TreeeSの導入延期と現在の進捗|調達資料で確認できること
2026年10月10日更新:最新の調達資料と研修用の暫定操作マニュアルを確認し、従来の記載を訂正・更新しました。
延期の経緯と現在の情報を分ける
改正民事訴訟法の2026年5月21日の全面施行は、TreeeSの本番導入を待たず、改修版mintsで対応しました。過去の工程表や報道を参照する際は、その資料の公表日と対象工程を確認してください。今回確認した調達資料だけで、特定企業の人材不足やアーキテクチャを遅延の最大原因と断定することはできません。
2026年6月の調達資料で分かる進捗
最高裁の2026年6月調達仕様書は、TreeeSを2025年度までに開発されたシステムと記載し、RoootSは全国で運用開始済みと説明しています。2025年の工程表だけを根拠に、現在も同じテスト段階にあると断定することはできません。開発済みという記載と、利用者向け本番運用の開始、個別契約の検収は分けて扱う必要があります。
先行導入と全国展開の予定
TreeeSは2027年1月に名古屋高裁本庁・名古屋地簡裁管内(支部を含む)で先行導入され、2027年度中に全国の裁判所で運用開始する予定です。最高裁の2026年6月の調達仕様書は2026年度中の一部導入と2027年度中の全国展開を記載し、愛知県弁護士会の案内が先行導入の対象と時期を示しています。全国一斉の確定日やmintsの廃止日を示すものではありません。
開発会社は公示資料で確認できる
2023年5月11日付の最高裁判所の落札者等公示では、「民事訴訟手続のデジタル化に係るe提出・e記録管理システムの設計・開発及び賃貸借保守業務一式」の落札者として株式会社日立社会情報サービスが記載されています。新聞記事に社名が書かれていないことと、調達情報が非公開であることは別です。従来の「開発会社は非公開」という記載を訂正します。
予定価格・落札価格・総開発費を区別する
上記の公示における落札価格は1,616,164,000円(約16.16億円)、予定価格は3,049,420,000円(約30.49億円)です。予定価格を支出済みの開発費として扱うことはできません。また、この落札価格は当該一契約の金額であり、TreeeSの全開発・改修・保守の総額ではありません。金額を紹介する際は、契約件名・期間・金額の種類・出典を併記する必要があります。
法律事務所が準備すること
事件ごとに提起日・手続類型・提出先システム・提出期限を管理し、書面の作成、証拠整理、提出前確認、提出後の記録保存を手順化してください。TreeeSでは画面やアカウントの操作手順を改めて確認する必要があります。AILEXは提出準備・確認・記録管理を支援し、公表仕様に合わせて対応を更新する方針です。控訴等の法定期間は、送達日や事件の状況を踏まえて弁護士が別途確認してください。
確認した一次資料
本記事は2026年10月10日時点の公表資料に基づき更新しました。導入予定・暫定仕様は変更される場合があります。個別事件の提出方法は裁判所の案内をご確認ください。