mints提出の「あと一歩」を埋める
4つの新機能
50MBの壁、受領書の手作業、操作方法の不安、秘密情報の見落とし——
電子提出義務化を前に、弁護士が抱える「小さな、しかし致命的な」実務課題を解決します。
2026年5月21日——改正民事訴訟法が全面施行され、弁護士による裁判書類の電子提出が義務化されます。「パソコンが苦手」は免責事由になりません。全国約4万7千人の弁護士全員に影響する、1996年の民事訴訟法全面改正以来、最大の変革です。
AILEXは2026年2月のリリースで、AI証拠説明書自動生成やAI提出前チェックなど6つのAI強化機能を搭載したmints提出パッケージ機能を提供しました。おかげさまでパイロット利用中の弁護士から多くのフィードバックをいただく中で、「パッケージは完璧に作れた。でもそこからmintsに実際に提出するまでの間に、まだ不安がある」という声が複数寄せられました。
今回追加した4つの新機能は、その「あと一歩」を埋めるものです。
なぜ「あと一歩」が必要なのか
AILEXの既存mints機能は、訴訟資料のPDF化・証拠番号付与・証拠説明書のAI自動生成・フォームテキストの事前作成など、「提出パッケージの作成」を自動化します。しかし弁護士の実務では、パッケージ作成から実際のmints提出までの間に、いくつかのハードルが存在します。
| 課題 | 影響 | 従来の対応 |
|---|---|---|
| 50MBのアップロード制限 | 医療記録・不動産鑑定書・音声証拠で頻繁に超過 | 手動でPDFを分割、枝番号を手作業で付与 |
| 受領書の作成 | 相手方書面の受領時に裁判所へ提出が必要 | Wordで毎回手作業で作成 |
| mints操作方法の習得 | 65.5%が未使用。操作動画は散在 | 個別にYouTubeを検索、同僚に聞く |
| 秘密情報の見落とし | 電子化で訴訟記録が誰でも閲覧可能に | 弁護士が目視で全文確認 |
今回の4機能は、これらの課題すべてに対応しています。1つずつ詳しくご説明します。
mintsの1回のアップロード合計上限は50MBです。通常の訴状や準備書面では問題になりませんが、医療記録、不動産鑑定評価書、現場写真集、録音データ(MP3)など、大容量の証拠を扱う事件では、この制限が実務上の大きな壁になります。
本機能は、事件に登録された全文書をスキャンし、50MBを超えるファイルを自動検出します。検出されたファイルに対して、ファイル形式ごとに最適な分割方法を提案・実行します。
ファイル形式ごとの対応
| 形式 | 分割方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| ページ単位の自動分割 | 各45MB以下に収まるようページを自動配分 | |
| MP3 | フレーム境界での分割 | MP3フレームヘッダ(0xFF同期)を検出し、再生品質を維持 |
| MP4 / MOV | ガイド付き手動分割 | ffmpegコマンドを自動生成し手順を提示 |
分割後のファイルには、裁判実務の慣例に従い枝番号が自動付与されます。例えば「甲第10号証」を3分割すると「甲第10号証の1」「甲第10号証の2」「甲第10号証の3」となり、各分割ファイルの先頭に識別用の表紙PDFが自動生成されます。証拠説明書への注記テキストも自動で作成されるため、分割作業に伴う事務負担を最小限に抑えます。
mintsでは、相手方が提出した書面を受領した際、受領書を作成して提出する運用があります。これまで受領書はWordで毎回手作業で作成されており、日付の和暦変換、書面名の正確な転記、裁判所名の記載など、定型的ではあるものの手間のかかる作業でした。
本機能では、対象書面を選択し、裁判所名と弁護士名を入力するだけで、受領書PDFが自動生成されます。
主な特徴
複数の書面をまとめて1通の受領書に一括生成できます。日付は和暦(令和)に自動変換されます。事件番号や裁判所名は案件データから自動入力されるため、入力の手間はほとんどありません。生成した受領書は履歴管理されるため、いつ、どの書面について受領書を作成したかを後から確認できます。PDF出力にはAILEX内蔵のPDFエンジンを使用しており、外部ライブラリへの依存はありません。
弁護士の65.5%がmintsを未使用という現状は、「使いたくない」のではなく「使い方がわからない」「情報がどこにあるかわからない」ことが大きな原因です。裁判所はYouTubeで操作説明動画を公開し、FAQやマニュアルも整備していますが、それらは複数のサイトやPDFに分散しています。
本機能は、mintsに関する公式情報を1か所に集約しました。
裁判所公式動画 — 全13本をカテゴリ別に整理
| カテゴリ | 動画数 | 内容 |
|---|---|---|
