公開日: 2026年2月
カテゴリ: 新機能リリース
著者: AILEX
記事内に掲載されている人名・事務所名・事件名等は全て架空のものです。
「先生、私の裁判は今どうなっていますか?」
弁護士であれば、依頼者からこの質問を受けた経験は数え切れないはずです。
事件は進行中で、次の期日も決まっていて、準備書面も提出済み。弁護士の頭の中ではすべてが整理されている。しかし、依頼者にとっては違います。裁判の進捗は弁護士から連絡がなければまったく見えません。不安が募り、電話やメールで問い合わせる。弁護士はその対応に時間を取られ、本来の業務に充てるべき集中力が削がれる――。
この問題は、小規模事務所ほど深刻です。専属の事務スタッフがいない1〜2名の事務所では、すべての連絡対応を弁護士自身が行わなければなりません。日弁連の調査によれば、弁護士の年間労働時間は平均2,321時間。その中で「依頼者への連絡・報告」に費やされる時間は、決して小さくありません。
今回、AILEXに依頼者ポータル機能を追加しました。依頼者が自分の事件の進捗を自分で確認でき、弁護士との文書共有やメッセージのやり取りもできる、セキュアな専用ページです。
依頼者ポータルとは

依頼者ポータルは、弁護士が依頼者に対して発行する専用URLのページです。
依頼者はこのURLにアクセスするだけで、自分の事件に関する情報を確認できます。AILEXのアカウント登録やログインは一切不要です。URLに含まれるトークンによって認証されるため、依頼者にとってはリンクをクリックするだけという、もっとも簡単な方法で事件の状況にアクセスできます。
ポータルで依頼者が確認できる内容は、以下の4つです。
📊 マイルストーン進捗バー
事件の進行状況を、視覚的な進捗バーで表示します。「訴状提出」「第1回口頭弁論」「証拠調べ」「和解協議」「判決」といったフェーズが並び、現在どの段階にあるかがひと目でわかります。
弁護士にとって当たり前の訴訟の流れも、依頼者にとっては未知の世界です。全体の中で「今ここにいる」ということが視覚的に伝わるだけで、依頼者の不安は大きく軽減されます。
📁 共有文書の閲覧・ダウンロード
弁護士が共有設定した文書を、依頼者がポータル上で閲覧・ダウンロードできます。訴状、準備書面、証拠書類、相手方からの書面など、依頼者に見せるべき文書を選択して公開できます。
重要なのは、弁護士が文書ごとに公開・非公開を個別に制御できるという点です。事件に登録されているすべての文書が自動的に公開されるわけではありません。依頼者に見せるべきものだけを、弁護士の判断で共有します。
💬 メッセージ機能
弁護士と依頼者の間で、ポータル上でメッセージを送受信できます。メールや電話ではなく、事件に紐づいた専用の通信手段として機能します。
やり取りの履歴がすべてポータル上に残るため、「あのとき何を伝えたか」「依頼者から何を聞いたか」を後から確認するのも簡単です。メールの受信箱を検索して過去のやり取りを探す手間がなくなります。
📋 事件概要の表示
事件番号、裁判所名、事件名といった基本情報が表示されます。依頼者が「自分の事件がどの裁判所で、どういう名前で進行しているか」をいつでも確認できます。
弁護士側の管理画面
依頼者ポータルの管理は、事件詳細ページの「🌐 ポータル」タブから行います。
招待トークンの発行
依頼者を選択して「トークン発行」ボタンを押すだけで、ポータルURLが生成されます。このURLを依頼者にメールやLINEで送れば、すぐにポータルを利用してもらえます。
トークンには有効期限を設定でき、不要になった場合はワンクリックで無効化できます。依頼者がポータルに最後にアクセスした日時も確認できるため、「ちゃんと見てくれているか」も把握できます。
マイルストーンのテンプレート初期化
マイルストーンは手動で一つずつ設定することもできますが、AILEXにはあらかじめ定型テンプレートが用意されています。「民事訴訟・原告側」「民事訴訟・被告側」など、事件類型に応じたフェーズの雛形をワンクリックで適用できます。
適用後は、個別のマイルストーンの名称変更や追加・削除も自由に行えます。
