弁護士の事件フォルダを覗いてみると、訴状や判決書といったPDFだけで構成されていることはまずありません。原告準備書面はWordで作成中のもの、損害額計算書やタイムチャージ管理はExcel、委任契約書はスキャンしたPDF——複数のファイル形式が混在しているのが現実です。
ところが、AILEXのZIPインポート機能にこれまで一つ大きな制約がありました。ZIPファイルをアップロードして事件を一括登録する際、PDFファイルだけが読み込まれ、WordやExcelは無視されていたのです。
たとえば、訴状(PDF)・委任契約書(PDF)・証拠説明書(PDF)・原告準備書面(Word)・陳述書(Word)・事件管理台帳(Excel)・損害額計算書(Excel)・報酬管理表(Excel)という8つのファイルが入ったZIPをインポートしても、登録される文書はPDFの3件だけ。残りの5件は存在しないかのように扱われていました。
今回のアップデートで、この問題を根本から修正しました。
何が変わったのか
ZIPインポート機能が、PDFだけでなく以下のファイル形式すべてに対応しました。
文書ファイル: PDF、Word(.docx / .doc)、Excel(.xlsx / .xls)、PowerPoint(.pptx / .ppt)、テキスト(.txt)、CSV、RTF、ODT
画像ファイル: PNG、JPEG、GIF、TIFF、BMP
これにより、事件フォルダをそのままZIPに固めてアップロードすれば、中に含まれるすべてのファイルが漏れなく文書として登録されます。PDFが3件だけ登録されていた先ほどの例では、Word 2件・Excel 3件を含む8件すべてがインポートされます。
WordとExcelの中身もAIが読める
ファイルが登録されるだけではありません。Word(.docx)とExcel(.xlsx)については、アップロードと同時にテキストの自動抽出が行われます。
Wordファイルの場合、文書内のテキストがそのまま抽出されます。Excelファイルの場合は、Sheet1のセルデータを行ごとに読み取ります。抽出されたテキストはデータベースに保存され、AIによる分析の対象になります。
つまり、Wordで作成した準備書面やExcelの損害額計算書に対しても、PDFと同様にAI要約、AI年表作成、AI QA、ファクトチェック、クロス分析といった機能が利用できるということです。これまで「テキスト抽出」ボタンが表示されず分析できなかったWord・Excelファイルが、インポート直後からAI分析の対象になります。
書面種別の自動判定も対応
AILEXは、ファイル名やテキスト内容から書面の種別を自動判定する仕組みを持っています。たとえば「原告準備書面」というファイル名のWordファイルは自動的に「準備書面」に分類され、「損害額計算書」というExcelは内容から適切な種別が割り当てられます。
この自動判定は、もちろん後からドロップダウンで変更できます。AIが判定した種別はあくまで初期値であり、最終的な分類は弁護士の判断で調整してください。
既存事件への追加インポートも同様に対応
ZIPによる事件の新規作成だけでなく、既存の事件にZIPで文書を追加する機能も同様に更新されています。追加インポートでも、ZIP内のWord・Excel・画像等がすべて登録されます。
個別アップロードは以前から対応済み
補足ですが、事件詳細ページの「アップロード」フォームから1ファイルずつ手動でアップロードする場合は、以前からWord・Excelに対応していました。今回修正したのは、ZIPファイルによる一括インポート時の処理です。ZIPインポートの利便性と、個別アップロードの対応範囲が揃ったことで、どちらの方法でアップロードしても同じファイル形式が扱えるようになりました。
実務での活用シーン
この改善が特に効果を発揮するのは、以下のような場面です。
事件の引継ぎ・移管時。 前任の弁護士から事件フォルダ一式を受け取った際、中身がPDF・Word・Excelの混在であっても、フォルダをそのままZIP圧縮してアップロードするだけで全文書が登録されます。
債務整理案件の立ち上げ時。 通帳コピー(PDF)、家計収支表(Excel)、ヒアリングメモ(Word)、給与明細(画像)といった多様な形式のファイルが一度に登録でき、それぞれの書面種別も自動判定されます。
訴訟準備の初期段階。 まだ書面作成中でWord形式のままの準備書面や、計算途中のExcelファイルも事件に紐づけて管理できます。PDF化を待つ必要はありません。
まとめ
今回の修正は、ZIPインポート時にPDF以外のファイルが無視されていた問題の解消です。地味な修正に見えるかもしれませんが、実際の事件フォルダには多様なファイル形式が混在しているのが普通であり、「半分のファイルが消える」という問題は業務上のストレスの原因になっていました。
AILEXは、弁護士が日常的に扱うファイル形式をそのまま受け入れ、AIの力で分析できる環境を目指しています。「PDFに変換してからアップロードする」というひと手間を、できるだけなくしていきます。
※ AIによるテキスト抽出・書面種別判定・分析結果はすべて参考情報です。最終的な内容の確認・判断は必ず弁護士が行ってください。本機能は弁護士の業務効率化を目的とした補助ツールであり、法的助言を提供するものではありません。
※ 本サービスの運営にあたっては、弁護士法人えそらの監修のもと、弁護士法その他関連法令への適合性を確認しています。
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