公開日: 2026年2月
カテゴリ: 新機能リリース
著者: AILEX
この記事に記載されている人名・事件名・事務所名は全て架空のものです。
相手方から準備書面が届いたとき、弁護士は何をするか。
書面を通読し、主張の構造を理解する。どの事実を前提にしているか。どの条文を根拠としているか。引用されている判例は正確か。論理の飛躍はないか。こちらの主張との矛盾点はどこか――。
この「読み解き」の作業は、訴訟実務の中でも最も集中力と時間を要するプロセスの一つです。複雑な事件では、一通の書面を精読して反論の方針を固めるだけで、数時間を費やすことも珍しくありません。
AILEXは今回のアップデートで、相手方書面AI分析システムを追加しました。相手方の書面をAIが構造的に分析し、反論ポイントの抽出から反論ドラフトの生成までを一気通貫で支援する機能です。
何ができるのか

相手方書面AI分析は、事件詳細ページから「⚔️ 相手方書面AI分析」ボタンでアクセスできます。入力方法は2つ。事件に登録済みの文書を選択するか、テキストを直接貼り付けるか、どちらでも対応します。
分析を実行すると、AIが以下の項目を自動的に出力します。
📊 主張構造の分解
相手方の書面に含まれる主張を、「事実の主張」「法的解釈」「結論」といった種別ごとに構造化して整理します。各主張がどのような根拠(条文・証拠)に基づいているか、主張間の論理的な関係はどうなっているかを、ツリー状に可視化します。
長い書面であっても、主張の全体像をひと目で把握できるようになります。
⚔️ 反論ポイントの自動抽出
AIが相手方の各主張に対して、反論の切り口を自動的に提案します。事実関係の争い、法的解釈の相違、手続き上の問題など、反論の種別ごとに分類され、優先度(高・中・低)が付与されます。
ここでのポイントは、AILEXが事件に登録されている自分側の書面テキストも自動的に参照するということです。単に相手方書面だけを読むのではなく、すでに提出した自分の主張との整合性を踏まえた上で反論ポイントを導き出します。これにより、過去の主張と矛盾しない一貫した反論戦略を立てやすくなります。
🔍 引用判例のファクトチェック
相手方書面に引用されている判例を自動検出し、Perplexity APIを使ったファクトチェックを実行します。判例の実在性、引用の正確性、事案との関連性を検証し、結果を「✅ 正確」「⚠️ 要確認」として表示します。
相手方が判例を不正確に引用しているケースや、射程が異なる判例を援用しているケースを見逃さないための仕組みです。
📝 反論ドラフトの自動生成
分析結果を踏まえて、反論書面のドラフトを自動生成できます。「反論ドラフト生成」ボタンを押すと、主張構造の分解結果・反論ポイント・ファクトチェック結果を統合した上で、Claude APIが準備書面のドラフトを出力します。
もちろん、これはあくまで出発点です。AIが生成したドラフトをベースに、弁護士ご自身の視点で加筆・修正していくことで、書面作成のスタートラインが大きく前進します。
分析のフローと技術的な仕組み
相手方書面AI分析の処理は、以下の流れで進みます。
まず、入力された書面テキストに対してAILEXのPII自動マスキングが適用されます。相手方書面にも当事者の氏名や住所といった個人情報が含まれるため、外部API送信前にこれらをプレースホルダーに置換します。分析結果の返却時に元の情報に復元するため、弁護士が見る画面には正しい情報が表示されます。依頼者への同意説明は不要です。
マスキング後のテキストは、Claude APIに送信されます。AIは法的主張の構造分解、矛盾点の検出、弱点の分析を一括で実行します。同時に、事件に登録されている自分側の書面テキストもコンテキストとして自動収集され、AIに提供されます。
引用判例のファクトチェックには、Perplexity APIを使用します。判例番号を自動検出し、その判例が実在するか、引用内容が正確か、本件への射程が適切かを検証します。
分析結果はすべて事件に紐づいてデータベースに保存されるため、後から見返すことも、複数回の分析結果を比較することも可能です。
利用シーンの例
この機能が最も力を発揮するのは、複雑な事件で相手方から長文の準備書面が提出された場面です。
たとえば、損害賠償請求事件で相手方が20ページにわたる準備書面を提出してきた場合。これまでは、まず通読して全体像を把握し、ノートに要点を書き出し、反論の方針を考え、準備書面のドラフトに取りかかる――というプロセスに半日以上かかることもありました。
AILEXの相手方書面AI分析を使えば、書面のテキストを入力して分析を実行するだけで、数十秒のうちに主張構造の全体像と反論の切り口が提示されます。その上で反論ドラフトまで生成できるため、「ゼロから書き始める」のではなく「AIのドラフトを修正する」ところからスタートできます。
ほかにも、以下のような場面で活用できます。
- 答弁書の主張を分析し、こちらの訴状の弱点を事前に把握したいとき
- 相手方が大量の判例を引用してきた場合に、一つひとつの正確性を効率的に検証したいとき
- 若手弁護士が反論書面を起案する際の、構造的な思考の補助として
- 和解交渉に入る前に、相手方の主張の強弱を客観的に整理したいとき
AI事件分析との違い
AILEXにはすでに「AI事件分析」機能(関係図・請求構造・時系列・争点弱点の4タブ分析)が搭載されています。相手方書面AI分析との違いは、分析の対象と目的です。
AI事件分析は、事件全体の構造を俯瞰するための機能です。関係者の相関関係、請求権の構造、時系列の整理、事件全体の弱点を把握します。
これに対して相手方書面AI分析は、特定の書面一通に対する精密な読み解きに特化しています。相手方が「何を主張しているか」を構造化し、「どこを突けるか」を具体的に提案します。
両方を組み合わせて使うことで、事件の全体像の把握(AI事件分析)と、個別の書面への対応(相手方書面AI分析)を、AIの力で効率化できます。
ご利用方法
事件詳細ページのタブから「⚔️ 書面分析」をクリックしてください。書面のテキストを入力し、「分析開始」ボタンを押すだけで、分析が実行されます。
分析結果の画面から「反論ドラフト生成」ボタンを押せば、AIが分析内容を踏まえた反論書面のドラフトを出力します。
免責事項
本機能は弁護士の書面分析業務を支援するツールであり、法律相談や法的助言を提供するものではありません。AIの出力はすべてドラフト・参考資料としての位置づけであり、最終的な法的判断・訴訟戦略の決定は弁護士ご自身の責任において行ってください。引用判例のファクトチェック結果も参考情報であり、原典での確認をお勧めします。
今後のアップデート
AILEXでは、2026年5月の民事裁判IT化に向けて、訴訟実務の各フェーズを包括的に支援する機能を順次拡充しています。
相手方書面AI分析は、訴訟における「攻め」のフェーズ――すなわち、相手の主張を正確に理解し、的確な反論を構築するプロセスを支援する機能です。事件管理、文書管理、AI法律相談、ファクトチェック、タスク管理、そして書面分析。AILEXは訴訟実務のワークフロー全体を一つのプラットフォームに統合し、弁護士が本来の法律業務に集中できる環境を提供します。
ご要望・ご質問がありましたら、お気軽に info@ailex.co.jp までお問い合わせください。
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