AILEXが訴訟・裁判実務を変える——2026年に実装予定の13の新機能を徹底解説

公開日: 2026年2月9日 カテゴリ: 製品アップデート / 訴訟実務 著者: AILEX合同会社


2026年5月21日、改正民事訴訟法が全面施行されます。弁護士による裁判書類の電子提出が義務化され、日本の民事裁判は歴史的な転換点を迎えます。

しかし、弁護士ドットコムの調査によれば、弁護士の65.5%がmintsを一度も使ったことがなく、事件記録は約6割が紙優先、FAXを何らかの形で使う弁護士は98.1%に上ります。全法律事務所の80%以上を占める小規模事務所(弁護士1〜5名)にとって、この急激なデジタル移行は深刻な実務課題です。

AILEXは、AI法律相談チャット・27種類の文書AI生成・ファクトチェック・事件管理・文書管理(OCR)・コンフリクトチェック・契約書チェック・AIエージェントといった既存機能を基盤として、訴訟・裁判実務をフルカバーする13の新機能の実装を予定しています。

本記事では、各機能の詳細、想定される利用シーン、既存機能との連携、そして弁護士業務への具体的なインパクトについて詳しくご紹介します。

ご注意: AILEXの全機能はあくまで弁護士の業務支援・意思決定支援ツールです。AIの出力は参考資料・ドラフトであり、最終的な法的判断・意思決定は弁護士ご自身が行ってください。本記事で紹介する機能は開発予定のものであり、リリース時期・仕様は変更される場合があります。


なぜ「訴訟実務」に全振りするのか

日本のリーガルテック市場を見渡すと、契約レビュー分野には10社超がひしめく激戦区です。LegalOn Technologies、LAWGUE、OLGA、MNTSQなど、いずれも企業法務・契約管理に強みを持っています。

一方、訴訟実務をAIで支援するサービスは黎明期にあり、統合型の訴訟AI SaaSは市場に存在しません。AILEXはこの構造的な空白地帯に位置しており、4つの独立した調査機関による市場調査でも「AILEXの全機能セットを再現する単一の先行サービスは確認されなかった」との結論が一致しています。

2026年5月21日のmints全面施行は、この市場に決定的な追い風をもたらします。全ての弁護士が電子提出に対応する必要があり、訴訟業務のデジタル化は「選択肢」から「義務」に変わります。

AILEXは今回の13の新機能により、「AI法律相談→文書生成→ファクトチェック→証拠整理→争点分析→尋問準備→和解交渉→判決分析→mints提出」という訴訟の全ライフサイクルをカバーする「AI Legal OS」への進化を目指します。


新機能の全体像

今回実装を予定している13の機能を、訴訟業務のフェーズごとに整理すると以下のとおりです。

訴訟準備フェーズ:

  • 争点整理表AI自動生成・管理
  • 証拠整理・証拠説明書AI自動生成
  • 陳述書AI作成支援

攻撃防御フェーズ:

  • 相手方書面AI分析・反論ポイント自動抽出

法廷活動フェーズ:

  • 尋問準備支援(主尋問・反対尋問質問リスト生成)

損害算定・交渉フェーズ:

  • 損害賠償計算シミュレーター
  • 和解交渉支援・BATNA分析

訴訟管理フェーズ:

  • 訴訟タイムライン自動可視化
  • 送達管理・応答期限トラッカー
  • 訴訟費用・収支シミュレーション

電子提出フェーズ:

  • mints提出用パッケージ自動生成

記録管理フェーズ:

  • 訴訟記録電子閲覧・注釈管理

判決対応フェーズ:

  • 判決分析・上訴判断支援

以下、各機能について詳しく解説します。


1. 相手方書面AI分析・反論ポイント自動抽出

カテゴリ: 攻撃防御|優先度: 高|実装難易度:

どんな機能か

相手方から提出された準備書面や答弁書をAIが自動分析し、論理的矛盾、法的根拠の弱点、事実認定の齟齬を自動的に抽出する機能です。

訴訟における「攻撃防御」の核心は、相手方の主張を正確に理解し、その弱点を突く反論を構成することにあります。しかし、相手方書面を精読し、法的根拠を検証し、反論ポイントを整理する作業は、1件あたり数時間から丸一日を要することも珍しくありません。

この機能は、その初期分析を数分に短縮します。

具体的にできること

主張構造の自動分解・可視化: 相手方書面(PDFまたはテキスト)をアップロードするだけで、AIが主張の構造を分解し、「前提事実→法的評価→結論」の論理チェーンを可視化します。どの主張が事実に基づくもので、どの主張が法的解釈に依存しているかが一目でわかります。

