確認可能です。

ステータスの変更は、各カードに付いたドロップダウンメニューから1クリックで行えます。ドラッグ&ドロップのような複雑な操作は必要ありません。スマートフォンからでもストレスなく操作できるレスポンシブ設計になっています。

新機能2:相談→事件ワンクリック昇格(利益相反チェック付き)

「この相談は受任しよう」と判断した瞬間に、パイプライン画面上の「📁」ボタンを押すだけで事件化モーダルが起動します。モーダルには相談記録から自動的に相談者名、分野、相談概要が引き継がれるため、入力の手間は最小限です。

事件名、原告、被告、事件概要を入力(または自動入力の内容を確認)し、「事件化する」ボタンを押すと、AILEXの事件管理に新しい事件レコードが作成され、相談ステータスが「事件化」に自動更新されます。事件化が完了すると、自動的に事件詳細画面に遷移するため、そのまま書面作成やタスク管理に取りかかれます。

この機能で特に重要なのが、利益相反の簡易チェックです。モーダルに依頼者名を入力すると、AILEXに登録されている既存の事件レコード(原告・被告フィールド)を自動検索し、同一名の当事者が見つかった場合は画面上に黄色い警告バナーで表示します。「山田太郎さんは既存事件『○○損害賠償請求事件』で被告側として登録されています」といった具体的な情報が表示されるため、利益相反のリスクに事件化の時点で気づくことができます。

なお、この利益相反チェックは名前の部分一致による簡易的なものであり、正式な利益相反審査(依頼者の同一性確認、過去の関与の範囲の確認など)を代替するものではありません。弁護士職務基本規程に基づく利益相反の最終判断は、必ず弁護士ご自身が行ってください。

もうひとつの便利な仕組みが、依頼者の自動登録・紐づけです。事件化の際に、相談者名と一致する依頼者がAILEXの依頼者管理テーブルにすでに存在していればその依頼者を事件に紐づけ、存在しなければ新しい依頼者レコードを自動作成して紐づけます。「相談記録」「事件」「依頼者」という3つのデータが、手入力なしで自動的にリンクされます。

従来からある相談記録画面上の「📁 事件化する」ボタンも引き続き利用可能です。既存のワークフローを崩すことなく、パイプライン画面からの新しい動線を追加した形になっています。

新機能3:フォローアップ自動リマインダー

「フォローするつもりだったのに忘れてしまった」——この課題に対するAILEXの回答が、フォローアップ自動リマインダーです。

AILEXの相談記録画面では、以前から「フォローアップ予定日」と「次のアクション」を入力できるようになっていましたが、これまではあくまでメモとしての機能に留まっていました。今回のアップデートにより、フォローアップ予定日を設定しておくと、その日の朝にメールとダッシュボード通知(画面右上の🔔ベルアイコン)が届くようになりました。

通知メールには以下の情報が含まれます。相談者名(氏名が登録されている場合)、相談分野、相談日、フォローアップ予定日、相談概要の冒頭100文字、そして「次のアクション」に設定した内容です。メール内のリンクから直接相談記録を開けるため、「いつ」「誰に」「何をするか」がメール1通で把握でき、そのまま対応に移れます。

さらに、フォローアップ予定日を過ぎてもステータスが「検討中」のままの場合は、3日ごとに再通知が届きます。通知には「フォローアップ予定日からN日が経過しています」という文言が表示され、対応の緊急度を自然に意識できる設計になっています。

フォローアップ予定日を変更するか削除すれば、その相談に関する通知は停止されます。また、相談のステータスを「受任」「事件化」「紹介」「フォロー不要」などに変更した場合も、リマインダーの対象から自動的に外れます。

同一の相談に対して同じ通知が重複して送信されないよう、送信履歴による重複制御も組み込まれています。90日を超えた古い送信履歴は自動的にクリーンアップされるため、データベースの肥大化も心配ありません。

「受任前」から「受任後」まで一気通貫の法務OS

今回の3機能により、AILEXがカバーする業務フローは「問い合わせ受信→相談記録→フォローアップ→受任判断→事件化→事件管理→書面作成→mints電子提出→請求書発行」という、法律事務所の業務サイクルのほぼ全体に広がりました。

この一気通貫のワークフローは、AILEXが「検証可能なAIリーガルOS」を目指す上での重要なマイルストーンです。部分的な機能を提供するツールは多く存在しますが、相談の最初の一歩から裁判所への電子提出までを、PII自動マスキングと監査ログという安全装置付きで一元管理できるプラットフォームは、現時点で他にありません。

すべての営業データにはAILEX独自のPII(個人識別情報)自動マスキング技術が適用されます。相談者の個人情報は外部AIに送信される前に自動的にプレースホルダーに置換されるため、依頼者への個別の同意取得プロセスなしにAI機能を安全に利用できます。これは、AILEXの設計思想の根幹にある「クライアントへの同意説明が必要となると、弁護士事務所は使わない」という洞察に基づいています。

今後の開発予定

パイプライン機能のPhase 2として、以下の機能拡張を予定しています。

AI受任予測スコアリングは、過去の相談データと受任パターンをAIが分析し、各相談の受任可能性をスコアリングする機能です。限られた時間の中でどの相談を優先的にフォローすべきかの判断材料を提供します。

営業レポート自動生成は、月次の相談件数、受任率、チャネル別実績、フォローアップ状況などを自動集計し、レポートとして出力する機能です。経営会議や確定申告の際に役立つデータをワンクリックで取得できるようになります。

紹介元管理・謝礼追跡は、他の弁護士や関係者からの紹介を記録し、謝礼の送付状況を追跡する機能です。紹介ネットワークの維持・強化を仕組み化します。

相談料自動請求書発行は、相談記録と連動して相談料の請求書を自動作成する機能です。AILEXのインテーク(相談受付)フォームからの一連の流れの中で、請求業務まで完結します。

これらの機能はすべて、弁護士の事務所内部管理ツールとしての位置づけを堅持し、弁護士法第72条および弁護士広告規程に適合する設計で開発を進めます。

ご利用方法

受任パイプライン機能は、AILEXのPROプラン(月額8,900円/ユーザー、税込)でご利用いただけます。AILEX画面左側のナビゲーションに追加された「📊 パイプライン」からアクセスしてください。

フォローアップ自動リマインダーは、相談記録画面で「フォローアップ予定日」を設定するだけで自動的に有効になります。特別な設定は必要ありません。

まだAILEXをご利用でない方は、以下のURLから無料でアカウントを作成いただけます。

https://users.ailex.co.jp

ご不明な点やご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。


※ AILEXは弁護士の業務効率化を支援するツールであり、弁護士法第72条に基づく法律事務を行うものではありません。AI生成物は参考情報です。最終的な確認・修正・判断は弁護士が行ってください。利益相反チェック機能は簡易的な名寄せ検索であり、正式な利益相反審査を代替するものではありません。

※ 入力データはAIの学習に利用されません。全通信はPIIマスキング処理後にTLS暗号化で送信されます。


AILEX合同会社
所在地:〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-10-8 渋谷道玄坂東急ビル
顧問弁護士事務所:弁護士法人えそら
E-mail:info@ailex.co.jp
TEL:03-6821-7462
公式サイト:https://ailex.co.jp
サービスURL:https://users.ailex.co.jp
公式LINE:https://lin.ee/P9JAWZp
IETF Internet-Draft:https://datatracker.ietf.org/doc/draft-ailex-vap-legal-ai-provenance/

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