※ 画像内や文書中に登場する事件や名称は、当該機能説明用にサンプルで作成した架空のものです。
公開日: 2026年2月
カテゴリ: 機能紹介 / 民事裁判IT化
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2026年5月21日、改正民事訴訟法が全面施行され、弁護士による裁判書類の電子提出が義務化されます。
裁判所の電子提出システム「mints」の利用は、もはや選択肢ではなく義務です。しかし、弁護士ドットコムの2024年調査によれば、弁護士の65.5%がmintsを一度も使ったことがないという衝撃的なデータがあります。mints登録率も約64%にとどまり、施行まで残り約3か月の今、多くの先生方が不安を抱えているのではないでしょうか。
AILEXは、この課題に正面から向き合うためにmints提出パッケージ機能を6つのAIで強化しました。証拠説明書の自動生成から提出前の整合性チェック、期限管理まで、裁判書類の電子提出に必要な作業をAIが包括的にサポートします。
本記事では、mints制度の最新動向と合わせて、AILEXの新機能を詳しくご紹介します。
そもそもmintsとは何か — 改正民事訴訟法と電子提出義務化の全体像
3つのフェーズで進む民事裁判IT化
民事裁判のIT化は「3つのe」(e-Filing、e-Case Management、e-Court)を柱に段階的に進められてきました。mintsは最高裁判所が開発・運営する民事裁判書類電子提出システムで、Microsoft Azure上にReact.jsで構築されたWebアプリケーションです。
2022年4月に甲府・大津の地裁で運用が始まり、2023年11月には全国の地裁に展開、2025年7月には全国の簡易裁判所にまで拡大しました。そして2025年10月25日のアップデートで、新規申立て機能・電子送達機能・記録一覧機能・電子納付機能(ペイジー)が追加されています。
2026年5月21日に何が変わるのか
改正民事訴訟法第132条の11により、弁護士等の訴訟代理人には電子提出が義務化されます。「パソコンが苦手」は免責事由になりません。裁判所のシステム障害等の例外事由がない限り、紙での提出は認められなくなります。
ただし、本人訴訟(弁護士なし)の場合は引き続き書面提出が可能であり、施行後に提起された訴えにのみ適用される点は留意が必要です。
mintsの提出要件 — 実務上のハードル
mintsにはいくつかの技術的な要件があり、これが実務上のハードルとなっています。
主張書面・書証・証拠説明書はPDF形式(A4またはA3)のみで受理されます。書証には通番を付し、各PDFの右上に証拠番号を表記しなければなりません。新規申立てでは、mintsのフォームに「申立ての趣旨」を400字以内、「請求の原因」を10,000字以内で入力する必要があります。当事者・代理人が合計10名を超える場合はCSVファイルでの提出も求められます。
さらに、1回のアップロード容量上限は50MB、ファイル名は50文字以内、パスワード付きPDFはアップロード不可など、細かなルールが多数存在します。
これらの要件を手作業で一つひとつ確認しながら準備するのは、特に1〜5名規模の小規模事務所にとって大きな負担です。
競合不在の市場 — なぜmints対応AIツールが存在しないのか
AILEXが調査した結果、mints対応の訴訟支援AIツールは市場に存在しません。
弁護士ドットコム(クラウドサイン)、LegalOn Technologies(LegalForce)、LAWGUE、GVA TECH(OLGA)、MNTSQなど主要リーガルテック各社は、いずれも企業法務・契約管理に注力しています。案件管理ツール(LEALA、Firmee、Trustice等)もmints連携は実現していません。
この市場空白の背景には、mintsの外部APIが非公開であるという事情があります。mintsは閉じたWebアプリケーションとして提供されており、外部システムとのプログラム的な連携を前提とした技術仕様は公開されていません。一部の法律事務所管理ソフトがmintsとの「連携」を謳っていますが、これはPDFファイルの作成・整理の効率化にとどまり、APIレベルの直接連携ではありません。
AILEXは、API連携を待つのではなく、ワークフローレベルでの最適化というアプローチを取りました。mints対応PDFの出力、証拠番号の自動付与、フォーム入力テキストの事前作成、そしてそのすべてをAIで強化する——これが今回の6つのAI機能です。
AILEXのmints AI強化 — 6つの新機能
機能1:AI証拠説明書自動生成
解決する課題: 証拠説明書の作成は、訴訟実務の中でも特に時間がかかる作業です。号証ごとに「標目」「原本/写しの別」「作成者」「作成日」「立証趣旨」を記載する必要があり、証拠が10件、20件と増えるにつれ、手作業での作成は膨大な時間を要します。