反論ポイントの自動提案: 各主張に対して、考えられる反論のアプローチ(事実関係の否認、法的解釈の争い、証拠の信用性の否定等)をAIが自動提案します。関連する判例や条文も併せて提示するため、反論の法的根拠を素早く確認できます。

準備書面ドラフトへの連携: 反論ポイントが整理されたら、AILEXの既存のAI文書生成機能と連携し、準備書面のドラフトをワンクリックで生成できます。相手方書面の分析結果がそのまま反論の骨格になるため、ゼロからドラフトを書き起こす必要がありません。

引用の正確性検証: AILEXの既存ファクトチェック機能(Perplexity API)と連携し、相手方が引用する判例・条文の正確性も同時に検証します。存在しない判例の引用(いわゆるハルシネーション)は近年米国で社会問題化していますが、相手方代理人がAIを使って書面を作成した場合にも同様のリスクがあり、この検証機能は攻撃防御の両面で有用です。

想定される利用シーン

たとえば、不動産賃貸借紛争で相手方から「賃借人の原状回復義務は通常損耗を含む」という主張の答弁書が出された場合を考えてみましょう。

この機能を使えば、AIが即座にその主張を分析し、「最高裁平成17年12月16日判決(通常損耗は原則として賃貸人負担)との整合性に疑義あり」「相手方が根拠とする特約条項の有効性について、消費者契約法10条に基づく反論が可能」といった反論ポイントを自動的に抽出します。弁護士はこの分析結果をベースに、戦略的な反論を組み立てることに集中できます。

免責事項: 本機能のAI出力はあくまで分析補助・ドラフトであり、最終的な法的判断は弁護士が行います。弁護士法第72条(非弁行為禁止)に抵触しない、弁護士の意思決定支援ツールとして設計しています。


2. 争点整理表AI自動生成・管理

カテゴリ: 訴訟準備|優先度: 高|実装難易度:

どんな機能か

訴状・答弁書・準備書面といった訴訟書類から争点を自動的に抽出し、裁判所提出用の争点整理表を自動生成・継続的に更新する機能です。

争点整理は訴訟の核心ともいえる作業です。裁判所の弁論準備手続においても、争点と証拠の整理は審理の効率化に不可欠なプロセスとして位置づけられています。しかし、書面が積み重なるにつれて争点の全体像を手動で把握することは困難になり、特に複数事件を並行して抱える小規模事務所では、争点管理の属人化が深刻な課題となっています。

具体的にできること

全書面の横断分析: 事件に紐づく全ての訴訟書面をAIが横断的に分析し、争点・主張・証拠の対応関係を自動的にマッピングします。「この争点については、原告は訴状第3項で主張し、被告は答弁書第5項で反論している」といった対応関係が自動的に可視化されます。

標準フォーマットでの出力: 裁判所の争点整理手続(弁論準備手続)で使用される標準的なフォーマットに沿った争点整理表を自動生成します。そのまま裁判所に提出可能な形式で出力されるため、弁護士はフォーマットの調整ではなく内容の精査に時間を使えます。

自動更新と差分表示: 新しい書面が事件に追加されるたびに、争点整理表が自動的に更新されます。前回からの変更点は差分表示されるため、「今回の準備書面で新たにどの争点が追加・変更されたか」を一目で把握できます。

原告主張 vs 被告主張の対比表: 争点ごとに原告の主張と被告の主張を横並びで対比する表を自動生成します。各争点に対してどの証拠が紐づいているかも可視化されるため、立証計画の策定にも活用できます。

弁護士業務へのインパクト

1〜2名の事務所では、弁護士が5件、10件と訴訟事件を並行して抱えることは珍しくありません。それぞれの事件で争点が3〜5個あるとすれば、全体で数十の争点を手動で管理することになります。書面が更新されるたびに争点整理表を手作業で更新する作業は、膨大な時間を消費します。

この機能により、争点整理の初期作成と継続的な更新が自動化され、弁護士は争点の「管理」ではなく「分析」と「戦略立案」に集中できるようになります。

免責事項: 争点整理表は弁護士の分析ツールとして生成されます。裁判所への提出前には、弁護士による確認・修正を経る設計としています。


3. 証拠整理・証拠説明書AI自動生成

カテゴリ: 証拠管理|優先度: 高|実装難易度: 低〜中

どんな機能か

甲号証・乙号証の自動ナンバリング、証拠説明書(標題・作成日・作成者・立証趣旨)のAI自動生成、そしてmints提出用フォーマットへの自動変換を一括で行う機能です。

