書類提出

期日請書とは?書き方・書式・提出方法とmints時代の扱い【民訴法94条】

期日請書(きじつうけしょ)とは、裁判所から電話などで期日の連絡を受けた当事者・代理人が、「その期日の呼出しを受け、了解した」ことを裁判所に伝える書面です。民事訴訟法94条3項ただし書にいう「期日の呼出しを受けた旨を記載した書面」がこれに当たります。第1回口頭弁論期日の日程を電話で調整した原告代理人が、以前はFAXで送っていたあの一枚です。本記事では、期日請書の法的な位置づけ、書き方と書式、そしてmints(ミンツ)による電子申立てが義務化された後にどう扱われるかを整理します。

期日請書の法的な位置づけ──民訴法94条

改正後の民事訴訟法94条は、期日の呼出しを次の方法で行うと定めています。

  • ①電子呼出状の送達:裁判所書記官が出頭すべき日時・場所を記録して作成した電子呼出状を、ファイルに記録したうえで出頭すべき者に送達する方法(1項1号・2項)
  • ②出頭者への告知:当該事件について出頭した者に対して期日を告知する方法(1項2号)
  • ③その他相当と認める方法:電話やファクシミリ、電子メールでの連絡など

そして3項は、①②以外の方法(=③)で呼び出したときは、期日に出頭しない当事者・証人・鑑定人に対して、法律上の制裁その他期日の不遵守による不利益を帰することができないとしつつ、ただし書で「期日の呼出しを受けた旨を記載した書面を提出したときは、この限りでない」と定めています。期日請書はこのただし書の書面であり、裁判所が③の簡易な方法で呼び出した場合に、呼出しの事実を記録に残し、不出頭時の不利益を帰せるようにするための書面です。裁判所が「期日請書を出してください」と求めるのは、この規定が背景にあります。

どんな場面で求められるか

場面呼出しの方法期日請書
訴状提出後、第1回口頭弁論期日を書記官と電話で調整した原告代理人③相当と認める方法求められることが多い
訴状とともに電子呼出状のシステム送達を受けた被告代理人①電子呼出状の送達不要
期日に出頭し、その場で次回期日を指定された当事者②出頭者への告知不要(電子調書に記録される)
期日変更後、新しい期日を電話で連絡された当事者③相当と認める方法求められることがある

要するに、電子呼出状の送達や期日での告知を受けたなら期日請書は不要で、電話等で連絡を受けたときに提出を求められる、という整理です。義務化後は訴訟代理人へのシステム送達が標準になったため、電子呼出状が送達される場面が増え、期日請書を求められる場面は相対的に減っています(電子呼出状と期日管理)。もっとも、裁判所によって運用は異なりますので、書記官から求められたときに迷わず出せるよう、書き方は押さえておきましょう。

期日請書の書き方と記載事項

東京簡裁が公開している「口頭弁論期日請書」の書式を見ると、記載事項は次のとおりで、極めてシンプルです。

  • 事件番号(令和〇年(〇)第〇〇号)と事件名(〇〇請求事件)
  • 当事者(原告・被告)の表示
  • 宛先(〇〇裁判所民事第〇部〇係 御中)
  • 表題「口頭弁論期日請書」(弁論準備手続期日なら「弁論準備手続期日請書」等)
  • 本文:「頭書の事件について、口頭弁論期日を令和〇年〇月〇日午前/午後〇時〇分と指定され、了解しました。」
  • 作成日付、提出者(原告/被告、訴訟代理人弁護士〇〇)の記名