AILEXの解決策: AIが事件に登録された各証拠文書のOCRテキストを分析し、証拠説明書の全フィールドを自動補完します。
具体的には、各証拠のテキスト内容から、作成者(誰が書いた文書か)、作成日(いつ書かれたものか)、そして最も重要な「立証趣旨」(この証拠で何を証明するのか)をAIが推定して記載します。弁護士が手動で入力済みの項目は尊重され、空欄のフィールドのみが自動補完されるため、すでに作業を進めている証拠についても安心です。
生成された証拠説明書は、mintsの要件に準拠したPDF形式で自動出力されます。テーブルのヘッダーには「号証」「標目(書類の表示)」「原本/写し」「作成者」「作成日」「立証趣旨」の6列が配置され、ページ跨ぎの際にはヘッダーが自動で再描画されます。
実務上のポイント: AIによる自動生成は「たたき台」としての位置付けです。立証趣旨は訴訟戦略に直結するため、最終的な内容の確認・修正は必ず弁護士が行ってください。AIが生成した内容をそのまま提出するのではなく、弁護士の専門的判断に基づいて適宜調整することで、より実効性の高い証拠説明書に仕上がります。
機能2:mintsフォーム入力テキストのAI生成
解決する課題: mintsでの新規申立てには、「申立ての趣旨」(400字以内)と「請求の原因」(10,000字以内)をフォームに直接入力する必要があります。訴状のPDFは別途添付できますが、このフォーム入力欄にも適切な内容を記載しなければなりません。
既に訴状を作成済みの場合、訴状全文から400字・10,000字に要約・再構成する作業は意外と手間がかかります。文字数制限を意識しながら法律文書としての正確性を保つのは、単純なコピペではうまくいきません。
AILEXの解決策: AIが事件に登録された訴状・準備書面のテキストを分析し、mintsのフォーム入力に最適化されたテキストを自動生成します。
「申立ての趣旨」は、「被告は原告に対し、金○○円を支払え」のような請求の趣旨形式で400字以内に要約されます。「請求の原因」は、時系列・法的根拠・争点を構造化した形で10,000字以内にまとめられます。
生成されたテキストには文字数カウントが付与され、制限を超過している場合には警告が表示されます。テキストファイルとしてZIPパッケージに同梱されるため、mintsのフォーム入力時にそのままコピー&ペーストで利用できます。
実務上のポイント: AIが「申立ての趣旨」と「請求の原因」を生成する場合、それはあくまで事件に登録された書面の内容に基づく要約・再構成です。弁護士が書面に記載した内容を基にした補助的なドラフトであり、最終的な内容は弁護士の判断で確認・修正してください。
機能3:AI提出前チェック(書面間整合性検証)
解決する課題: mints提出前の確認作業は、形式面だけでも煩雑です。号証の欠番がないか、証拠説明書の立証趣旨は全て記載されているか、主張書面で引用している証拠番号がパッケージに含まれているか——これらを一つひとつ目視で確認するのは、特に証拠が多い事件では見落としのリスクが伴います。
AILEXの解決策: 3つの静的チェックと5つのAIチェックを組み合わせた、合計8項目の自動検証を行います。
静的チェックとして、号証の連番チェック(欠番がないか)、証拠説明書の立証趣旨記載チェック(空欄がないか)、ファイル数の集計を実行します。これらはプログラムによる機械的な検証のため、確実に問題を検出できます。
AIチェックとしては、主張書面と証拠リストを横断的に分析し、以下の5つのカテゴリで不整合を検出します。
- 証拠引用の整合性: 主張書面で「甲第3号証」と引用しているのに、パッケージに甲第3号証が含まれていないケースを検出
- 当事者名の表記統一: 書面間で当事者名に表記揺れがないかを確認(例: 「田中太郎」と「田中」の混在)
- 日付の整合性: 時系列の前後矛盾がないかを検証
- 金額の整合性: 書面間で請求額等に齟齬がないかを確認
- 証拠と争点の対応: 主張の各争点に対応する証拠が揃っているかを分析
チェック結果は、✅(問題なし)/ ⚠️(要確認)/ ❌(要修正)の3段階で判定され、テキストファイルとしてZIPパッケージに同梱されます。パッケージ生成なしでチェックのみを実行するAPI(/api/mints/check)も用意しています。
実務上のポイント: AIチェックは「見落とし防止のセーフティネット」です。AIが「問題なし」と判定した場合でも、提出前の最終確認は弁護士の責任において行ってください。特に証拠と争点の対応関係は訴訟戦略に関わるため、AIの指摘を参考にしつつ、弁護士自身の判断で最終決定してください。
機能4:AI証拠並び順提案+自動採番
解決する課題: 証拠の並び順は、裁判官の心証形成にも影響し得る実務上の重要事項です。一般的には時系列順が適切とされますが、契約書→通知書→メール→写真のように文書の性質を考慮した並び順が必要な場合もあります。証拠が多数ある事件では、最適な並び順を検討するだけでも時間がかかります。