2026年5月21日のmints全面施行後、全ての証拠をPDF形式で電子提出する必要があります。各PDFファイルの右上に証拠番号を表記する、証拠説明書を添付する、通番を付して整理するといった要件があり、手作業での準拠は煩雑です。

具体的にできること

証拠の自動採番: AILEXの文書管理に登録された書類を「証拠」として指定するだけで、甲号証(原告側)/乙号証(被告側)を自動的に採番します。甲1、甲2、甲3…と連番が自動付与され、途中で証拠を追加・削除・並べ替えた場合も、番号と証拠説明書が自動的に更新されます。

証拠番号の自動スタンプ: 各証拠PDFの右上に証拠番号(甲1、甲2…)を自動的にスタンプします。これはmintsの提出要件に準拠した形式であり、手作業でのスタンプ作業が不要になります。

証拠説明書のAI自動生成: OCR済みのテキストからAIが「標題」「作成日」「作成者」「立証趣旨」を自動推定し、裁判所提出用の証拠説明書を生成します。たとえば、売買契約書のPDFであれば、AIが「売買契約書」「2024年4月1日」「甲野太郎・乙山次郎」「本件不動産の売買契約の成立及び代金額を立証する」といった情報を自動的に推定します。

連動更新: 証拠の追加・削除・並べ替えに連動して番号と証拠説明書が自動更新されるため、「甲3号証を追加したら、以降の全証拠の番号を振り直す」という手間が完全に解消されます。

2026年5月施行との関連

mints全面施行後は、すべての書証をPDFで提出することが義務化されます。現在は紙の書証にハンコで証拠番号を押している事務所も多いですが、電子提出に移行すればPDF上への証拠番号の自動付与は不可欠の機能となります。この機能の需要は施行日を境に爆発的に高まることが予想されます。

免責事項: 証拠説明書の「立証趣旨」はAIが提案する参考情報です。最終的な証拠の選定・立証趣旨の決定は弁護士の判断により行ってください。


4. 尋問準備支援(主尋問・反対尋問質問リスト生成)

カテゴリ: 法廷活動|優先度: 高|実装難易度: 中〜高

どんな機能か

証人尋問・当事者尋問の準備として、事件記録全体をAIが分析し、主尋問の質問順序反対尋問の攻めどころを自動的に提案する機能です。尋問のシミュレーションを支援し、予想される異議とその対応策まで含めて準備を支援します。

具体的にできること

主尋問の質問順序提案: 事件の争点、証拠、陳述書を総合的に分析し、立証すべき事項に沿った主尋問の質問順序をAIが提案します。「まず背景事実を確認し、次に契約締結の経緯を聞き、最後に相手方の不履行の具体的事実を尋ねる」といった論理的な質問フローが自動的に構成されます。

反対尋問の攻めどころ分析: 相手方証人の陳述書について、他の証拠や相手方の準備書面との矛盾点・弱点をAIが分析します。「陳述書第5段落の記述は、甲3号証の日付と矛盾している」「この主張を裏付ける客観的証拠が提出されていない」といった攻め所を自動的に特定し、それぞれについて具体的な質問パターンを提案します。

尋問規則への準拠チェック: 民事訴訟規則115条以下の尋問規則に照らし、誘導尋問にあたる質問や重複質問を自動的にフラグ表示します。「この質問は誘導尋問に該当する可能性があります。主尋問では非誘導の質問形式に変更してください」といった助言が表示されます。

異議申立ての予測と対応策: 想定される相手方からの異議申立て(誘導尋問、関連性の欠如、意見を求める質問等)をAIが予測し、それぞれに対する対応策(質問の言い換え、関連性の説明等)を事前に準備できます。

若手弁護士にとっての価値

尋問準備は、若手弁護士が最も苦手とする領域の一つです。大規模事務所であればベテラン弁護士が尋問のリハーサルを指導しますが、1人事務所の即独弁護士にはそうした指導者がいません。

この機能は、いわば「バーチャル先輩弁護士」として機能します。経験豊富な弁護士が行うような「この証人の陳述書のここが弱いから、ここを突けばいい」というアドバイスを、AIが事件記録の分析に基づいて提供します。

もちろん、尋問は法廷での臨機応変な対応が求められる生きた作業であり、AIの提案がそのまま使えるわけではありません。しかし、準備段階での分析と質問リストの作成を大幅に効率化することで、弁護士は尋問の「戦略」を考えることに集中できるようになります。

