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督促手続オンラインシステム(督オン)2026年の変更点|郵便料不要・リモート署名・mintsとの公式比較

支払督促を扱う事務所にとって、2026年は変化の年です。改正民訴法の施行に合わせて督促手続オンラインシステム(督オン)の仕様が令和8年5月21日以降の事件から変わり、6月26日には申立用プログラムV6がリリース、令和8年7月からは法人の電子署名にリモート署名方式が加わりました。さらに7月24日には、支払督促の申立てが「書面・mints・督オン」の3ルートであることを整理した最高裁の公式比較表が案内されています。本記事では、督オン公式サイトの一次情報をもとに、2026年の変更点を時系列で整理し、mintsとの使い分けを実務目線で解説します(督オンの基本は督オンとmintsの違いの基本解説を参照)。

支払督促の申立ては「書面・mints・督オン」の3ルート

督オン公式サイトの2026年7月24日付お知らせは、支払督促の申立ては①書面、またはオンライン(②mints、③督促手続オンラインシステム)で行うことができると整理しています。ここで押さえるべきは、督オンは特定の申立類型(貸金、立替金、求償金、売買代金、通信料等)にしか使えない点です。請負代金(修理代金・工事代金を売掛金として請求する場合を含む)、給料、賃料、損害賠償、過払金などは督オンでは申し立てられず、mintsまたは書面で申し立てることになります。弁護士等の訴訟代理人には電子申立て義務がありますので、督オン非対応の類型は事実上mintsでの申立てになります。

最高裁公式「mintsと督オンの主な違い」

同じお知らせからリンクされている比較表(令和8年5月20日作成)の要点は次のとおりです。

項目mints督オン
事件類型限定なし特定の類型に限る
必要なものPC、PC用メールアドレスWindows PC(専用アプリケーションをインストール可能なもの)、【個人】マイナンバーカードとICカードリーダー、【法人】電子証明書
利用可能時間24時間365日(毎月最終土曜日2:00〜10:00を除く)平日9:00〜17:00(土日祝・12月29日〜1月3日を除く)
一括申立て申立書PDFは事件ごとに作成が必要【法人】複数申立用インタフェースで1つのファイルから一括申立て(1度に最大300件)
申立先裁判所相手方住所地を管轄する簡易裁判所東京簡易裁判所

比較表の注記によれば、督促手続では裁判所に出頭する必要がなく、相手方から異議が出て訴訟に移行した場合の訴訟手続は「相手方住所地を管轄する裁判所」が担当します。督オンは大量・定型の債権回収に、mintsは類型を問わない個別事件に向いた設計です。

令和8年5月21日以降の変更点(督オン側)

督オン公式サイトの2026年5月20日付お知らせと「令和8年5月21日以降の主な変更点」資料によれば、同日以降に支払督促を申し立てた事件について次の変更があります。

  • 郵便料(保管金)が手数料に一本化:これまで別々に納付していた郵便料(保管金)の納付が不要になります。同日以降に債権者登録をする場合は、還付金振込先金融機関の設定も不要です。
  • 送達証明書の添付が不要に:仮執行宣言付支払督促に基づく強制執行の申立てで送達証明書の添付が不要となり、これらの事件では督オンの「送達証明書等交付申請」機能が利用できません。
  • 承継執行文等の手数料は収入印紙で納付できない:書面で申請する際は申請書に収入印紙を貼らずに提出し、裁判所から連絡されるペイジーの納付情報で納付します。

注意すべき経過措置として、令和8年5月20日以前に申し立てた事件は、その後の仮執行宣言の申立て等が同日以降であっても、従前どおり郵便料(保管金)の納付が必要で、送達証明申請も従前どおり利用でき、承継執行文等の申請には収入印紙を貼付します。旧法事件と新法事件の見分けは申立日基準です(旧法事件と新法事件の併存)。

2026年6月26日:申立用プログラムV6のリリース

リモート署名に対応した新しい申立用プログラム(V6)が2026年6月26日にリリースされました。ダウンロード時に「一般的にダウンロードされていません」というブラウザの警告が表示される場合があり、公式サイトがその手順を案内しています。旧バージョン(V5)も引き続き利用できますので、慌てて入れ替える必要はありませんが、リモート署名を使う法人はV6が前提です。

