AI文書生成 実践ガイド — 27テンプレートで準備書面から示談書まで

「準備書面の起案にまた半日かかる」「内容証明を書くたびにゼロから考えている」——訴訟実務で頻繁に発生する文書作成の負担を、AIで大幅に軽減できたらどうでしょうか。

AILEXのAI文書生成機能は、事件に登録された訴状・証拠・契約書などの文書をAIが自動参照し、出典付きで法律文書のドラフトを生成します。用意されたテンプレートは27種類。争点整理や時系列整理といった分析系から、準備書面や内容証明の草案、さらには示談書・和解合意書まで、訴訟実務のあらゆるフェーズをカバーしています。

この記事では、AI文書生成の基本操作から27テンプレートの活用法、出典機能の使い方、そして実務で効果的に使うためのコツまでを解説します。


AI文書生成の仕組み

AILEXのAI文書生成は、単にテンプレートに沿ってテキストを出力するものではありません。事件に紐づけた文書(訴状、答弁書、証拠、契約書など)の内容をAIが読み取り、それらを根拠として法律文書を生成します。

生成された文書には 出典タグ が自動付与されます。たとえば「[出典1: 訴状 p.3]」「[出典2: 甲第5号証 p.1]」のように、どの文書のどの箇所を参照したかが明示されるため、弁護士が根拠を確認しやすい設計になっています。

⚠️ 重要: AI文書生成の出力はあくまで「ドラフト(草案)」です。最終的な法的判断と文書の内容確認は、必ず弁護士ご自身で行ってください。


AI文書生成画面へのアクセスと基本操作

Step 1: 生成画面を開く

以下のいずれかの方法でAI文書生成画面(/generate)にアクセスします。

  • ダッシュボードの 「🤖 AI文書生成」カード をクリック
  • ヘッダーナビゲーションの 「AI生成」 をクリック

Step 2: 事件を選択する

生成画面の上部で、文書を生成したい 事件 をドロップダウンから選択します。事件を選択すると、その事件に紐づくすべての文書(訴状、答弁書、証拠など)がAIの参照対象になります。

💡 ヒント: 文書が多く登録されている事件ほど、AIの生成精度が高くなります。事件に関連するPDFをあらかじめアップロードまたはZIPインポートしておくと効果的です。

Step 3: テンプレートを選択する

27種類のテンプレートから、生成したい文書の種類を選びます。テンプレートはカテゴリ別に整理されているので、目的に合ったものを選択してください(各テンプレートの詳細は次のセクションで解説します)。

Step 4: 生成を実行する

「生成」ボタンをクリックすると、AIが事件の文書を分析して文書を生成します。生成結果は モーダル(ポップアップ) で表示され、内容を確認できます。

Step 5: 結果を活用する

生成結果のモーダルには コピーボタン が付いています。内容を確認・修正した上で、Word文書やメールなどに貼り付けてご利用ください。生成結果は generations テーブルに自動保存 されるため、事件詳細画面からいつでも過去の生成履歴を参照できます。


27テンプレート全カタログ

AILEXのテンプレートは6つのカテゴリに分類されています。ここでは各テンプレートの概要と、どのような場面で使うと効果的かを解説します。

カテゴリ1: 分析・整理(4種)

事件の全体像を把握し、論点を整理するためのテンプレートです。訴訟の初期段階や、方針を再検討する場面で活用できます。

テンプレート概要活用シーン
争点整理原告・被告双方の主張を対比し、争いのある事実と法律上の争点を体系的に整理弁論準備手続前の論点把握、チーム内での認識共有
時系列整理事件に関連する事実を時系列順に整理し、各時点の法的意味を付記準備書面の事実経過セクション作成、依頼者との事実確認
事実関係の整理証拠に基づいて確認済みの事実と争いのある事実を区分して整理訴訟戦略の検討材料、証拠の過不足確認
証拠の分析・評価各証拠の証明力、信用性、関連性を評価し、立証計画の材料を提供証拠説明書の準備、反対尋問の準備

💡 実務のコツ: 受任直後にまず「争点整理」と「時系列整理」を実行し、事件の全体像をつかむワークフローがおすすめです。この2つの出力を土台にして、その後の準備書面や方針検討に進むと効率的です。

カテゴリ2: 書面作成(4種)

訴訟の核となる書面のドラフトを生成するテンプレートです。

テンプレート概要活用シーン
準備書面の草案登録文書の内容に基づき、主張・反論・証拠引用を含む準備書面のドラフトを生成期日前の準備書面作成、反論書面の起案
主張書面の骨子主張の構造(要件事実→具体的事実→証拠)をアウトライン形式で整理書面作成前の構成検討、弁護団での分担整理
求釈明事項の整理相手方に対して明確にすべき事項をリストアップし、質問形式で整理弁論準備手続での求釈明の準備
和解案の検討事件の状況に基づいて現実的な和解条件(金額・条件・スケジュール)を提案和解協議前の検討材料、依頼者への説明資料