免責事項: AIの提案はあくまで参考資料です。尋問戦略の最終決定、質問の採否は弁護士の専門的判断に委ねられます。


5. 訴訟タイムライン自動可視化

カテゴリ: 訴訟管理|優先度: 中|実装難易度:

どんな機能か

事件の経過(提訴→答弁書→弁論準備→証拠調べ→和解協議→判決等)を時系列で自動的に可視化し、次回期日や提出期限をガントチャート形式で表示する機能です。

具体的にできること

訴訟フェーズの色分け表示: 事件管理・文書管理・スケジュールのデータを統合し、訴訟の全体像をタイムラインで表示します。書面交換期(青)→争点整理期(緑)→証拠調べ期(黄)→判決期(赤)のように、現在どのフェーズにあるかが色分けで一目でわかります。

準備タスクの自動リスト化: 次回期日までに必要な準備タスク(書面作成、証拠収集、証人との打合せ等)を自動的にリスト化します。「次回弁論準備期日(3月15日)まで:準備書面(3)の提出、甲7〜9号証の準備、証人Aとの打合せ」といったタスクリストが自動生成されます。

複数事件の横断カレンダー: 複数の訴訟事件を横断したカレンダービューを提供し、期日重複や繁忙期を可視化します。「来週は3つの事件の期日が重なっている」「再来週は2つの事件で書面提出期限がある」といった情報が一覧で把握できます。

小規模事務所にとっての価値

1〜2名の事務所で10件以上の訴訟事件を並行して扱うことは珍しくありません。それぞれの事件がどのフェーズにあり、次に何をすべきかを頭の中だけで管理するのは、事件数が増えるほど困難になります。

この機能により、全事件の進行状況を「鳥の目」で俯瞰でき、期限の見落としリスクを大幅に低減します。

免責事項: タイムライン表示は事件管理の参考ツールです。重要な期限の管理は弁護士ご自身でもご確認ください。


6. 損害賠償計算シミュレーター

カテゴリ: 損害算定|優先度: 中|実装難易度:

どんな機能か

交通事故・労災・医療過誤・不動産等の事件類型別に、損害賠償額を自動計算するシミュレーション機能です。赤い本(日弁連交通事故相談センター東京支部編)・青い本(日弁連交通事故相談センター本部編)の算定基準をベースにした計算エンジンを提供します。

具体的にできること

交通事故の損害計算: 後遺障害等級を入力するだけで、逸失利益(ライプニッツ係数を自動適用)、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料、休業損害を自動計算します。赤い本基準・青い本基準・自賠責基準の3パターンを比較表示し、請求額の妥当性を検討するための材料を提供します。

労災・医療過誤: 逸失利益の計算(基礎収入、労働能力喪失率、就労可能年数からライプニッツ係数を適用)、将来介護費、付添看護費、装具費等の計算を自動化します。

不動産紛争: 賃料差額の計算、明渡し遅延損害金(賃料相当額×遅延期間)、原状回復費用の算定を支援します。

計算根拠の自動表示: すべての計算結果について、どの基準(赤い本/青い本/裁判例)を適用したかを自動表示します。計算過程も段階的に展開表示できるため、依頼者への説明資料としても活用できます。

準備書面への自動挿入: シミュレーション結果を、AILEXのAI文書生成機能と連携して、準備書面の損害額算定部分に自動挿入できます。

依頼者との関係での価値

「この訴訟で損害賠償はいくらくらいになりますか?」は、依頼者からの最初の質問です。この機能を使えば、相談の場で即座にシミュレーション結果を提示でき、依頼者の理解と信頼を得やすくなります。

免責事項: 計算結果はあくまで参考見積りです。実際の損害賠償額は個別の事案ごとに異なり、最終的な請求額の決定は弁護士の判断によります。算定基準のデータは参考値であり、最新の基準書を確認してください。


7. 和解交渉支援・BATNA分析

カテゴリ: 和解・交渉|優先度: 中|実装難易度: 中〜高

どんな機能か

訴訟における和解交渉を定量的に支援する機能です。BATNA(Best Alternative to a Negotiated Agreement=不調時の最善代替案)の分析、和解金額の合理的レンジの推定、和解条項のドラフト生成を行います。

民事訴訟の約40%は和解で終結すると言われていますが、和解金額の妥当性判断は弁護士の経験に大きく依存しています。この機能は、経験値に頼りがちな判断を定量的な分析で補完します。

具体的にできること

和解の合理的レンジ推定: 事件データ(請求額、争点ごとの立証状況、証拠の強弱)をAIが総合的に分析し、和解金額の合理的なレンジ(最低ライン〜最高ライン)を推定します。

