【mints完全対応】証拠番号スタンプ・画像PDF変換・準拠チェック — AILEXのPDF出力エンジンを大幅強化

公開日: 2026年2月
カテゴリ: 機能紹介 / 民事裁判IT化


2026年5月の電子提出義務化まで、残り約3か月。

前回の記事では、AILEXのmints提出パッケージ機能を6つのAIで強化したことをお伝えしました。今回はその「土台」をさらに進化させるアップデートです。

mintsで書類を提出する際、弁護士が直面する実務上の課題は「AIによる書類生成」だけではありません。「各書証に証拠番号を表記してPDF化しなければならない」「スマートフォンで撮影した写真をPDFに変換する必要がある」「ファイルサイズが50MBを超えていないか確認しなければならない」——こうした地味だが時間のかかる作業こそ、小規模事務所の実務を圧迫しています。

今回のアップデートでは、AILEXのmints PDF出力エンジンを根本から拡張し、証拠番号の自動スタンプ、画像・メディアファイルの自動PDF変換、Word文書のPDF自動変換、そしてmints準拠チェックの自動実行を実現しました。


mintsが求める「PDF提出要件」の実態

改めて、mintsの提出要件を整理します。裁判所の公式マニュアルには「書証の写しについては、各書類の右上に証拠番号を表記した上でPDF化し、又は、PDFファイルに証拠番号を電子的に付記してアップロードしてください」と明記されています。

具体的に弁護士が守らなければならないルールは、想像以上に多岐にわたります。

ファイル形式の制約として、 主張書面・書証はすべてPDF形式で提出する必要があります。ページサイズはA4またはA3、パスワード保護されたPDFは受理されません。テキストレイヤー(文字検索可能なPDF)が求められ、スキャン画像のみのPDFは推奨されません。

ファイルサイズと命名の制約として、 1ファイルあたりの上限は50MBです。ファイル名は50文字以内で、特定の禁止文字(/ \ : * ? " < > |)を含めることはできません。50MBを超える書証は分割して提出する必要があります。

証拠番号の表記として、 各書証PDFの右上に「甲第1号証」「乙第2号証」などの証拠番号を付記する必要があります。これを手作業で行う場合、Adobe AcrobatやPDF編集ソフトで1件ずつスタンプを押していく作業が発生します。

これらの要件を10件、20件の証拠書類に対して手作業で確認・適用するのは、特にITに不慣れな弁護士にとって相当な負担です。


今回のアップデート — 5つの新機能

1. 証拠番号スタンプの自動付加

解決する課題: mintsは各書証に証拠番号の表記を求めていますが、PDF編集ソフトで1件ずつスタンプを付ける作業は煩雑で時間がかかります。

AILEXの解決策: mintsパッケージ生成時に、各書証PDFに証拠番号の表紙ページを自動で付加します。

パッケージ生成ダイアログで「📌 証拠番号スタンプ」オプションをONにすると、例えば原告側の証拠3件に対して「甲第1号証」「甲第2号証」「甲第3号証」と記載された表紙PDFが自動生成され、それぞれの書証PDFの先頭に挿入されます。被告側であれば「乙第○号証」が付与されます。

表紙ページには証拠番号が大きく表示されるため、紙に印刷した場合でも視認性が高く、裁判官や相手方代理人にとっても分かりやすい書証となります。

この機能は外部ライブラリに一切依存せず、AILEXの純粋PHP製PDFエンジン(PdfWriter)で実現しています。XServerなどの共有ホスティング環境でも問題なく動作します。

2. 画像ファイルのPDF自動変換

解決する課題: 現場写真、スマートフォンで撮影した証拠写真、スクリーンショットなど、JPEG/PNG形式の画像ファイルはmintsに直接アップロードできません。PDFに変換した上で証拠番号を付記する必要があります。

AILEXの解決策: 事件に登録されたJPEG/PNG画像ファイルを、A4サイズのPDFに自動変換します。

変換時には、画像がA4ページのコンテンツ領域に収まるよう自動スケーリングされ、右上に証拠番号(例:甲第5号証)が付記されます。JPEG画像はDCTDecode(JPEG圧縮維持)、PNG画像はFlateDecode(可逆圧縮)でPDF内に埋め込まれるため、画質劣化を最小限に抑えます。

