公開日: 2026年2月 カテゴリ: 機能ガイド / リスク管理
新しい相談が来た。案件の内容を聞き、受任を検討する——その前に、一つ確認しなければならないことがあります。「この依頼者や相手方は、過去に扱った別の案件に関係していないか?」
利益相反のチェックは、弁護士職務基本規程 第27条・第28条で求められる、受任前に欠かせない手続きです。しかし実際には、記憶やExcelの名簿に頼って確認している事務所が少なくありません。事件が増えるほど見落としのリスクは高まり、万が一利益相反に気づかず受任してしまえば、懲戒事由にもなりかねません。
AILEXのコンフリクトチェック機能は、登録済みのすべての事件データを自動的に照合し、利益相反の可能性をリアルタイムで検出します。この記事では、その仕組みと使い方を解説します。
3つのタイミングで自動的にチェック
AILEXでは、利益相反のチェックが特別な操作なしで実行される仕組みになっています。チェックが走るタイミングは3つです。
① ダッシュボード — ログインするたびに確認
ダッシュボードを開くと、登録済みの全事件の当事者名が自動的に相互照合されます。利益相反の可能性がある組合せが見つかった場合は、画面上部にアラートが表示されます。
アラートは最大5件まで表示され、それ以上ある場合は「詳細を確認」リンクから専用ページに移動できます。毎朝ログインするだけで、事務所全体の利益相反リスクが目に入る仕組みです。
② 事件登録フォーム — 入力した瞬間にチェック
新しい事件を登録するとき、原告名・被告名を入力すると、既存の全事件と即座に照合が行われます。
照合結果は入力フォームの下にリアルタイムで表示されます。利益相反の可能性がある場合、そのまま登録ボタンを押すことはできません。確認チェックボックスにチェックを入れてはじめて登録が可能になります。この仕組みにより、「うっかり登録してしまった」という事態を防ぎます。
なお、チェックボックスを入れて登録した場合、監査ログには「コンフリクト確認済」と記録されるため、後から「確認した上で受任した」ことを証跡として残せます。
③ コンフリクトチェック専用ページ — 全事件を一覧スキャン
サイドメニューの ⚖️ コンフリクトチェック を開くと、全事件の当事者名を相互照合した結果が一覧表示されます。このページを開くたびに最新の状態で再スキャンされるため、過去のキャッシュを見ているという心配はありません。
2種類のアラートの見分け方
検出結果は、リスクの度合いに応じて2段階で表示されます。
🚨 利益相反の可能性(danger)
同一人物が、ある事件では原告として、別の事件では被告として登場しているケースです。典型的な利益相反の構図であり、最も注意が必要です。
赤色のアラートで表示され、ダッシュボードでも目立つ形で警告されます。
例: 山田太郎さんが、事件Aでは原告、事件Bでは被告として登録されている場合
⚠️ 同一当事者(warning)
同一人物が複数の事件で同じ側(原告同士、または被告同士)に登場しているケースです。直ちに利益相反とは限りませんが、関連事件として把握しておくべき情報です。
黄色のアラートで表示されます。
例: 株式会社ABCが、事件Aでも事件Bでも被告として登録されている場合
手動で当事者名を検索する
受任を検討している段階で、まだ事件登録をしていない場合にも、当事者名で検索できます。
コンフリクトチェック専用ページの 🔎 個別検索 フォームに名前を入力して「検索」を押すと、既存事件の原告・被告を横断的に検索し、一致する事件を一覧で表示します。
検索結果には以下の情報が含まれます。
- 一致した側(原告側 / 被告側)
- 事件番号・事件名へのリンク
- 原告名・被告名(検索語がハイライト表示)
- 事件種別(民事・刑事・家事・行政)
- 事件の状態(有効 / 終了)
- 担当弁護士名
該当する事件がなければ「✅ 利益相反なし」と表示されます。新規相談の電話を受けながらこの画面を開いて、相手方の名前を入力するだけで即座に確認できます。