BATNA分析: 和解しなかった場合、つまり判決まで進んだ場合の見通しを分析します。勝訴確率の推定範囲、認容額の推定範囲を提示し、「判決に行った場合のリスクとリターン」を定量的に把握できます。

総コスト比較表: 訴訟費用(印紙代、弁護士費用、鑑定費用等)と訴訟にかかる時間的コスト(審理期間の見込み)を加味した、和解 vs 判決の総コスト比較表を自動生成します。

和解条項ドラフト: 和解の方向で合意に至った場合の和解条項(支払条件、分割払い、秘密保持条項、清算条項等)を自動ドラフトします。典型的なパターンを複数提示し、事案に応じた選択と修正が可能です。

依頼者向け説明資料: 和解 vs 判決の比較表を、依頼者に説明するための分かりやすいフォーマットで自動生成します。弁護士が依頼者と和解の是非を協議する際の説明資料として活用できます。

免責事項: 和解金額の推定、BATNA分析はいずれもAIによる参考分析であり、AIが法的判断を行うものではありません。和解の判断は弁護士と依頼者の協議により行ってください。


8. 陳述書AI作成支援

カテゴリ: 書面作成|優先度: 高|実装難易度:

どんな機能か

証人・当事者の陳述書作成を支援する機能です。打合せメモやヒアリング内容を入力するだけで、AIが裁判所向けの陳述書フォーマットに自動変換し、争点整理表との整合性チェックまで行います。

陳述書の作成は、依頼者からの聞き取り内容を、時系列を整理し、法的に有効な表現に整え、裁判所が理解しやすいフォーマットにまとめるという多段階の作業です。弁護士の時間を大きく消費する作業であり、特に複数の証人の陳述書を並行して作成する場合の負担は計り知れません。

具体的にできること

打合せメモからの自動変換: 打合せ議事録やメモのテキストを入力するだけで、裁判所向けの陳述書フォーマット(「第1 はじめに」「第2 事実経過」…といった構成)に自動変換します。口語的な表現を書き言葉に変換し、時系列を整理し、不必要な情報を省くといった編集をAIが行います。

争点との整合性チェック: 争点整理表の機能と連動し、各争点に対応する陳述内容が網羅されているかを自動チェックします。「争点3(契約の解除の有効性)について、陳述書に対応する記述がありません」といったアラートが表示され、記載漏れを防止します。

時系列矛盾の自動検出: 陳述書内の日付や前後関係の不整合を自動的に検出します。「第3段落で2024年3月の出来事と述べていますが、第7段落の記述との時系列に矛盾があります」といった指摘が表示されます。

他の証拠との整合性チェック: 事件に登録された他の証拠(契約書、メール、写真等)のOCRテキストと陳述書の内容を照合し、矛盾がないかを自動チェックします。

裁判所向け表現の自動修正: 人称の統一、敬語表現の調整、裁判所向けの適切な表現への修正をAIが提案します。

実務での活用イメージ

たとえば、離婚事件で依頼者(妻側)の陳述書を作成する場合。依頼者との打合せで聞き取った内容のメモを入力すると、AIが「第1 当事者」「第2 婚姻に至る経緯」「第3 婚姻生活の状況」「第4 別居に至る経緯」「第5 現在の状況」といった標準的な構成の陳述書ドラフトを自動生成します。弁護士は内容の正確性を確認し、依頼者に確認してもらうだけで、陳述書の初稿が完成します。

免責事項: 陳述書は証人本人の供述内容をまとめたものです。AIが生成するのはドラフトであり、最終的に証人本人が内容を確認・署名する手続きは従来と変わりません。


9. mints提出用パッケージ自動生成

カテゴリ: 電子提出|優先度: 高|実装難易度: 低〜中

どんな機能か

事件に紐づく全書類を、mints提出要件に完全準拠したPDFパッケージとして一括出力する機能です。2026年5月21日のmints全面施行後に最も直接的に価値を発揮する機能です。

現時点で、mints対応の書類出力と案件管理を一気通貫で提供するリーガルテックツールは市場に存在しません。LegalOn Technologies、弁護士ドットコム、LAWGUEなど主要各社はいずれも企業法務・契約管理に注力しており、mints連携は未着手です。AILEXがこの機能を先行リリースすれば、小規模事務所にとって「AILEXを入れればmints対応は完了」という明確な価値提案が可能になります。