弁護士が行う作業は、通常通り事件の文書管理画面から画像ファイルをアップロードするだけです。mints提出パッケージ生成時に、AILEXが自動的にPDF変換と証拠番号付記を行います。

なお、今回のアップデートで文書アップロードの対応形式を.jpg .jpeg .png .mp4 .mp3に拡張しました。

3. メディアファイル(動画・音声)への対応

解決する課題: 防犯カメラ映像、録音データ、ドライブレコーダー映像など、動画(MP4)・音声(MP3)ファイルを証拠として提出するケースが増えています。mintsではメディアファイルもアップロード可能ですが、証拠番号の付記やファイルの管理が課題となります。

AILEXの解決策: メディアファイルに対して「表紙PDF」を自動生成し、元のメディアファイルと併せてパッケージに格納します。

表紙PDFには、証拠番号(例:甲第7号証)、ファイル名、ファイル形式(MP4/MP3)、ファイルサイズ、メディアの種類(動画/音声)が記載されます。さらに、mintsへのアップロード手順の案内も含まれるため、提出時の参考資料としても機能します。

メディアファイル自体もZIPパッケージ内に同梱されるため、表紙PDFとメディアファイルをセットでmintsにアップロードするだけで提出が完了します。

4. mints準拠バリデーション

解決する課題: 提出直前にmintsでエラーが出て差し戻される——これが弁護士にとって最もストレスフルな体験です。ファイルサイズ超過、パスワード付きPDF、不適切なファイル名など、事前に検知できるはずの問題で時間を浪費するケースが少なくありません。

AILEXの解決策: パッケージ生成時に、全ファイルのmints準拠チェックを自動実行します。

チェック項目は以下の通りです。

  • ファイルサイズ: 50MB超過は「エラー」、40MB以上は「警告」として検出
  • ファイル名: 50文字超過、禁止文字の使用を検出し、自動的にmints準拠のファイル名に変換
  • PDF固有チェック: パスワード保護の有無、テキストレイヤーの存在、ページサイズ(A4/A3準拠)を検証
  • ファイル形式: mints対応形式(PDF/JPEG/PNG/MP4/MP3)であるかを確認

チェック結果は「エラー(提出不可)」と「警告(提出可能だが注意)」の2段階で表示されます。パッケージ生成完了後の画面に一覧表示されるほか、ZIPパッケージ内にも 07_mints準拠チェック.txt として保存されるため、後から確認することもできます。

5. Word・テキストファイルのPDF自動変換

解決する課題: AILEXで生成した文書はWord形式(.docx)でダウンロードできますが、mintsへの提出にはPDF形式が必要です。Word→PDFの変換は、Wordソフトで開いて「名前を付けて保存」→「PDF」を選ぶ手順が一般的ですが、27種のテンプレートすべてについてこの作業を行うのは非効率です。

AILEXの解決策: mintsパッケージ生成時に、DOCX/TXTファイルをmints準拠のA4 PDFに自動変換します。

変換されたPDFは以下の特徴を持ちます。

  • テキストレイヤー付き: 文字検索・テキスト選択が可能なPDF(mintsの推奨要件に準拠)
  • 見出し検出: 「第X章」「(X)」「■」などの見出しパターンを自動検出し、適切なフォントサイズで表示
  • 自動ページ分割: A4サイズに収まるよう自動折り返し・ページ分割を実行
  • メタ情報表示: 事件番号、事件名、作成日などをヘッダに表示
  • 法律文書向けフォーマット: 游明朝/游ゴシック相当のCIDフォント、法律文書に適した行間設定
  • 免責事項: 「提出前に内容を必ず確認してください」「弁護士法第72条に基づき、法的助言は弁護士の責任において行われます」の注記を自動付記

さらに、AI生成結果の個別ダウンロード画面にも 「📄 mints PDF」ボタン を新設しました。Wordダウンロードと並んで表示されるため、用途に応じてワンクリックでPDF形式を取得できます。