AILEXの解決策: AIが各証拠文書の内容(タイトル、種別、OCRテキスト)を分析し、時系列と文書性質を考慮した最適な並び順を自動提案します。
提案された並び順に基づき、「甲第1号証」「甲第2号証」…(または乙号証)の番号が自動的に付与されます。原告側か被告側かはダイアログで選択でき、甲/乙の判定に応じた証拠番号がファイル名に自動反映されます。
差分パッケージ(後述の機能5)を利用する場合は、前回パッケージの最終番号から続番が自動的に割り当てられるため、号証番号の重複や欠番を防ぐことができます。
機能5:提出履歴管理+差分パッケージ生成
解決する課題: 訴訟は1回の書面提出で終わるものではありません。訴状提出後に準備書面を追加提出し、新たな証拠を提出し、場合によっては何度もやり取りを繰り返します。その度に全文書を含むフルパッケージを再生成するのは非効率であり、「前回何を提出したか」「今回追加すべき文書は何か」を管理する必要があります。
AILEXの解決策: パッケージ生成のたびに提出履歴をデータベースに自動保存し、過去の提出内容を一覧で確認できるようにしました。
提出履歴には、パッケージの種別(フル/差分)、含まれるファイル数、証拠数、生成日時が記録されます。事件詳細ページからワンクリックで履歴を確認でき、各パッケージの提出前チェック結果も閲覧可能です。
そして、この履歴管理の真価は「差分パッケージ生成」にあります。前回のパッケージ以降に追加された文書のみを自動抽出し、前回の続番から号証番号を付与した差分パッケージを生成できます。
差分検出APIは、前回パッケージ以降に追加された文書の一覧に加えて、新しく登録された準備書面中で引用されている証拠番号をAIが自動検出します。例えば、新しい準備書面に「甲第15号証として添付する」と記載されていれば、甲第15号証に対応する文書の準備が必要であることを事前に通知します。
利用可能なAPIエンドポイント:
GET /api/mints/history/{事件ID}— 提出履歴一覧の取得GET /api/mints/diff/{事件ID}— 差分検出(前回以降の新規文書+証拠引用検出)POST /api/mints/generate—diff_mode=trueとprevious_package_idを指定して差分パッケージ生成
機能6:提出期限リマインダー連携
解決する課題: 電子送達の導入により、弁護士の期限管理はこれまで以上に重要になります。改正民事訴訟法第109条の3では、送達の効力が「通知から1週間経過した時」にも発生すると定められており、メール通知に気づかなくても送達は有効に成立します。この「1週間ルール」の見落としは弁護過誤に直結するリスクです。
AILEXの解決策: パッケージ生成時に、事件のスケジュール情報から次回の提出期限・口頭弁論期日・弁論準備手続期日を自動検出し、期限の3日前にリマインダー通知を自動生成します。
検出対象のキーワードは「提出」「期日」「弁論」「締切」で、これらを含むスケジュールが自動的にリマインダーの対象となります。重複通知は自動的に防止されるため、パッケージを複数回生成しても通知が重複することはありません。
さらに、ダッシュボード向けのアラート機能(GET /api/mints/alerts/{事件ID})も提供しています。3日以内に迫っている期日があり、かつmintsパッケージが未生成または7日以上前に生成されたものしかない場合、「パッケージ未生成/古い可能性」を警告します。
実際の利用フロー — パッケージ生成から提出まで
AILEXのmints AI機能を使った実際の提出準備フローをご紹介します。
ステップ1:事件に文書を登録
AILEXの事件管理画面で、訴状・準備書面・証拠をアップロードまたはAI文書生成で作成します。ZIPインポート機能を使えば、紙の書類をスキャンしたPDFを一括登録し、AIがOCRでテキスト抽出・文書種別判定を自動で行います。
ステップ2:パッケージ生成
事件詳細ページの「📦 パッケージ生成」ボタンをクリックし、原告側/被告側を選択するだけです。AIが以下を自動実行します。
- 文書の自動分類(主張書面 / 書証 / スキップ)
- 証拠の最適並び順提案+甲/乙号証の自動採番
- 証拠説明書の立証趣旨等をAI補完してPDF生成
- mintsフォーム入力テキスト(趣旨400字+原因10,000字)のAI生成
- 8項目の提出前整合性チェック
- 提出期限リマインダーの自動生成
- 履歴の自動保存
ステップ3:チェック結果の確認
ZIPパッケージ内の「06_AI提出前チェック結果.txt」を開き、⚠️や❌が付いている項目を確認・対応します。API応答にもチェック結果が含まれるため、画面上ですぐに確認することもできます。
