mintsとは何か?弁護士が知るべき民事裁判書類電子提出システムの全容
mintsとは
mints(ミンツ)は「MINji saibansyorui denshi Teisyutsu System」の略称で、民事裁判書類を裁判所にオンラインで提出するためのWebシステムです。最高裁判所が開発し、システム構築は株式会社NTTデータが担当、インフラはISMAP認証済みのMicrosoft Azure上に構築されています。
「mint(ミント)」のさわやかな語感も意識して命名されたとされており、弁護士・司法書士・一般当事者が24時間いつでも裁判書類を電子提出できる環境を実現します。
なぜmintsが必要なのか
日本の民事裁判はこれまで、書面を裁判所に持参・郵送・FAXするという紙中心の運用でした。しかし令和4年(2022年)の民事訴訟法改正により、裁判手続きのデジタル化が法定されました。mintsはその中核システムとして位置づけられています。
改正民訴法第132条の11は、弁護士等の訴訟代理人に対し電子提出を義務付けており、2026年5月21日の全面施行後は、弁護士が紙で書類を提出することが原則として不可能になります。
mintsの主な機能
提出・受領機能
- PDFファイルのアップロードによる書面・証拠の提出
- 新規申立て(訴状の提出)フォーム
- 提出前プレビュー機能(確定後は変更不可)
- 受領書の作成・提出
- 相手方・裁判所からの書面ダウンロード
送達・納付機能
- 電子送達(システム送達)
- 電子納付(ペイジー)—— 収納機関番号・納付番号・確認番号で納付
- 多段階リマインド通知(納付期限の14日前・7日前・2日前・1日前・当日)
アカウント管理
- 補助者アカウント(1弁護士あたり最大5名の事務職員)
- 招待キー機能(被告代理人の応訴時に12桁のキーで事件に関連付け)
- 第三者アクセスキー(文書送付嘱託先などがファイルをアップロード可能)
mintsの動作環境
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| OS | Windows 10(32bit/64bit)またはWindows 11 |
| ブラウザ | Microsoft Edge 110以上、Google Chrome 110以上 |
| 通信 | HTTPS(TLS 1.2以上) |
| 電子証明書 | 不要(二要素認証で代替) |
なお、海外からのアクセスは遮断されています。海外出張中の提出は代理人への委任か帰国後の対応が必要です。
mintsとRoootS・TreeeSの関係
最高裁が開発中の3システムの位置づけを理解しておく必要があります。
| システム | 用途 | 状況 |
|---|---|---|
| mints | e提出(弁護士・当事者向け) | 運用中。2026年5月義務化 |
| RoootS | e事件管理(裁判所職員向け) | 2024年7月導入開始 |
| TreeeS | e提出+e法廷+e事件管理(統合) | 2027〜2028年度導入見込み |
mintsはTreeeSが完成するまでの暫定システムですが、義務化の期限は変わりません。TreeeS移行後もmintで提出したデータは引き継がれます。
弁護士の準備状況(2026年3月時点)
AILEXの調査によると、弁護士の65.5%がmintsを一度も使ったことがないという実態があります。全弁護士約47,000人中、アカウント未登録者は約17,000人(約36%)にのぼります。義務化まで残り時間がほとんどない中、今すぐ準備を始めることが不可欠です。