mints義務化2026年5月21日から何が変わるか【弁護士必読】

2026年5月21日に何が変わるか
2022年に成立した改正民事訴訟法が、2026年5月21日に全面施行されました。これにより民事訴訟手続きに「3つのe」が導入されます。
| 変更内容 | 施行前 | 施行後 |
|---|---|---|
| e提出 | 紙・FAX・持参も可 | 弁護士は原則mints経由のみ |
| e送達 | 特別送達(郵便) | mintsへの電子送達が原則 |
| e納付 | 収入印紙 | ペイジーによる電子納付(訴え提起の手数料は電子申立てのほうが低い) |
変更点①:電子提出の義務化
改正民訴法第132条の11第1項第1号により、弁護士等の訴訟代理人は書面等をmintsで提出しなければならないとされます。対象は準備書面・証拠・証拠説明書・申立書・訴状等、民事訴訟手続きで提出するすべての書類です。
紙提出すると「原則として不適法」
裁判所の「準備の手引」は、電子申立ての義務があるのに書面で訴えを提起した場合、原則としてその訴えは不適法になるとしています。補正で救済されることを前提にはできず、電子で申し立て直すまでに時効が完成するおそれがあります。窓口で受け付けられた時点で収入印紙が消印され返還されない可能性もあります。
特に危険なのは消滅時効間際の案件です。紙提出→不適法却下→時効完成→権利消滅という回復不能な事故に発展しかねません。
例外が認められるケース
裁判所のシステム障害や大規模な通信障害など、責めに帰することができない事由で電子提出できない場合に限り、紙提出が例外的に認められます(民訴法 第132条の11第3項)。次のような事情は、原則として例外に当たらないと考えられます。
- パソコンの故障(他の端末や裁判所設置の端末の利用が求められるため)
- ITが苦手
- アカウント登録を忘れていた
変更点②:電子送達(システム送達)
弁護士はmintsによる電子送達を受ける旨の届出が義務となります。拒否することはできません。電子送達の効力は、次の3つのうち最も早い時点で発生します。
- 送達対象書類を閲覧した時
- 同書類をダウンロードした時
- 通知が発せられた日から1週間が経過した時
「1週間ルール」が特に危険です。メールの見落としや出張中でも、原則として通知から1週間で送達の効力が生じます(責めに帰することができない事由で閲覧できない期間は算入しない定めがありますが、個別の判断です。民訴法 第109条の3第2項)。判決の送達であれば、その翌日から控訴期間(2週間)のカウントが始まります。
変更点③:電子納付(ペイジー)
手数料の納付がペイジーによるオンライン納付に変わります。収入印紙の購入・貼付・消印という作業が不要になるため、手続きが大幅に簡略化されます。また訴えの提起では、電子申立ての手数料が書面より1,100円低く設定されています(差額は手続によって異なります)。
今すぐやるべき3つのこと
- mintsアカウントを登録する(未登録の場合。裁判所への申請が必要)
- 補助者アカウントを設定する(事務員がいる場合)
- PDF提出のワークフローを整備する(変換・証拠番号付記・ファイル名規則)
よくある質問
いつからmintsが義務化されるのか?
2026年5月21日に施行済みです。地方裁判所・簡易裁判所・高等裁判所の民事訴訟について、委任を受けた訴訟代理人はmintsでの電子提出が義務となりました。家庭裁判所の人事訴訟・家事事件は対象外です。
mints義務化の対象となるのは誰ですか?
民事訴訟法132条の11第1項により、委任を受けた訴訟代理人、国の指定代理人、地方公共団体の委任職員代理人が対象です。本人訴訟の当事者本人には義務がなく、従来どおり紙で提出することもできます。
義務化されても紙で提出できる場合はありますか?
あります。民事訴訟法132条の11第3項により、裁判所の電子計算機の故障など自らの責めに帰することができない事由で電子提出できない場合は書面提出が可能です。ただし代理人側のPCや回線の故障は、他の端末を使えることなどから、原則としてこれに当たらないと考えられます。
制度・操作仕様は変更される場合があります。記事の出典と裁判所の最新資料を併せて確認してください。