文書共有の制御
事件に登録されている文書の一覧から、依頼者に公開するものを個別に選択します。公開・非公開はいつでも切り替えられるため、準備書面の最終版ができるまでは非公開にしておき、完成後に公開する、といった運用も可能です。
なぜ「ログイン不要」なのか
依頼者ポータルの設計で最も重視したのは、依頼者にとっての使いやすさです。
法律事務所の依頼者の多くは、ITに詳しいわけではありません。「アカウントを作成してください」「パスワードを設定してください」というハードルがあるだけで、ポータルを使わなくなってしまう可能性があります。
AILEXの依頼者ポータルは、弁護士が発行したURLをクリックするだけでアクセスできます。アカウント登録もパスワードも不要です。URLに含まれる64文字のトークンが認証の役割を果たすため、セキュリティを維持しながら、もっとも低い導入障壁を実現しています。
もちろん、トークンの有効期限管理と無効化機能により、不要になったアクセス権はすぐに取り消せます。
どんな場面で活用できるか
依頼者ポータルは、以下のような場面で効果を発揮します。
まず、依頼者からの「今どうなっていますか?」という問い合わせの削減です。進捗バーと共有文書があれば、依頼者は自分で状況を確認できます。弁護士が電話やメールで同じ説明を繰り返す必要がなくなります。
次に、文書の受け渡しの効率化です。これまでメール添付や郵送で行っていた文書の共有が、ポータル上のワンクリックで完了します。「あの書面を送ってほしい」という依頼にも、ポータルで公開するだけで対応できます。
そして、依頼者満足度の向上です。依頼者にとって「自分の事件の情報にいつでもアクセスできる」という安心感は大きな価値があります。進捗が可視化されることで、弁護士への信頼感も高まります。事件終了後の紹介にもつながりうる、長期的な関係構築の基盤になります。
一人事務所の弁護士にとっては、「連絡対応の時間を減らしながら、依頼者の満足度は上げる」という、従来は両立しにくかった2つの目標を同時に達成する手段でもあります。
セキュリティについて
依頼者ポータルは、依頼者の個人情報や事件情報を扱う以上、セキュリティが最重要です。AILEXでは以下の対策を講じています。
認証には64文字のランダムHEXトークンを使用しており、推測による不正アクセスは実質的に不可能です。トークンには有効期限が設定され、期限切れのトークンではアクセスできません。弁護士はいつでもトークンを無効化でき、依頼者のアクセス日時も記録されています。
依頼者が閲覧できるのは、弁護士が明示的に「公開」に設定した文書のみです。事件に登録されている他の文書、AI分析結果、タスク情報、報酬情報などには一切アクセスできません。
ご利用方法
事件詳細ページのタブから「🌐 ポータル」をクリックし、依頼者を選択してトークンを発行してください。生成されたURLを依頼者にお伝えいただくだけで、すぐにご利用いただけます。
マイルストーンテンプレートの適用、文書の共有設定、メッセージの送信も、すべて同じポータル管理画面から操作できます。
免責事項
依頼者ポータルは弁護士と依頼者間のコミュニケーション支援ツールです。ポータル上の情報表示は、事件の正式な通知や法的助言を構成するものではありません。重要な事項については、弁護士から依頼者に対して直接ご説明ください。
今後のアップデート
AILEXでは、2026年5月の民事裁判IT化に向けて、訴訟実務の各フェーズを包括的に支援する機能を順次拡充しています。
依頼者ポータルは、弁護士の業務効率化と依頼者の満足度向上を同時に実現する機能です。事件管理、文書管理、AI法律相談、タスク管理、書面分析、そして依頼者ポータル。AILEXは弁護士の業務基盤を一つのプラットフォームに統合し、弁護士が法律業務に集中できる環境を提供します。
ご要望・ご質問がありましたら、お気軽に info@ailex.co.jp までお問い合わせください。
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