2026年5月21日——改正民事訴訟法が全面施行され、弁護士による裁判書類の電子提出が義務化されます。「パソコンが苦手」は免責事由になりません。全国約4万7千人の弁護士全員に影響する、1996年の民事訴訟法全面改正以来、最大の変革です。

AILEXは2026年2月のリリースで、AI証拠説明書自動生成やAI提出前チェックなど6つのAI強化機能を搭載したmints提出パッケージ機能を提供しました。おかげさまでパイロット利用中の弁護士から多くのフィードバックをいただく中で、「パッケージは完璧に作れた。でもそこからmintsに実際に提出するまでの間に、まだ不安がある」という声が複数寄せられました。

今回追加した4つの新機能は、その「あと一歩」を埋めるものです。

施行まで残り約3か月。弁護士ドットコムの2024年調査(n=316)によると、弁護士の65.5%がmintsを一度も使ったことがありません。mints登録率も約64%にとどまります。小規模事務所の先生方にとって、今日からの準備が不可欠です。

なぜ「あと一歩」が必要なのか

AILEXの既存mints機能は、訴訟資料のPDF化・証拠番号付与・証拠説明書のAI自動生成・フォームテキストの事前作成など、「提出パッケージの作成」を自動化します。しかし弁護士の実務では、パッケージ作成から実際のmints提出までの間に、いくつかのハードルが存在します。

課題 影響 従来の対応
50MBのアップロード制限 医療記録・不動産鑑定書・音声証拠で頻繁に超過 手動でPDFを分割、枝番号を手作業で付与
受領書の作成 相手方書面の受領時に裁判所へ提出が必要 Wordで毎回手作業で作成
mints操作方法の習得 65.5%が未使用。操作動画は散在 個別にYouTubeを検索、同僚に聞く
秘密情報の見落とし 電子化で訴訟記録が誰でも閲覧可能に 弁護士が目視で全文確認

今回の4機能は、これらの課題すべてに対応しています。1つずつ詳しくご説明します。

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NEW FEATURE
50MBファイル自動分割アシスタント

mintsの1回のアップロード合計上限は50MBです。通常の訴状や準備書面では問題になりませんが、医療記録、不動産鑑定評価書、現場写真集、録音データ(MP3)など、大容量の証拠を扱う事件では、この制限が実務上の大きな壁になります。

本機能は、事件に登録された全文書をスキャンし、50MBを超えるファイルを自動検出します。検出されたファイルに対して、ファイル形式ごとに最適な分割方法を提案・実行します。

ファイル形式ごとの対応

形式分割方法特徴
PDFページ単位の自動分割各45MB以下に収まるようページを自動配分
MP3フレーム境界での分割MP3フレームヘッダ(0xFF同期)を検出し、再生品質を維持
MP4 / MOVガイド付き手動分割ffmpegコマンドを自動生成し手順を提示

分割後のファイルには、裁判実務の慣例に従い枝番号が自動付与されます。例えば「甲第10号証」を3分割すると「甲第10号証の1」「甲第10号証の2」「甲第10号証の3」となり、各分割ファイルの先頭に識別用の表紙PDFが自動生成されます。証拠説明書への注記テキストも自動で作成されるため、分割作業に伴う事務負担を最小限に抑えます。

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NEW FEATURE
受領書PDF自動生成

mintsでは、相手方が提出した書面を受領した際、受領書を作成して提出する運用があります。これまで受領書はWordで毎回手作業で作成されており、日付の和暦変換、書面名の正確な転記、裁判所名の記載など、定型的ではあるものの手間のかかる作業でした。

本機能では、対象書面を選択し、裁判所名と弁護士名を入力するだけで、受領書PDFが自動生成されます。

主な特徴

複数の書面をまとめて1通の受領書に一括生成できます。日付は和暦(令和)に自動変換されます。事件番号や裁判所名は案件データから自動入力されるため、入力の手間はほとんどありません。生成した受領書は履歴管理されるため、いつ、どの書面について受領書を作成したかを後から確認できます。PDF出力にはAILEX内蔵のPDFエンジンを使用しており、外部ライブラリへの依存はありません。

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NEW FEATURE
mints操作ガイド

弁護士の65.5%がmintsを未使用という現状は、「使いたくない」のではなく「使い方がわからない」「情報がどこにあるかわからない」ことが大きな原因です。裁判所はYouTubeで操作説明動画を公開し、FAQやマニュアルも整備していますが、それらは複数のサイトやPDFに分散しています。

本機能は、mintsに関する公式情報を1か所に集約しました。

裁判所公式動画 — 全13本をカテゴリ別に整理

カテゴリ動画数内容
🔰 はじめてのmints2本サインアップ方法、招待メールからの登録
📤 書面の提出5本アップロード方法、新規申立て(3本構成)
📥 記録の閲覧3本ダウンロード方法、受領書の操作、記録一覧
🆕 フェーズ3新機能3本電子申立て、電子納付(ペイジー)、電子送達

動画はすべて裁判所公式YouTubeチャンネル「Courts in Japan」へのリンクであり、AILEXが独自に作成した動画ではありません。加えて、裁判所公式FAQ、操作マニュアル、フェーズ3向け準備資料など7つの公式リンクと、「ファイルアップロードがエラーになる」「パスワード付きPDFを提出したい」などのよくあるトラブル6項目をまとめています。

