裁判所別mintsの運用ルール差異|知財高裁・東京地裁・大阪地裁の独自ガイドライン
裁判所間でなぜ運用ルールが違うのか
mintsは全国の裁判所で同一のシステムを使用していますが、各裁判所が独自に定める運用ルール・ガイドラインによって実務上の扱いが異なります。この差異を把握しておかないと、「他の裁判所ではできたのに」というトラブルが生じることがあります。
知的財産高等裁判所:最も先進的な運用
知財高裁は2022年6月28日からmints運用を開始しており、最も詳細なガイドラインを公開しています。
知財高裁独自のルール(主要なもの)
- Word/Excelの参考書面アップロード推奨:正式PDFを「主張書面」タブに提出するとともに、Word/Excelの原本を「参考書面」タブにもアップロードすることを推奨(裁判官の争点整理・判決起案の省力化のため)
- 大量書証の事前問合せ要請:「大量の書証をmintsで提出する前に担当部にお問合せください」と明記
- 閲覧制限書面の取扱い:閲覧等制限の申立てはmintsでは対応不可で書面(紙)で行う旨を明示
地方裁判所の実態:義務化前の温度差
大阪弁護士協同組合のブログ(2024年時点の調査)によると、裁判所側から積極的にmints利用を提案するケースは少なかったという報告があります。訴状表紙にmints IDを記載しても裁判所から提案がなかった例、利用希望の場合に弁護士側から上申書を提出する必要があったケースなども報告されています。
ただしこれは義務化前(2026年5月21日以前)の状況です。義務化後は弁護士によるmints利用が原則となるため、裁判所側の対応も大きく変わる見込みです。
カラー印刷対応の裁判所差異
mintsで提出する書面の原則は白黒PDFです。裁判所にカラー印刷機がないことが多いためです。ただし「裁判所においてカラー印刷ができる場合には別」とされており、各裁判所への個別確認が必須です。
| 状況 | 対応方法 |
|---|---|
| 白黒で問題ない書証 | グレースケールPDFでmintsアップロード |
| カラーが必要・カラー対応裁判所 | カラーPDFでmintsアップロード(事前確認が必要) |
| カラーが必要・カラー非対応裁判所 | 従来通り紙(カラー印刷)で持参・郵送 |
知財事件(商標権・不正競争防止法など)ではカラー書証が必須のケースが多く、担当裁判所のカラー対応可否を必ず確認してください。
東京地裁・大阪地裁の特徴
東京地裁
東京弁護士会のLIBRA 2026年3月号で「mints利用義務化を前に」特集記事が掲載され、東京地裁裁判部企画官が執筆しています。東京地裁では義務化に向けた準備が最も進んでいます。
大阪地裁
大阪弁護士会・大阪弁護士協同組合が積極的にmints研修・情報提供を実施しています。大阪地裁でも義務化後の運用体制が整備されてきています。
義務化後の裁判所間差異はどう変わるか
2026年5月21日の義務化により、裁判所間の基本的な運用差異は大幅に縮小される見込みです。しかし書記官の対応スピードの差や知財高裁のような独自詳細ガイドラインの有無は義務化後も残る可能性があります。
担当する裁判所の最新ガイドラインを常に確認することが重要です。
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