使い方 — 変更点はほぼゼロ

今回の機能追加で最も重視したのは、弁護士の既存のワークフローを一切変えないことです。

従来どおり、事件詳細ページから「📦 パッケージ生成」ボタンを押すだけで、すべての新機能が自動的に適用されます。追加の操作は不要です。

変わった点は、パッケージ生成ダイアログに2つのオプションが加わったことだけです。

  • 📌 証拠番号スタンプ: 各書証に甲/乙号証番号の表紙PDFを付加(デフォルトON)
  • ✅ mints準拠チェック: ファイルサイズ・形式・ファイル名を検証(デフォルトON)

パッケージ生成完了後の画面には、従来の「主張書面 X件 / 書証 X件」の表示に加えて、mints準拠チェックの結果が表示されます。問題がなければ「✅ mints準拠チェック: 問題なし」、問題がある場合は具体的な内容が一覧表示されます。


技術的な補足 — なぜ外部ライブラリ不要なのか

AILEXは、XServerなどの共有ホスティング環境で動作するSaaSとして設計されています。ImageMagick、LibreOffice、wkhtmltopdfといった外部ライブラリのインストールが制限される環境でも確実に動作する必要があります。

そのため、今回実装した全機能は純粋なPHPで実現しています。

PDF生成はAILEX独自のPdfWriterクラスを基盤としており、CIDフォント(Adobe-Japan1)による日本語テキストのPDF内埋め込みに対応しています。画像のPDF変換も、JPEGのDCTDecode・PNGのFlateDecodeをPHPで直接ハンドリングし、PDF仕様に準拠したバイナリを生成します。

新たに追加した2つのPHPクラスの概要は以下の通りです。

  • MintsEvidenceStamper(652行): 証拠番号スタンプ、画像→PDF変換、メディア表紙PDF生成、mints準拠バリデーション、大容量ファイル分割ガイド
  • MintsPdfExporter(611行): テキスト/DOCX→mints準拠A4 PDF変換エンジン、見出し検出、自動折り返し・ページ分割、法律文書フォーマット

いずれもcomposerパッケージへの依存はなく、PHPの標準関数とZipArchive拡張のみで動作します。


まとめ — mints対応の「最後の1マイル」を埋める

前回のアップデートでは、AI証拠説明書の自動生成やmintsフォームテキストのAI生成など、書類の中身をAIが作る機能を実装しました。

今回のアップデートは、書類の中身ではなく書類の「器」——ファイル形式、証拠番号、ファイルサイズ、ファイル名——をmints準拠に自動整形する機能です。

この2つが揃うことで、AILEXはmints提出に必要な作業の全工程をカバーします。

  1. 書類の生成 → 27種テンプレートのAI文書生成
  2. 証拠の整理 → AI証拠説明書の自動生成・証拠並び順の最適化
  3. ファイルの準備 → 証拠番号スタンプ・画像/メディア変換・DOCX→PDF変換 ← 今回のアップデート
  4. フォーム入力 → mintsフォームテキストのAI生成
  5. 提出前検証 → mints準拠チェック・AI提出前チェック ← 今回のアップデート
  6. 提出後管理 → 提出履歴・差分パッケージ・期限リマインダー

弁護士が行う作業は、事件の文書をAILEXに登録し、「📦 パッケージ生成」ボタンを押し、生成されたZIPをmintsにアップロードする——この3ステップだけです。


今後の予定

次のアップデートでは、以下の機能を予定しています。

  • mintsパッケージの差分比較画面 — 前回提出と今回提出の差分を視覚的に表示
  • ダッシュボードのmintsアラートウィジェット — 提出期限の可視化
  • 書証の個別mints準拠チェック — アップロード時点での即時バリデーション

施行まで残り約3か月。AILEXは、すべての弁護士がスムーズにmints提出へ移行できるよう、引き続き開発を加速してまいります。


本記事で紹介した機能は、弁護士の業務効率化を目的とした書類準備支援ツールです。弁護士法第72条に基づき、生成・変換された内容の最終確認・判断は弁護士が行ってください。AILEXは法律事務を行うものではありません。

mints(民事裁判書類電子提出システム)は最高裁判所が開発・運営するシステムです。AILEXはmintsと直接のAPI連携を行うものではなく、mints提出用の書類準備を効率化するツールです。mintsの仕様は変更される場合がありますので、提出前にmintsの最新要件をご確認ください。


AILEX — AI Legal Expert System
AILEX合同会社
https://ailex.co.jp
info@ailex.co.jp
公式LINE: https://lin.ee/P9JAWZp

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