ステップ4:mintsでの提出
生成されたZIPを展開し、以下の手順でmintsに提出します。
- mintsにログイン(SMS多要素認証が必要)
- 「00_mintsフォーム入力テキスト.txt」の内容をフォームに転記
- 「01_主張書面/」のPDFをアップロード
- 「02_書証_甲号証/」のPDFと「04_証拠説明書.pdf」をアップロード
- 当事者が10名超の場合は「05_当事者等目録.csv」もアップロード
ステップ5:追加提出(差分パッケージ)
後日、新たな準備書面や証拠を追加提出する場合は、差分パッケージ機能を使います。diff_mode をオンにすれば、前回パッケージ以降の新規文書のみが抽出され、号証番号も前回の続きから自動付与されます。
技術的な安全設計 — PII保護とフェイルセーフ
PII自動マスキング
AILEXのすべてのAI機能には、PII(個人識別情報)自動マスキングが適用されます。証拠説明書のAI生成、フォームテキストのAI生成、整合性チェックのいずれにおいても、外部APIに送信される前に当事者名・住所・電話番号等がプレースホルダに自動置換され、AIの応答受信後に元の情報に復元されます。
これにより、クライアントへの同意説明は不要です。AILEXは弁護士側の業務効率化ツールとして設計されており、個人情報を外部に送信しない仕組みを採用しています。
フェイルセーフ設計
各AI機能は独立して動作し、一つの機能でエラーが発生しても他の機能には影響しません。例えば、AIによる証拠並び順の提案が失敗した場合でも、登録順でのパッケージ生成は正常に完了します。API通信のタイムアウトやエラーはすべてログに記録され、ユーザーの操作が中断されることはありません。
データベースの自動マイグレーション
提出履歴管理に使用するテーブル(mints_packages)は、初回のAPI呼び出し時に自動作成されます。既存のデータベースに手動で変更を加える必要はありません。
mintsの今後 — TreeeSへの移行とAILEXの対応
最高裁判所は当初、フェーズ3用に「TreeeS」(Trial e-filing e-case management e-court Systems)という新システムを開発していましたが、開発遅延により方針が転換されました。2026年5月の全面施行には既存mintsの改修で対応し、TreeeSの本格導入は2027〜2028年度に後ろ倒しとなっています。
これは弁護士にとって、まずmints改修版に対応し、数年後にTreeeSへ再移行するという二段階の移行が必要になることを意味します。
AILEXは、この「二重移行問題」を吸収するレイヤーとして機能します。AILEXのmints対応は特定のAPIに依存しない設計のため、将来TreeeSに移行した際にも、出力フォーマットの調整だけで対応可能です。弁護士は使い慣れたAILEXの操作画面から、裏側のシステムが変わっても同じワークフローで電子提出を続けられます。
まとめ — 施行まで残り約3か月、今からできる準備
2026年5月21日の施行は動きません。以下のステップで、今から準備を始めることをお勧めします。
今すぐ:
- mintsのアカウント登録がまだの方は、日弁連の案内に従って登録を完了してください
- AILEXのアカウントを作成し、既存の事件データを登録してみてください
施行前に:
- テスト事件でmintsパッケージの生成を試し、ZIPの中身を確認してください
- mintsのテスト環境で、実際の提出操作を練習してください
施行後:
- AILEXの差分パッケージ機能で、追加提出の効率化を実感してください
- 提出期限リマインダーで、電子送達の「1週間ルール」に備えてください
民事裁判IT化は、1996年の民事訴訟法全面改正以来、日本の弁護士業界にとって最大の変革です。約47,000人の弁護士全員が影響を受け、その80%以上を占める小規模事務所が最も準備を必要としています。
AILEXは、「AILEXだけ入れれば民事裁判IT化に対応できる」という明確な価値を目指し、mints対応を含む統合的な訴訟支援プラットフォームとして進化を続けます。
本記事で紹介した機能は、AIによるドラフト・参考資料の自動生成です。弁護士法第72条に基づき、生成された内容の最終確認・判断は弁護士が行ってください。AILEXは弁護士の業務効率化を支援するツールであり、法律事務を行うものではありません。
mints(民事裁判書類電子提出システム)は最高裁判所が開発・運営するシステムです。AILEXはmintsと直接のAPI連携を行うものではなく、mints提出用の書類準備を効率化するツールです。
AILEX — AI Legal Expert System
AILEX合同会社
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