照合の仕組み
AILEXのコンフリクトチェックがどのように動作しているかを説明します。
当事者名の分割
原告欄・被告欄に複数名が入力されている場合、読点(、)やカンマ、スラッシュ、スペースなどの区切り文字で自動的に分割されます。「山田太郎、田中花子」と入力されていれば、それぞれ個別に照合されます。
「外○名」のような表記は自動的に除去され、実名部分のみが照合対象になります。
部分一致による検索
照合は部分一致で行われます。「山田太郎」で検索すれば、「原告 山田太郎」はもちろん、「山田太郎外3名」や「被告代理人 山田太郎」のような記載もヒットします。
事務所全体が対象
利益相反の確認は事務所単位で行う必要があります(弁護士職務基本規程 第57条)。そのため、弁護士ロールのユーザーは、自分が担当していない事件も含めた事務所全体の事件データに対して照合が行われます。
実際の運用フロー
コンフリクトチェック機能を日常業務に組み込む流れをまとめます。
新規相談時
- 相談者から当事者名(依頼者名・相手方名)を聞く
- コンフリクトチェックページで個別検索を実行
- 該当なし → 受任検討を進める
- 該当あり → 過去事件の内容を確認し、利益相反の有無を判断
事件登録時
- 事件登録フォームで原告・被告を入力
- 自動的に既存事件との照合結果が表示される
- 利益相反なし → そのまま登録
- 利益相反の可能性あり → 内容を確認のうえ、問題なければ確認チェックを入れて登録
日常的なモニタリング
- 毎朝ダッシュボードを確認
- コンフリクトアラートが表示されていないかチェック
- 新たな検出があれば、コンフリクトチェックページで詳細を確認
よくある質問
Q. 事件登録時にコンフリクトが検出されたら、登録できないのですか?
登録できます。ただし、検出結果を確認したうえで「確認済み」チェックボックスにチェックを入れる必要があります。同姓同名の別人であるケースや、利益相反に該当しないと判断した場合に、弁護士の判断で登録を進められる設計です。確認した事実は監査ログに記録されます。
Q. 終了した事件も照合対象になりますか?
はい。ステータスが「終了」の事件も含めて照合されます。事件が終了していても、守秘義務や利益相反の制約は継続するためです。
Q. 自分が担当していない事件も検索されますか?
弁護士・管理者ロールのユーザーは、事務所全体の事件が照合対象になります。弁護士職務基本規程 第57条は、同一法律事務所に所属する弁護士間での利益相反も規制しており、自分の担当事件だけでは不十分なためです。
Q. 当事者名のカタカナ・ひらがなの違いは区別されますか?
現在の照合は文字列の部分一致で行われるため、「ヤマダ」と「山田」のように表記が異なる場合はヒットしません。受任相談時には、漢字・カタカナの両方で検索することをお勧めします。
Q. 個人情報の観点で問題はありませんか?
コンフリクトチェックは事務所内部のデータベースのみを参照しており、外部APIへの送信は一切行いません。すべての照合はサーバー内で完結します。
まとめ
利益相反の確認は、弁護士にとって省略できない手続きです。しかし、事件数が増えるほど手作業での確認は困難になります。
AILEXのコンフリクトチェック機能を活用すれば、確認の手間を最小限にしつつ、見落としのリスクを大幅に低減できます。
- ダッシュボードで毎日自動チェック
- 事件登録時にリアルタイムで照合+強制確認
- 専用ページで個別検索+全事件スキャン
- 監査ログに確認済みの証跡を記録
記憶やExcelに頼る確認作業から卒業し、仕組みで利益相反リスクを防ぎませんか。
AILEXは、小〜中規模の法律事務所のための AI法務支援プラットフォームです。コンフリクトチェックのほかにも、AI法律相談チャット、AI文書生成(27種類)、ファクトチェック、事件管理、文書管理など、弁護士業務に必要な機能をワンストップで提供しています。
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