mints基礎知識

mints施行から3か月|現時点で分かっていること・まだ不明なこと

📅 本記事は2026年5月21日の全面施行から約3か月経過時点の整理です。確定した事実未公表の事項を明示的に分けて記載しています。

この3か月で確定したこと

①公式資料が相次いで改訂された

施行後、一次資料の改訂が続いています。事務所内マニュアルや研修資料が施行前の版のままになっていないか、点検が必要です。

資料最新版
操作マニュアル(当事者ユーザ編)2.3版(令和8年7月15日改訂)
フェーズ3に向けた準備の手引令和8年6月19日版(全49頁)
民事訴訟費用等に関する規則2026年7月1日付で掲載

②準備の手引に実務的な追記が入った

令和8年6月19日版では、施行後の記載への時点修正に加えて、当事者が多数の場合のmints入力上の留意事項、新規申立てフォームの入力方法の整理、マスキング時の留意点、各種申立ての提出場所の一部修正(督促異議・更正決定・担保取消し・控訴に伴う執行停止など)が加えられました。いずれも施行後に現場で疑問が生じた箇所と考えられます。

③日弁連が全面施行日に会長声明を公表した

2026年5月21日付の日弁連会長声明では、電子申立て・電子納付・システム送達・記録の電子化が民事訴訟実務を大きく変えるものと評価する一方、次期システムTreeeSの導入後に申立て方法の異なる複数種類の事件が同時に併存することによる過誤の危険が指摘されています。あわせて司法予算の十分な確保、デジタル利用に不安を抱える人への手続上の配慮、デジタル化を理由とする司法アクセスの縮小への懸念が表明されました。

まだ公表されていないこと

この点は特に重要です。公表されていない事項について推測で語ることは、依頼者説明でも事務所方針の決定でもリスクになります。

  • 施行後の公的な利用統計(電子申立て件数・利用率)— 本記事執筆時点で最高裁・法務省からの公表を確認できていません
  • mintsの操作ミスに起因する却下・期間徒過の裁判例 — 判例集への掲載を確認できていません
  • mintsからTreeeSへの移行方式(データ移行・アカウント移行・並行運用期間・mintsの廃止時期)— 具体的な公式アナウンスは確認できていません
  • 施行後の大規模なシステム障害 — 稼働状況の常設欄はありますが、この期間に該当する掲示は確認できていません

したがって「mintsのミスで却下された事例が続出している」といった言説には、現時点で裏づけとなる公表資料がありません。裁判所の公式見解として、正当な理由なく紙で申立てをした場合に不適法として扱われうるという整理が示されているにとどまります。

統計を引用するときの注意

広く引用されてきた「弁護士の65.5%がmints未経験」という数値は2024年の調査に基づくもので、現在の実態を示しません。施行直前(2026年4月)に実施された調査では、利用者登録は86.7%まで進んだ一方、担当事件で実際に使ったことがない層が39.1%という結果でした。数値を使う際は必ず調査時点と母数を併記してください。

いま事務所が点検すべき3点

  1. 参照資料の版数:事務所マニュアルが2.1版や施行前の手引を前提にしていないか
  2. 提出場所の確認:督促異議・担保取消し・控訴に伴う執行停止など、手引で修正が入った類型を扱う場合
  3. マスキング運用:黒塗り図形を重ねただけでテキストが残っていないか

AILEXで改訂に追随できる体制をつくる

AILEX(エーアイレックス)は、mints提出前のPDF要件チェック、メタデータ除去、証拠番号の自動付番、提出・送達期限の管理を担います。公式資料が改訂され続ける以上、個人の記憶に依存した確認は必ずどこかで追随できなくなります。

チェックを仕組みに載せることが、改訂の続くシステムに対する最も再現性の高い対応です。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。個別の事案については弁護士にご相談ください。
運営:AILEX合同会社|顧問弁護士事務所:弁護士法人えそら

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