令和8年7月〜:法人のリモート署名方式が利用可能に

法人の電子署名の方式として、令和8年7月からリモート署名方式が利用可能になりました(具体的な開始日は法務省ホームページで公開)。リモート署名用の電子証明書を取得するには、事前にGビズIDのアカウントを取得したうえで、商業登記電子認証ポータルから取得します。あわせて重要なのが、法務省が無料提供していた「商業登記電子認証ソフト」の提供とサポートが停止される点です。従来のPKCS#12形式(拡張子.p12)の電子証明書ファイルを使い続ける場合は、市販の専用ソフトウェアが必要になります。督オンを継続利用している法人顧問先には、GビズIDの取得とリモート署名への切替えを早めに案内しておくとよいでしょう。

督促異議が出たら──訴訟移行後はmintsの世界へ

相手方から督促異議が出ると、事件は相手方住所地を管轄する裁判所の訴訟手続に移行します。移行後は通常の民事訴訟ですので、訴訟代理人には改正民訴法に基づくmintsでの電子提出義務が及びます。準備の手引(令和8年6月19日版)の提出場所対応表では、督促異議の申立て自体について、電子支払督促の送達時に招待キーを交付された債務者が事件情報の記録一覧(ファイル種別「主張」)に提出することも可能と整理されています。また、督オンで発付された仮執行宣言付電子支払督促に基づいて強制執行を申し立てる場合に督促異議が出ていたときは、事件特定情報提供書面に訴訟移行後の第1審の裁判所名・事件番号を記載します(事件特定情報提供書面の書き方)。

問い合わせ先も別

督オンで申し立てた事件に関する個別の問い合わせは東京簡易裁判所民事第7室(03-5819-0375)、サイトの運営や一般的な操作方法・技術的な問題は最高裁判所事務総局民事局第一課(03-5215-2630)が窓口です(受付時間は公式サイト参照)。mintsの窓口とは異なりますので、混同しないようにしてください(mintsの問い合わせ先まとめ)。

問題は「2つのシステムの変更点を別々に追う」負担

督オンとmintsは運営主体こそ同じ裁判所ですが、お知らせの場所も改訂のタイミングも別です。督オン側の保管金一本化やリモート署名のような変更は、mintsの資料を見ていても気づけません。支払督促を月に何件も扱う事務所では、督オン公式サイトの「お知らせ」を月初に確認する担当を決め、変更点を事務所の手順書に反映する運用が必要です。

AILEXなら本案訴訟に移行しても事件情報がつながる

AILEX(エーアイレックス)は、督オンやmintsの外部APIを利用するものではなく、mints準拠のPDF・CSV・テキストを生成して弁護士自身がアップロードする設計です。だからこそ、支払督促から訴訟に移行した事件でも、事件管理に登録した当事者情報や請求内容をそのまま訴状フォーム用テキストや証拠説明書の生成に引き継げます。裁判手数料計算ツールは訴額と審級から手数料を即座に算出し、AIスケジュール管理が期日と提出期限をリマインドします。督オンとmintsの二重運用で増えた確認作業を、事務所の仕組みとして吸収するために、AILEXを無料でお試しください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。個別の事案については弁護士にご相談ください。
運営:AILEX合同会社(エーアイレックス)|顧問弁護士事務所:弁護士法人えそら

よくある質問

支払督促はmintsと督オンのどちらで申し立てますか?

督オンは貸金・立替金・求償金・売買代金・通信料等の特定類型に限られ、請負代金・給料・賃料・損害賠償・過払金などは対象外です。対象外の類型はmintsまたは書面で申し立てます。督オンは東京簡裁への申立てで法人の一括申立てに向き、mintsは相手方住所地を管轄する簡裁への申立てで類型の限定がありません。

2026年5月21日以降、督オンの郵便料(保管金)はどうなりましたか?

同日以降に支払督促を申し立てた事件では郵便料(保管金)が手数料に一本化され、別途の納付は不要です。ただし同日より前に申し立てた事件は、その後の仮執行宣言の申立て等が同日以降でも従前どおり郵便料(保管金)の納付が必要です。

督オンのリモート署名とは何ですか?

令和8年7月から利用可能になった法人の電子署名方式で、GビズIDアカウントを取得したうえで商業登記電子認証ポータルからリモート署名用の電子証明書を取得します。これに伴い法務省の無料「商業登記電子認証ソフト」の提供・サポートは停止され、従来の.p12形式を使う場合は市販ソフトが必要です。

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