具体的にできること

書面のPDF出力: 訴状・準備書面等のAI生成文書をA4 PDFに変換し、ページ番号と事件番号を自動付与して出力します。

証拠のパッケージ化: 証拠整理機能と連携し、甲号証・乙号証に証拠番号を自動スタンプした上で、通番順に整理されたPDFパッケージを生成します。

証拠説明書の自動添付: 証拠リストと連動した証拠説明書を自動生成し、パッケージに同梱します。

ファイル命名規則の自動適用: mints提出に適した命名規則(例:「甲1_売買契約書.pdf」「準備書面(3).pdf」)を自動的に適用します。

提出前自動チェックリスト: 以下の項目を自動検証し、提出前に問題がないことを確認します。

  • PDFフォーマットへの準拠(A4/A3、テキストデータ付き)
  • ファイルサイズの適正性
  • 証拠番号の連番チェック
  • 証拠説明書との整合性
  • 必要書類の漏れチェック

mintsフォーム用テキスト生成: mintsの訴状フォーム入力項目(申立ての趣旨400字・理由10,000字)に対応したテキストを自動生成し、コピー&ペーストでmintsに移行できるワークフローを構築します。mints APIが非公開の現状では直接連携はできませんが、この「コピー&ペースト方式」でもmintsへの入力作業を大幅に効率化できます。

なぜ「mints対応」が競争優位になるのか

mints APIは現時点で非公開であり、外部システムとの直接連携は技術的に不可能です。しかし、逆にこのことが参入障壁となっています。大手リーガルテック企業はAPI公開を待っている状況であり、ワークフローレベルでのmints対応に先行投資しているプレイヤーは存在しません。

AILEXがこの空白を先に埋めることで、将来TreeeS(次期システム)でAPI連携が公開された際にも、すでに蓄積されたユーザーベースとワークフロー統合が強力な競争優位となります。

免責事項: 本機能はmintsのファイルフォーマット要件に準拠した技術的なツールです。提出書類の内容に関する最終確認は弁護士ご自身で行ってください。


10. 訴訟費用・収支シミュレーション

カテゴリ: 費用管理|優先度: 中|実装難易度:

どんな機能か

訴額に応じた印紙代、予納郵券、鑑定費用等の実費と、弁護士報酬の見積もりを自動計算し、訴訟全体の収支見通しをシミュレーションする機能です。

具体的にできること

印紙代の自動計算: 訴額を入力するだけで、民事訴訟費用等に関する法律別表第一に基づく印紙代を自動計算します。控訴の場合の追加印紙代(1.5倍)、上告の場合の追加印紙代(2倍)も自動で算出します。

弁護士報酬の見積もり: 旧日弁連報酬基準、法テラス(LAC)基準、または事務所独自の基準を選択して、着手金・報酬金の見積もりを自動計算します。経済的利益の額に応じた段階的な計算が自動で行われます。

総コストの試算: 訴訟の見込み期間(一般的な民事訴訟の審理期間データに基づく推定)から、弁護士費用+実費+交通費等を含む総コストを試算します。

依頼者向け見積書の自動生成: シミュレーション結果を、依頼者に提示可能なフォーマットの費用説明書として自動生成します。費用の内訳が分かりやすく表示され、依頼者との費用合意の際の説明資料として活用できます。

受任率向上への効果

「この訴訟を起こしたら費用はいくらかかるか」は、依頼者が最初に知りたい情報です。初回相談の場で即座にシミュレーション結果を見せることができれば、弁護士への信頼感が高まり、受任率の向上に直結します。

免責事項: 計算結果は参考見積りであり、実際の費用は事件の進行状況により変動します。


11. 送達管理・応答期限トラッカー

カテゴリ: 期限管理|優先度: 高|実装難易度: 低〜中

どんな機能か

mintsのシステム送達を受けた後の応答期限を自動計算し、期限前にアラートで通知する機能です。2026年5月21日の全面施行後、新たに導入される「システム送達」のルールに対応します。

なぜこの機能が不可欠か

改正民事訴訟法では、システム送達(第109条の2)という新しい送達方法が導入されます。送達の効力は以下のいずれか早い時点で発生します。

  1. 受送達者がmintsで書類を閲覧した時
  2. 書類をダウンロードした時
  3. 通知メールから1週間が経過した時

特に3番目のルールが重要です。仮に弁護士がメールに気づかず、mintsにログインもしなかった場合でも、通知から1週間で送達の効力が自動的に発生します。これにより、知らないうちに控訴期限(判決送達から2週間)が進行し始めるリスクがあります。