従来は記名のうえ押印していましたが、mintsで電子提出する書面には押印が不要です(mints提出書面と押印)。期日の日時は必ず書記官から伝えられた内容と照合し、「午前/午後」の取り違えがないかを確認してください。ウェブ会議で参加する予定なら、その旨を付記しておくと書記官とのやり取りが減ります。

mints時代の提出方法──FAXからアップロードへ

期日請書は、従来は裁判所にのみFAXで送信し、相手方には送らない扱いが一般的でした。改正民訴法の下では、訴訟代理人は書面の提出を原則としてmintsで行わなければなりません(132条の11)。準備の手引(令和8年6月19日版)40〜41頁の提出場所対応表に期日請書そのものの記載はありませんが、期日指定・期日変更の申立てや各種届出が「記録一覧のアップロード画面・ファイル種別『その他』」に整理されていることから、期日請書も記録一覧のアップロード画面からファイル種別「その他」で提出するのが自然です。書記官から別の指示(電子メールでの返信など)があればそれに従ってください。mintsにアップロードすると相手方代理人にも通知されますが、期日請書は不利益のない書面ですので特段の問題はありません。

なお、令和8年5月20日以前に提起された旧法事件では、従来どおりFAXや郵送で提出する運用が残っています(旧法事件と新法事件の併存)。

期日請書と混同しやすい書面

書面目的期日請書との違い
受領書相手方から直送された準備書面等を受け取ったことを裁判所に届け出る相手方書面の受領を示す書面で、期日とは無関係。mintsで相手方がアップロードした書面は通知をもって直送となる(mints時代の受領書
期日変更申立書指定された期日の変更を求める期日を了解する期日請書とは逆に、期日の変更を申し立てる書面(期日変更の申立て
電子呼出状裁判所が期日を告知するために作成し送達する電磁的記録裁判所が発するもの。これを送達された当事者は期日請書を出す必要がない

参考までに、期日請書の本文例は次のような一文で足ります。

「頭書の事件について、口頭弁論期日を令和〇年〇月〇日午前10時30分と指定され、了解しました。なお、当該期日にはウェブ会議の方法により参加する予定です。」

期日請書を出した後にやること

  • 期日を事務所のスケジュールに登録する。mintsには控訴期間の末日や次回期日を自動で表示する機能はありません(mintsの期日管理)。
  • 準備書面・証拠の提出期限を電子調書で確認する。準備の手引23頁は、提出期間の定めが記録される電子調書を都度確認することの重要性を指摘しています。
  • 提出期間を過ぎて準備書面を出す場合は、理由の説明義務(改正民訴法162条2項)があり、時機に後れた攻撃防御方法として却下されるリスクもあります(提出期限徒過時の説明義務)。

問題は「小さな書面ほど管理が抜ける」こと

期日請書は一枚の定型書面ですが、①提出を忘れる、②日時を書き間違える、③提出したのに事務所の予定表に登録しない、という抜けが起きやすい書面でもあります。特に②は、期日を誤認したまま準備を進める最悪のケースにつながります。書記官との電話メモ→期日請書の作成→提出→スケジュール登録までを一連の手順にし、ダブルチェックする体制が必要です。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。個別の事案については弁護士にご相談ください。
運営:AILEX合同会社(エーアイレックス)|顧問弁護士事務所:弁護士法人えそら

よくある質問

期日請書とは何ですか?

裁判所から電話などで期日の連絡を受けた当事者・代理人が、期日の呼出しを受け了解した旨を記載して提出する書面です。民事訴訟法94条3項ただし書の「期日の呼出しを受けた旨を記載した書面」に当たり、これを提出すると、出頭しない場合に期日不遵守の不利益を帰することができるようになります。

電子呼出状が送達された場合も期日請書は必要ですか?

不要です。電子呼出状の送達や期日での告知は民訴法94条1項各号の方法であり、期日請書が求められるのは電話等の「その他相当と認める方法」で呼び出された場合です。

期日請書はmintsのどこから提出しますか?

準備の手引の提出場所対応表に期日請書の記載はありませんが、期日指定・期日変更の申立てや各種届出が記録一覧のアップロード画面のファイル種別「その他」に整理されているため、同様に「その他」で提出するのが自然です。書記官から別の指示があればそれに従ってください。

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