TreeeS・次世代

TreeeS開発はいまどこまで進んだか【2026年9月版】工程表・導入時期・残り準備期間

次世代システムTreeeS(ツリーズ)の開発は、2026年9月時点でどこまで進んでいるのか。本記事では、最高裁が公告した調達文書に記載された開発工程表を軸に、公表情報と未公表情報を切り分けながら「現在地」を総点検します。導入見込みは2027年度中──つまり残された準備期間は1年強です。

TreeeSのおさらい──mintsの次に来るもの

TreeeSは、改正民事訴訟法が定める電子申立て・訴訟記録の電子化等に対応するために最高裁が開発を進めているe提出・e記録管理システムです。読み方は最高裁の調達仕様書で「ツリーズ」と明記されています(詳細はTreeeSの読み方解説)。現在稼働中のmintsとの関係・違いはTreeeSとmintsの違いをご覧ください。

調達文書で読む開発工程──「時期1」と「時期2」

最高裁判所事務総局経理局長名で令和7年7月2日に出された公募公告(courts.go.jp掲載のR70702koukoku.pdf)には、TreeeS本体を含む「第2次開発」の工程が具体的に記載されています。

工程内容完成目標公告時点(令和7年7月)の状況
時期1基本機能部分令和7年8月末総合テスト実施中
時期2周辺機能部分令和8年2月末単体テスト実施中

第2次開発では、書面の電子提出機能、当事者・裁判所間のやり取りの電子化、訴訟記録の電子閲覧機能等の開発と、裁判所内の事件管理システムRoootS(ルーツ)のTreeeS連携改修が並行して進められてきました。

2026年9月の現在地──目標期限は経過、公式の「完成宣言」は未確認

工程表上の完成目標(時期1=2025年8月末、時期2=2026年2月末)は、いずれも既に経過しています。もっとも、開発完了や検収を告げる最高裁の公式発表は、本記事執筆時点(2026年9月1日)で確認できていません。確度の高い公表情報として押さえておくべきは次の2点です。

  • 日弁連会長声明(2026年5月21日)が、2027年度中にTreeeSが導入され、導入後は申立て方法の異なる複数の事件類型が併存することへの注意を明記していること
  • 裁判所ドメイン上にTreeeSの研修環境(treees-self-training)が既に存在し、GビズIDによるログイン画面が公開されていること(一般利用は不可。詳細は研修環境の解説

先行導入が名古屋から2027年1月に始まるという情報も弁護士会・弁理士会経由で流通していますが、最高裁が確定スケジュールとして公表した文書は現時点で確認できないため、「見込み」として扱うのが正確です(導入時期の最新情報参照)。

第3次開発は契約開始から1年──家事・人事訴訟への拡張

家事事件・人事訴訟等への対応は「第3次開発」として切り出されており、調達仕様書上の契約期間は令和7年9月1日から令和10年3月31日まで。ちょうど本日(2026年9月1日)で契約開始から1年が経過した計算です。重要なのは、人事訴訟・家事事件は現在もmintsの対象外であり、これらのデジタル化は令和5年法律第53号に基づき2028年(令和10年)6月までに施行される予定という点です(家事事件対応の詳細mints対象外事件の整理)。

開発費・ベンダーは?──「30億円超」は報道ベース

TreeeSの開発費として広く知られる「30億円超」という数字は報道に基づくもので、金額を特定できる公的一次資料は確認されていません。落札事業者名・契約金額も公表されておらず、この点は開発遅延の経緯まとめで整理したとおりです。記事や事務所内資料で引用する際は「報道による」と付すのが安全です。

問題は「二重移行」──mintsで作った手順が無駄になる不安

紙→mints→TreeeSと2段階の移行を強いられる中で、「いまmintsの運用を整えても、TreeeSが来たら作り直しでは」という不安は根強くあります。しかし日弁連声明が示すとおり、導入後しばらくは複数の申立て方法が併存する過渡期が想定されており、mintsの運用力はその期間の過誤防止にそのまま効きます。

AILEXは「システムが変わっても残る資産」をつくる

AILEX(エーアイレックス)が支援するのは、mintsの画面操作そのものではなく、証拠説明書・立証趣旨の作成、提出前チェック、期限管理といったシステムに依存しない業務の型です。ここを今のうちに標準化しておけば、TreeeSへの移行時も「提出先が変わるだけ」で済みます。残り1年強の準備期間を、AILEXで移行に強い事務所づくりに充ててください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。個別の事案については弁護士にご相談ください。
運営:AILEX合同会社(エーアイレックス)|顧問弁護士事務所:弁護士法人えそら

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