期限の見落としは弁護過誤に直結する致命的リスクです。この新しいルールに対応した期限管理ツールは、小規模事務所にとって不可欠のインフラとなります。

具体的にできること

送達効力発生日の自動判定: 送達の通知日、閲覧日、ダウンロード日を入力すると、送達の効力発生日を自動判定します。

法定期限の自動計算: 送達効力発生日から、各種法定期限を自動計算します。

  • 答弁書提出期限(口頭弁論期日の1週間前)
  • 控訴期限(判決送達から2週間)
  • 上告期限(控訴審判決送達から2週間)
  • 特別上告期限(5日間)
  • その他の応答期限

段階的リマインド通知: 期限前の複数時点(7日前・3日前・1日前・当日)でリマインド通知を配信します。通知はダッシュボード上のアラート、メール、LINEの3チャネルで配信可能です。

期限カレンダーの横断表示: 複数事件の期限を横断的にカレンダー表示し、期限切迫順にソートします。「今週中に対応が必要な期限」が一覧で把握でき、優先順位の判断に役立ちます。

免責事項: 期限計算は参考情報として提供します。法定期限の最終確認は弁護士ご自身で行ってください。計算結果に依拠して期限を徒過した場合の責任は負いかねます。


12. 訴訟記録電子閲覧・注釈管理

カテゴリ: 記録管理|優先度: 中|実装難易度:

どんな機能か

訴訟記録(自方・相手方の書面、証拠、裁判所書類)を統合的に閲覧し、弁護士がハイライト・付箋・メモを付与して管理する機能です。いわば、紙の訴訟記録にマーカーを引いたり付箋を貼ったりする作業を、デジタル上で実現するものです。

具体的にできること

ブック形式の一覧表示: 事件に紐づく全書類を、裁判記録の綴り順(訴状→答弁書→第1回弁論準備調書→準備書面(1)→…)でブック形式に一覧表示します。

PDF上への注釈: PDFドキュメント上にハイライト(マーカー)、付箋、テキストメモを直接追加できます。たとえば、相手方の準備書面の特定の主張にハイライトを引いて「要反論」とメモしたり、証拠の重要箇所に付箋を貼ったりできます。

タグ付き横断検索: 注釈にタグ(争点番号、証拠番号、「要確認」「矛盾あり」等)を付与し、タグでの横断検索が可能です。「争点2に関連する全ての注釈を表示」「矛盾ありタグが付いた箇所を一覧」といった検索ができます。

クロスリファレンスの可視化: 書面間の参照関係(「この主張は甲3号証p.5の記述と矛盾」「被告準備書面(2)第4項は原告準備書面(1)第6項への反論」等)を可視化します。

2026年以降の訴訟記録電子化への対応

改正民事訴訟法91条の2に基づき、訴訟記録の電子閲覧が可能になります。しかし、mintsの閲覧機能はシンプルなPDFビューアにとどまることが予想されます。弁護士が実務で必要とする高度な注釈・分析機能を提供することで、「mintsで記録を閲覧し、AILEXで分析する」というワークフローが確立されます。

免責事項: 内部分析ツールとして提供するものであり、注釈内容は弁護士の分析メモです。


13. 判決分析・上訴判断支援

カテゴリ: 判決対応|優先度: 中|実装難易度:

どんな機能か

判決文をAIが分析し、判決理由の構造化、上訴の可否を検討するための材料整理、控訴理由書のドラフト生成を支援する機能です。

具体的にできること

判決文の構造分解: 判決文(PDF)をアップロードすると、AIが「主文」「事実の認定」「争点に対する判断」「結論」をセクションごとに分解して構造化します。各争点について裁判所がどのような事実を認定し、どのような法的判断を下したかが一覧で把握できます。

上訴材料の整理: 上訴を検討する場合の材料を、以下のカテゴリで自動整理します。

  • 法令解釈の誤り: 裁判所の法令解釈に問題がある箇所
  • 事実認定の不当: 証拠から合理的に導けない事実認定
  • 判例違反: 最高裁判例や高裁判例との齟齬
  • 審理不尽: 裁判所が判断すべき争点を判断していない箇所

控訴理由書のドラフト生成: 上訴材料の分析結果に基づき、控訴理由書のドラフトを自動生成します。原判決の問題点を指摘し、変更を求める形式の書面が自動的に構成されます。

類似事件の控訴結果検索: AIが類似事件の控訴審・上告審の結果を検索し、上訴の見通しに関する参考情報を提示します。

時間との闘い

判決を受けた直後は、弁護士にとって最も時間的にタイトな局面です。控訴期限は判決送達からわずか14日間。この間に判決文を精読し、上訴の可否を判断し、依頼者と協議し、控訴状(+控訴理由書)を作成しなければなりません。

