mints・RoootS・TreeeSの違いを徹底解説【3システムの関係図】
3つのシステムの全体像
最高裁判所が推進する民事裁判のデジタル化では、mints・RoootS・TreeeSという3つのシステムが段階的に開発・導入されています。それぞれ対象ユーザーと役割が異なります。
| システム | 略称の意味 | 対象ユーザー | 主な機能 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| mints | 民事裁判書類電子提出システム | 弁護士・当事者 | 書類の電子提出・受領・電子送達・電子納付 | 運用中。2026年5月義務化 |
| RoootS | (非公開) | 裁判所職員 | 事件管理・記録管理・期日管理 | 2024年7月導入開始 |
| TreeeS | Trial e-filing e-case management e-court Systems | 弁護士・当事者・裁判所 | e提出+e事件管理+e法廷の統合 | 2027〜2028年度導入見込み |
mintsとは(弁護士が使うシステム)
mintsは弁護士・司法書士・一般当事者が裁判書類を裁判所に電子提出するための窓口です。令和2年度(2020年)から開発が始まり、2022年2月の試行運用を経て、2023年11月に全国全裁判所で本格運用が開始されました。2025年7月には全国全簡易裁判所でも運用が始まっています。
mintsは「フェーズ3の先行実施」と位置づけられており、現行民訴法132条の10に基づく仕組みです。あくまで暫定システムであり、TreeeS完成後は移行が予定されています。
RoootSとは(裁判所職員が使うシステム)
RoootSは裁判所の書記官・裁判官が使う事件管理システムです。これまで紙とシステムが混在していた裁判所内部の業務をデジタル化します。令和4年度(2022年)から開発が始まり、2024年7月に先行裁判所での導入が開始されました。ただし総合テストでバグが多発し、当初の計画より遅延した経緯があります。
弁護士がRoootSを直接操作することはありませんが、mintsとRoootSは「疎結合」で連携しており、弁護士がmintsで提出した書類は自動的にRoootSで管理されます。
TreeeSとは(次世代統合システム)
TreeeSは「Trial e-filing e-case management e-court Systems」の略で、mintsの後継にあたる次世代統合システムです。令和5年度(2023年)4月から開発が開始されており、2027〜2028年度の導入が見込まれています。
TreeeSではmintsの「書類提出」機能に加え、電子法廷(ウェブ会議)・事件記録の完全電子化・AIを活用した書類検索等の機能が統合される予定です。最高裁は3年間の国庫債務負担行為でTreeeS開発の予算を確保しています。
弁護士が知っておくべきこと
現在(2026年3月)の段階では、弁護士が使うのはmintsのみです。TreeeSが完成するまでの間、mintsでの電子提出が義務となります。TreeeS移行後はmintsのデータが引き継がれる予定ですが、詳細は未確定です。
重要なのは「TreeeSが来るから今はmintsを学ばなくていい」という判断は誤りだということです。2026年5月21日の義務化はTreeeSの完成を待たずに施行されます。