mintsに提出するPDF、ちゃんと開けますか? — AILEX PDF生成エンジン全面刷新の裏側


2026年5月21日のmints義務化まで、あと約2か月。

先生方は、すでにmintsのアカウント登録は済ませたでしょうか。日弁連の案内で登録は進みましたが、「実際の裁判でmintsを使ったことがある」弁護士は、いまだ3人に1人程度です。

今日お伝えしたいのは、mintsへの提出で多くの弁護士が直面する「PDFの品質問題」についてです。AILEXは今回、PDF生成エンジンを全面刷新しました。何が変わったのか、なぜ変える必要があったのか、実務にどう影響するのかを率直にお話しします。


「PDFに変換したのに開けない」という悲鳴

mintsで裁判書類を提出するには、すべてPDF形式にする必要があります。

主張書面も、証拠も、証拠説明書も、すべてPDFです。

ところが、「Wordで作成した準備書面をPDFに変換したら、文字が消えた」「Macのプレビューで開いたら真っ白だった」「証拠説明書のテーブルがぐちゃぐちゃに崩れている」——こうしたトラブルは、実は珍しくありません。

原因は、PDFに日本語フォントが正しく埋め込まれていないことです。

多くのPDF生成ツールは、日本語フォントを「参照」するだけで、実データをPDFの中に入れません。Adobe Acrobatがインストールされたパソコンでは表示できても、ChromeのPDFビューアやMacのプレビューでは何も表示されない——これが「真っ白PDF」の正体です。


解決策:mPDFへの全面移行

試行錯誤の末、AILEXはPDF生成エンジンをmPDFに全面移行しました。

mPDFは、HTMLとCSSで記述したレイアウトをPDFに変換するPHPライブラリです。日本語の禁則処理(句読点が行頭に来ないルール)を内蔵しており、フォントの自動サブセット化(使用文字だけを埋め込む技術)にも対応しています。

移行の効果は劇的でした。

・証拠説明書:HTMLのtableタグで構造化。自動的に列幅が計算され、ページまたぎ時にヘッダー行が繰り返される ・DOCX→PDF:段落・見出しを自動検出し、裁判所書式(12pt IPA明朝体、マージン35/27/30/18mm)で再レンダリング ・特殊文字:DejaVuSansフォントへの自動フォールバックにより、チェックボックスなどの記号も正常表示 ・ファイルサイズ:4.4MB → 44〜194KB。最大100分の1に圧縮 ・互換性:Chrome、Safari、Mac Preview、Adobe Acrobat、すべてで日本語が正しく表示


「提出用」と「補助資料」の分離

PDFの品質改善と同時に、mintsパッケージのZIP構造も見直しました。

これまでは、mintsにアップロードするPDFと、フォーム入力テキストやAIチェック結果などの補助ファイルが同じフォルダに混在していました。「どのファイルをmintsにアップロードすればいいのか分からない」——実際にこのフィードバックをいただきました。

新しい構造では、ZIPの中を2つのフォルダに明確に分けています。

「提出用」フォルダ:mintsにそのままアップロードするPDFだけが入っています。訴状、準備書面、証拠、証拠説明書——すべてPDF形式です。

「補助資料」フォルダ:mintsのフォームに転記するテキスト、AIによる整合性チェック結果、アップロード対象ファイルの一覧(チェックリスト)、提出手順ガイドが入っています。これらはmintsにはアップロードしません。

チェックリストには、提出対象のファイル名・カテゴリ(主張書面/書証/証拠説明書)・ファイルサイズを番号付きで記載しています。「ZIPのままmintsにアップロードしないでください」という注意書きも明記しました。


Excel/CSVファイルへの対応

mintsが受理するのはPDF形式のみです。

事件に登録されているExcelファイル(報酬管理表、損害額計算書など)は、mintsには提出できません。AILEXの以前のバージョンでは、これらのExcelファイルをZIPにそのまま含めてしまっていました。

現在は、Excel/CSVファイルを自動的にパッケージから除外し、「PDFに変換してから再アップロードしてください」という警告を表示するようにしています。Excel→PDFの変換はローカルのExcelやGoogleスプレッドシートで行っていただく必要がありますが、少なくとも「mintsに提出できないファイルが混入する」事態は防げます。


証拠説明書:裁判実務の「型」をAIが再現

証拠説明書は、提出する証拠の一覧と立証趣旨を記載する書面です。号証番号、標目、原本/写しの別、作成者、作成日、立証趣旨——この6列のテーブルを、事件に登録されている証拠データからAIが自動生成します。

従来版では、この6列テーブルが正確にレンダリングされませんでした。列幅の計算ミスで文字がはみ出したり、長い立証趣旨が隣の列に食い込んだりしていました。

新しいmPDFベースのレンダリングでは、HTMLのtableタグで構造を定義し、CSSで列幅をパーセンテージ指定しています。mPDFが自動的にコンテンツ量に応じてセルの高さを調整し、ページまたぎ時にはヘッダー行(号証、標目、原本/写し…)が自動的に繰り返されます。

これは、ベテラン事務員が手作業で整えていた「裁判実務の型」を、AIとレンダリングエンジンが再現するということです。


mints義務化まであと2か月——今できること

mints義務化は待ったなしです。施行後に提起された訴えには、すべて電子提出が求められます。

AILEXのmints機能は、「mintsの操作方法を覚えなくても、提出に必要な書類を自動的に準備できる」ことを目指しています。

・事件データから証拠説明書を自動生成 ・Word文書を裁判所書式PDFに自動変換 ・AIが号証番号の欠番・引用の不整合・金額の矛盾をチェック ・秘匿情報(マイナンバー、DV関連)の自動スキャン ・パッケージ生成→ダウンロード→mintsにアップロード

パッケージの「提出用」フォルダに入っているPDFをmintsにアップロードするだけ。それが、AILEXが目指すmints対応の姿です。

mintsガイドもご用意しています。

https://ailex.co.jp/mints-guide


※ AILEXのAI機能による生成結果はすべてドラフトであり、最終的な法的判断および責任は弁護士に帰属します。AILEXは弁護士法第72条に定める法律事務の取扱いを行うものではなく、弁護士の業務を支援するツールとして機能します。


AILEXについて

「AILEX(エーアイレックス)」は、小〜中規模の法律事務所向けのAI法務支援クラウドSaaSです。AI法律相談チャット、70種類のAI文書生成テンプレート、AIファクトチェック、AI事件分析、27種類のAIエージェント、mints対応機能、PII自動マスキング技術を統合した「検証可能なAIリーガルOS」です。

サービスURL:https://users.ailex.co.jp
公式サイト:https://ailex.co.jp

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