AIによる判決構造の即時分析は、この時間的制約の中で冷静かつ合理的な判断を下すための強力な支援ツールとなります。

免責事項: AIの分析は参考情報です。上訴の可否判断は、弁護士の専門的判断に基づいて行ってください。


既存機能との連携——一気通貫の訴訟ワークフロー

これら13の新機能は、AILEXの既存機能と有機的に連携し、訴訟業務の一気通貫ワークフローを完成させます。

AI法律相談チャット(Claude API) は、尋問準備支援や和解交渉支援と連携します。チャット内で争点について議論し、その議論の結果を尋問質問リストや和解分析に反映させることができます。

AI文書生成(GPT-4o) は、相手方書面分析、争点整理、陳述書作成支援と直接連携します。分析結果から準備書面や陳述書のドラフトを直接生成できるため、分析→起案の作業がシームレスにつながります。

ファクトチェック(Perplexity API) は、相手方書面の引用判例の正確性検証や、判決文に含まれる法令根拠の確認に活用されます。

文書管理(OCR) は、証拠整理機能と訴訟記録閲覧機能の基盤となります。OCRでテキスト化された文書データが、証拠の自動採番やクロスリファレンスの材料として活用されます。

AIエージェント(Claude Tool Use) は、全機能を横断的に操作するインターフェースとして機能します。「この事件の争点を整理して、証拠との対応関係を表にまとめて」といった自然言語の指示で、複数の機能を連携させた作業を実行できます。

PIIマスキング は、新機能でのAPI通信にも自動的に適用されます。これにより、「クライアントへの同意説明が不要」というAILEXの原則が維持され、導入のハードルが低く保たれます。


実装ロードマップ

2026年5月21日のmints全面施行を最重要マイルストーンとし、4つのフェーズで段階的に実装を進めます。

Phase 1: 即時対応(2026年2〜3月)

mints施行に直結する3機能を最優先でリリースします。

  • 証拠整理・証拠説明書AI自動生成 — 証拠のナンバリングとスタンプは電子提出の基本要件
  • mints提出用パッケージ自動生成 — 「AILEXを入れればmints対応は完了」を実現
  • 送達管理・応答期限トラッカー — システム送達の新ルールに対応した期限管理

Phase 2: 短期対応(2026年3〜4月)

訴訟の中核業務を支援する3機能を投入します。

  • 相手方書面AI分析・反論ポイント自動抽出
  • 争点整理表AI自動生成
  • 陳述書AI作成支援

Phase 3: 中期対応(2026年4〜5月)

法廷活動支援と経営効率化の機能を追加します。

  • 尋問準備支援
  • 訴訟タイムライン自動可視化
  • 訴訟費用・収支シミュレーション

Phase 4: 中長期対応(2026年6月〜)

高度な分析機能を段階的に投入します。

  • 損害賠償計算シミュレーター
  • 和解交渉支援・BATNA分析
  • 訴訟記録電子閲覧・注釈管理
  • 判決分析・上訴判断支援

まとめ——AILEXが目指す「訴訟のAI Legal OS」

2026年は、日本の弁護士業界にとって1996年の民事訴訟法全面改正以来の最大の変革の年です。約47,000人の弁護士全員が影響を受け、その80%以上を占める小規模事務所は最も準備が遅れています。

AILEXは、この歴史的転換点に13の新機能を投入し、訴訟の全ライフサイクルをカバーする「AI Legal OS」を完成させます。

しかし、私たちが最も大切にしているのは、AIは弁護士を代替するものではなく、弁護士の能力を拡張するツールであるという原則です。すべてのAI出力はドラフト・参考資料であり、最終的な法的判断は弁護士が行います。AIが下書きを作り、弁護士が精査・修正して完成させる——このワークフローこそが、テクノロジーと専門知識の最適な組み合わせだと考えています。

AILEXは引き続き、小規模法律事務所の弁護士の皆さまが、本来の専門業務——法的分析、戦略立案、依頼者への助言——に集中できる環境づくりに取り組んでまいります。

新機能の開発状況は、本ブログおよび公式LINEにて随時お知らせいたします。ぜひご登録ください。

公式LINE: https://lin.ee/P9JAWZp お問い合わせ: info@ailex.co.jp


免責事項 本記事に記載されている機能は開発予定のものであり、リリース時期・仕様は予告なく変更される場合があります。AILEXの全機能は弁護士の業務支援・意思決定支援ツールとして設計されており、AIの出力は参考資料・ドラフトです。法律相談、法的判断、法的助言を提供するものではありません。最終的な法的判断・意思決定は弁護士ご自身の責任において行ってください。

AILEX合同会社 https://ailex.co.jp

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