💡 実務のコツ: 「準備書面の草案」は最も利用頻度が高いテンプレートです。生成された草案をそのまま使うのではなく、構成と論理の流れを参考にしつつ、弁護士ご自身の法的分析と文体で仕上げるのが効果的な使い方です。

カテゴリ3: 調査・検討(4種)

法的な調査や反論検討を支援するテンプレートです。

テンプレート概要活用シーン
関連判例の調査事件の争点に関連する判例の論点・結論を整理し、本件への適用可能性を検討準備書面での判例引用準備、方針決定の根拠収集
法的論点の検討事件に関わる法律上の論点を抽出し、学説・判例を踏まえた検討を提示複雑な法律問題の整理、意見書作成の下準備
損害額の算定根拠整理証拠に基づく損害項目の洗い出しと算定根拠の整理損害賠償請求の金額立証準備
相手方主張の反論ポイント相手方の主張を分析し、反論可能なポイントと根拠を提示反論準備書面の起案、口頭弁論の準備

💡 実務のコツ: 「関連判例の調査」で生成された判例情報は、必ず裁判所サイトや判例データベース(Westlaw Japan、LEX/DBなど)で原典を確認してください。AIの判例引用にはハルシネーション(架空情報の生成)のリスクがあるため、出典の裏取りは必須です。AIチャットの ファクトチェック機能 と組み合わせると、検証がさらに効率的になります。

カテゴリ4: 要約・報告(3種)

事件の状況を要約し、依頼者やチームへ報告するためのテンプレートです。

テンプレート概要活用シーン
事件概要の要約事件の基本情報、経緯、争点、現在の状況をコンパクトに要約チーム内の引き継ぎ資料、新規メンバーへのブリーフィング
依頼者向け報告書専門用語を噛み砕きつつ、事件の進捗と今後の見通しを依頼者向けの文体で作成定期報告、期日後の報告
今後の方針検討現在の状況を踏まえた選択肢(訴訟続行、和解、上訴など)のメリット・デメリットを整理方針決定の会議資料、依頼者との方針協議

💡 実務のコツ: 「依頼者向け報告書」は、AIが法律用語を平易な表現に言い換えてくれるため、依頼者への報告メールの下書きとして特に便利です。

カテゴリ5: 交渉・連絡文書(8種)

訴訟外の交渉や各種通知など、実務で頻繁に作成する文書のテンプレートです。

テンプレート概要活用シーン
内容証明郵便の草案法的要件を満たした内容証明郵便の文面を生成債権回収、契約解除通知、損害賠償請求
催告書相手方に対する履行催告の文面を生成支払催告、明渡催告、履行請求
通知書法的効果を伴う各種通知書を生成解除通知、相殺通知、時効援用通知
回答書相手方からの通知・催告に対する回答文面を生成請求への反論、催告への対応
受任通知書依頼者の代理人として相手方に送付する受任通知を生成受任直後の最初の連絡
示談書・和解合意書合意条件を反映した示談書または和解合意書のドラフトを生成示談成立時、和解協議の合意書面化
相手方代理人宛て連絡文書相手方代理人への連絡・提案・回答の文面を生成代理人間の交渉・調整
依頼者宛て説明文書依頼者に対して法的状況や選択肢を説明する文書を生成複雑な法的問題の依頼者向け解説

💡 実務のコツ: 「内容証明郵便の草案」と「催告書」は、定型的な部分はAIが生成し、事件固有の事実関係の記述を弁護士が追記・修正するという分業が効率的です。宛名、日付、送付方法などの形式面は最終チェックをお忘れなく。

カテゴリ6: 契約・日常業務文書(4種)

訴訟業務以外の日常的な法務作業を支援するテンプレートです。

テンプレート概要活用シーン
契約書レビューメモ契約書の問題点・リスク条項・修正提案を整理したレビューメモを生成依頼者への契約書レビュー報告
法律意見書特定の法律問題について、結論・根拠・留意点を含むリーガルオピニオンを生成M&A、事業再編、コンプライアンスの法的意見
打合せ議事録事件に関する打合せの論点と決定事項を議事録形式で整理依頼者との面談後の記録、チーム会議の記録
業務委託契約書の草案業務委託契約の基本条項を含むドラフトを生成業務委託・顧問契約の起案

出典タグの見方と活用法

AI文書生成の大きな特徴のひとつが、出典タグ(citation) の自動付与です。

出典タグの書式

生成されたテキストの中に、以下のような形式で出典が挿入されます。

原告は令和5年3月15日に被告に対して金500万円を貸し付けた事実が認められる
[出典1: 金銭消費貸借契約書 p.1]。被告は同年9月15日の支払期日を経過しても
返済を行っていない[出典2: 催告書 p.2]。