さらに、AILEXでパッケージを生成した後には、パッケージの内容(主張書面の数、書証の数、当事者CSVの有無など)に応じて、mintsでの具体的な操作手順がステップ形式で自動表示されます。「次に何をすればいいか」が常にわかる設計です。

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NEW FEATURE
閲覧制限チェック(プライバシースキャン)

改正民事訴訟法第91条の2により、電子化された訴訟記録は原則として何人も閲覧を請求できるようになります。これは訴訟の透明性を高める重要な制度ですが、同時に新たなリスクも生じます。

マイナンバー、銀行口座番号、DV被害者の住所、未成年者の氏名など、閲覧制限の申立て(改正民訴法第92条)が必要な情報が含まれたまま提出された場合、取り返しのつかない事態になりかねません。紙の時代には物理的に閲覧が制限されていた情報が、電子化によって広くアクセス可能になるためです。

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設計方針:完全ローカル実行・PII非送信

本機能の最も重要な特徴は、すべての処理がAILEXサーバー内で完結することです。外部AIサービスへのデータ送信は一切行いません。これは弁護士の守秘義務(弁護士法第23条)に対する最大限の配慮です。また、検出結果には該当情報の原文を含めず、検出カテゴリとページ位置のみを表示します。弁護士が画面を共有している場面でも、秘密情報が漏洩するリスクはありません。

検出対象 — 8カテゴリ

カテゴリ検出方法重要度
マイナンバー12桁パターン+チェックデジット検証🚨 緊急
クレジットカード番号16桁パターン+Luhnアルゴリズム検証🚨 緊急
銀行口座情報金融機関名+口座番号パターン⚠️ 警告
医療情報疾病名・診断名等20以上のキーワード⚠️ 警告
DV・虐待情報保護命令・シェルター等のキーワード🚨 緊急
性的被害情報性的暴行・わいせつ等のキーワード🚨 緊急
営業秘密秘密保持・NDA等のマーカーℹ️ 情報
未成年者情報未成年キーワード+住所・学校名の組合せ🚨 緊急

設計思想として「見落とすよりも過検出の方が安全」という原則を採用しています。本機能はあくまで補助ツールであり、閲覧制限の要否は弁護士が最終判断を行ってください。検出結果から、改正民訴法第92条に基づく閲覧制限の申立てが必要と判断された場合は、mintsでのアップロード時に「閲覧等制限」を選択し、閲覧制限申立書を別途提出してください。

AILEXのmints対応機能 — 計10機能

今回の4機能追加により、AILEXのmints関連機能は合計10機能となりました。AI強化機能とユーティリティ機能を組み合わせ、mints提出に関わる業務を包括的にカバーします。

🤖 AI強化機能(既存)
AI AI証拠説明書自動生成 標目・作成者・立証趣旨を自動補完
AI AIフォームテキスト生成 趣旨400字・理由10,000字を要約
AI AI提出前チェック 号証連番・書面整合性の8項目検証
🛠 ユーティリティ機能(既存)
mints適合性プレチェック ファイル名50文字・パスワードPDF
送達効力計算・期限管理 1週間ルール自動算出
ペイジー納付管理 手数料計算・納付状況追跡
🆕 今回追加(4機能)
50MBファイル自動分割アシスタント PDF・MP3・MP4対応
受領書PDF自動生成 和暦変換・一括生成・履歴管理
mints操作ガイド 公式動画13本・FAQ・操作手順
閲覧制限チェック 完全ローカル・8カテゴリ検出

mints義務化タイムライン

2022年4月
mints運用開始(甲府・大津地裁)
2023年11月
全国の地方裁判所に展開
2025年7月
全国の簡易裁判所にも拡大
2025年10月25日
新規申立て・電子送達・記録一覧・電子納付を追加
2026年2月(現在)
AILEX、mints対応4機能を追加リリース ← いまここ
2026年5月21日
改正民事訴訟法 全面施行 — 弁護士の電子提出義務化
準備は「今日から」始められます。mintsのアカウント登録がまだの方は、日弁連の案内に従って登録を完了してください。施行後は本人確認手続が必要になるため、施行前の登録をお勧めします。AILEXでテスト事件を作成し、mints提出パッケージの生成を試すこともできます。

今後の展望 — TreeeSへの移行とAILEX

最高裁判所は当初、次世代システム「TreeeS」(Trial e-filing e-case management e-court Systems)を開発していましたが、開発遅延により方針が転換されました。2026年5月の全面施行は既存mintsの改修版で対応し、TreeeSの本格導入は2027〜2028年度に後ろ倒しとなっています。

これは弁護士にとって、mints改修版への対応と、その後のTreeeSへの移行という二段階の移行が必要になることを意味します。AILEXは、この「二重移行問題」を吸収するレイヤーとして機能します。AILEXのmints対応は特定のAPIやシステムに依存しない設計であるため、裏側のシステムが変わっても、弁護士はAILEXの同じ画面から提出業務を続けられます。

AILEXは「AILEXだけ入れればmints対応が完了する」という明確な価値を目指し、mints対応を含む統合的な訴訟支援プラットフォームとして進化を続けます。

施行まで残り約3か月。
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AILEXは、小規模法律事務所の民事裁判IT化を支援します。