| 🔰 はじめてのmints | 2本 | サインアップ方法、招待メールからの登録 |
| 📤 書面の提出 | 5本 | アップロード方法、新規申立て(3本構成) |
| 📥 記録の閲覧 | 3本 | ダウンロード方法、受領書の操作、記録一覧 |
| 🆕 フェーズ3新機能 | 3本 | 電子申立て、電子納付(ペイジー)、電子送達 |
動画はすべて裁判所公式YouTubeチャンネル「Courts in Japan」へのリンクであり、AILEXが独自に作成した動画ではありません。加えて、裁判所公式FAQ、操作マニュアル、フェーズ3向け準備資料など7つの公式リンクと、「ファイルアップロードがエラーになる」「パスワード付きPDFを提出したい」などのよくあるトラブル6項目をまとめています。
さらに、AILEXでパッケージを生成した後には、パッケージの内容(主張書面の数、書証の数、当事者CSVの有無など)に応じて、mintsでの具体的な操作手順がステップ形式で自動表示されます。「次に何をすればいいか」が常にわかる設計です。
改正民事訴訟法第91条の2により、電子化された訴訟記録は原則として何人も閲覧を請求できるようになります。これは訴訟の透明性を高める重要な制度ですが、同時に新たなリスクも生じます。
マイナンバー、銀行口座番号、DV被害者の住所、未成年者の氏名など、閲覧制限の申立て(改正民訴法第92条)が必要な情報が含まれたまま提出された場合、取り返しのつかない事態になりかねません。紙の時代には物理的に閲覧が制限されていた情報が、電子化によって広くアクセス可能になるためです。
設計方針:完全ローカル実行・PII非送信
本機能の最も重要な特徴は、すべての処理がAILEXサーバー内で完結することです。外部AIサービスへのデータ送信は一切行いません。これは弁護士の守秘義務(弁護士法第23条)に対する最大限の配慮です。また、検出結果には該当情報の原文を含めず、検出カテゴリとページ位置のみを表示します。弁護士が画面を共有している場面でも、秘密情報が漏洩するリスクはありません。
検出対象 — 8カテゴリ
| カテゴリ | 検出方法 | 重要度 |
|---|---|---|
| マイナンバー | 12桁パターン+チェックデジット検証 | 🚨 緊急 |
| クレジットカード番号 | 16桁パターン+Luhnアルゴリズム検証 | 🚨 緊急 |
| 銀行口座情報 | 金融機関名+口座番号パターン | ⚠️ 警告 |
| 医療情報 | 疾病名・診断名等20以上のキーワード | ⚠️ 警告 |
| DV・虐待情報 | 保護命令・シェルター等のキーワード | 🚨 緊急 |
| 性的被害情報 | 性的暴行・わいせつ等のキーワード | 🚨 緊急 |
| 営業秘密 | 秘密保持・NDA等のマーカー | ℹ️ 情報 |
| 未成年者情報 | 未成年キーワード+住所・学校名の組合せ | 🚨 緊急 |
設計思想として「見落とすよりも過検出の方が安全」という原則を採用しています。本機能はあくまで補助ツールであり、閲覧制限の要否は弁護士が最終判断を行ってください。検出結果から、改正民訴法第92条に基づく閲覧制限の申立てが必要と判断された場合は、mintsでのアップロード時に「閲覧等制限」を選択し、閲覧制限申立書を別途提出してください。
AILEXのmints対応機能 — 計10機能
今回の4機能追加により、AILEXのmints関連機能は合計10機能となりました。AI強化機能とユーティリティ機能を組み合わせ、mints提出に関わる業務を包括的にカバーします。
mints義務化タイムライン
今後の展望 — TreeeSへの移行とAILEX
最高裁判所は当初、次世代システム「TreeeS」(Trial e-filing e-case management e-court Systems)を開発していましたが、開発遅延により方針が転換されました。2026年5月の全面施行は既存mintsの改修版で対応し、TreeeSの本格導入は2027〜2028年度に後ろ倒しとなっています。
これは弁護士にとって、mints改修版への対応と、その後のTreeeSへの移行という二段階の移行が必要になることを意味します。AILEXは、この「二重移行問題」を吸収するレイヤーとして機能します。AILEXのmints対応は特定のAPIやシステムに依存しない設計であるため、裏側のシステムが変わっても、弁護士はAILEXの同じ画面から提出業務を続けられます。
AILEXは「AILEXだけ入れればmints対応が完了する」という明確な価値を目指し、mints対応を含む統合的な訴訟支援プラットフォームとして進化を続けます。
施行まで残り約3か月。
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AILEXは、小規模法律事務所の民事裁判IT化を支援します。