出典クリックで元文書を確認

出典タグはクリック可能で、クリックすると元文書の該当箇所が表示されます。これにより、AIの生成内容の根拠を瞬時に確認できます。

出典が重要な理由

出典機能は単なる付加情報ではなく、弁護士がAI出力を検証するための重要なツールです。AIが参照した文書と実際の主張が整合しているかを確認することで、ハルシネーション(事実と異なる内容の生成)を発見しやすくなります。生成結果を利用する際は、主要な出典について必ず原文と照合してください。


生成結果の出力形式

AI文書生成の結果は以下の特徴を持っています。

  • プレーンテキスト出力 — Markdownの装飾は除去され、コピー先(Word、メールなど)で再フォーマットしやすい形式で出力されます
  • コピーボタン付きモーダル — 結果はモーダルウィンドウに表示され、ワンクリックで全文をクリップボードにコピーできます
  • 自動保存 — 生成結果はgenerationsテーブルに保存され、事件詳細画面の「AI生成結果」セクションからいつでも再参照できます。トークン使用量と処理時間も記録されます

AI文書生成を効果的に使うための5つのポイント

1. 文書の質と量が生成精度を左右する

AIは事件に登録された文書を参照して生成するため、文書が充実しているほど出力の質が上がります。受任したらまずZIPインポートや手動アップロードで主要な書類をAILEXに取り込んでおきましょう。

2. 文書種別を正しく設定する

文書種別(訴状、答弁書、証拠など)が正しく設定されていると、AIが文書の性質を正確に理解して参照します。自動判定が誤っている場合は、文書管理画面からインラインで修正しておくのがおすすめです。

3. 分析系テンプレートから始める

いきなり「準備書面の草案」を生成するよりも、まず「争点整理」「時系列整理」「事実関係の整理」で事件の全体像を把握してから書面作成に進むと、AIの生成内容もより的確になります。

4. 出典を必ず確認する

繰り返しになりますが、AIの出力には誤りが含まれる可能性があります。特に判例引用や条文引用は、出典タグをクリックして元文書と照合することを習慣づけてください。AIチャットのファクトチェック機能と組み合わせれば、検証の精度がさらに高まります。

5. ドラフトとして活用する

AI文書生成の最も効果的な使い方は、「ゼロからの起案」を「AIドラフトの修正」に変えることです。白紙の画面に向かう負担がなくなり、構成・論点・表現の叩き台がある状態からスタートできます。最終的な文書はあくまで弁護士ご自身の判断と文体で仕上げてください。


AIチャットとの使い分け

AILEXにはAI文書生成のほかに AI法律相談チャット/chat)があります。この2つは補完的な関係にあり、場面に応じて使い分けると効果的です。

用途AI文書生成AI法律相談チャット
まとまった文書のドラフト作成
法律問題について対話的に質問
出典タグ付きの根拠明示
事件文書をコンテキストとして参照◎(自動)◎(事件選択モード)
ファクトチェック−(チャットと併用)◎(ボタン一つで実行)

典型的なワークフローとしては、まずAIチャットの事件コンテキストモードで争点や論点について対話的に検討し、方針が固まったらAI文書生成で具体的な文書のドラフトを作成する、という流れが効率的です。


FREEプランとPROプランの違い

FREEプランではAI文書生成に利用制限があります。まずは無料で機能を試し、本格的に業務で活用する場合はPROプラン(月額¥49,000)へのアップグレードをご検討ください。

項目FREEPRO
AI文書生成制限あり無制限
事件数上限5件無制限
AIチャット40回(累計)無制限
ファクトチェック含む無制限
ZIPインポート制限あり無制限

まとめ

AILEXのAI文書生成は、事件に登録した文書をAIが自動参照し、出典付きで法律文書のドラフトを生成する機能です。27種類のテンプレートは訴訟の初期段階(争点整理・時系列整理)から書面作成(準備書面・内容証明)、示談・和解合意書まで、訴訟実務の一連の流れをカバーしています。

効果的な使い方のポイントをまとめると、以下のとおりです。

  1. 事前準備 — 事件に関連文書を十分に登録しておく
  2. 段階的に活用 — まず分析系テンプレートで全体像を把握し、次に書面作成へ
  3. 出典を確認 — 出典タグで根拠を検証し、ファクトチェックも併用する
  4. ドラフトとして使う — AIの出力をベースに、弁護士の判断で仕上げる

次の記事では、AI法律相談チャットとファクトチェック機能の使い方を詳しく解説します。


ご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。


この記事はAILEX v5t時点の情報に基づいています。

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